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『サッカー批評』ドワイト監督のインタビューを読んで

 現在発売中の『サッカー批評』に、ドワイト監督のインタビューが掲載されています。
 今回の『サッカー批評』は日本のサッカースタイルに関してをテーマにしており、ドワイト監督は『日本サッカーの「オランダ化」』に関してを語っています。
 もちろんジェフの状況に関しても、多く取り上げられています。


 具体的な内容に関してはあまり言えませんが、ジェフに関しては土台を作る段階であるため、スタイルを維持し「4-3-3もしくは4-2-3-1のフォーメーションは変えない」とのことです。
 それが“大きなチャレンジ”であると語っています。



 しかし、今回のインタビューは7月中旬に行われた札幌戦の後にとられたインタビューのようで、その後ジェフは4-4-2に近いフォーメーションで戦っています。
 ドワイト監督自身も東京V戦の試合後に「スタイルを変えた」と話していましたし、深井が下がって1トップにも見える場合もありますが、ドワイト監督が雑誌で語っている「中盤の大きな三角形」とはやはり意図が少し違うと思います。


 当初は怪我人が出たから始めたという説明をしていた現在のスタイルでしたので、また元に戻す可能性もあるのかな?と思ってのですが、米倉も復帰し、オーロイの代役(と言っては失礼ですが)大島もチームに慣れてきているにもかかわらず、4-4-2のスタイルは変えずに戦っています。
 ようするに怪我人などは関係なく、スタイルを変えなければいけないチーム状況、“大きなチャレンジ”を一度は放棄しなければいけない状況であると、ドワイト監督は考えたのではないでしょうか。
 よく「怪我人が出たことによって、結果が出なくなった」と分析される方もいますけど、それ以前に問題があったとも言えるのかもしれません。
 実際、チームの結果も出ていない状況でしたし、そこまでしなければいけないと判断したんでしょうね。


 その決断力というか、スパッと諦めを付けたことに関しては、良かったんじゃないでしょうか。
 将来性のないスタイルを無駄に推し進めるよりは、思い切って変えてしまった方が良い時もあると思いますしね。
 問題は変化した後の”ニュースタイル”に、どこまでの可能性を見出すことができ、どれだけ積み重ねを作れて素早く完成度を高めていけるかどうか…ですけど。



 あとは一般的な話しが多かったと思います。
 前後を25m以内のコンパクトな体系で守るという話に関しても、オランダサッカーに限らず聞く話ですし、そこまで珍しい発想ではないと思います。
 意外だったのは、深井の守備面を高く評価していたこと。
 もちろん思い切ったチェイシングは時にチームを助けることもありますけど、チーム全体の守備組織を作り上げていくためには、行く行かないのタイミングやプレスをかける角度、スペースに戻った時のポジショニング、90分間を通しての継続性などが重要なはずで…。


 そのあたりは前節北九州戦で左サイドに入った米倉は、さすがだなぁと感じました。
 もちろん左サイドの経験などほとんどないでしょうし、攻撃面などでは戸惑った部分もあると思うのですが。
 深井は前線で起用されることで、ゴールに専念できるという部分もあるのでしょうし、逆に米倉は最後の精度はあまり期待できないですから、米倉をサイドにおいて深井を前線におくというのは、少なくともそこだけ見れば整合性はとれているんじゃないかと思います。
 あとは全体のバランスに関してどう考えるかですね。


サッカー批評(52)(双葉社スーパームック)
サッカー批評(52) (双葉社スーパームック)