鈴木淳監督「フィジカル的なコンディションがなぜかよくないのはひとつの要因。ふたつ目は、愛媛の方はポゼッションをしてシャドーの選手に上手く入れたりするが、そこのボールの消し方が上手くできない。もう少しフィジカル的なところがよければプレッシャーがかかる状況もあるが、運動量が足りず連動できていなくて後手を踏んでしまっているところがあるのでは。守備のマッチングがいまひとつできていないのが二つ目の理由で、そういう展開になるのかなと思う」（J's GOAL）
コンディションが良くないというのは、素直な観想なんでしょうね。
「なぜか」ということで原因がはっきりしていないところが少々気になりますけど、少しずつでも改善してほしいところです。
ただ、コンディション問題は毎年出ているんですよね。
これがベテラン選手が多い選手構成の問題なのか、それともコンディショニングの仕方の問題なのかが気になるところですが…。
それと「守備のマッチングがいまひとつできていない」ということで、これは昨日も話したフォーメーションの噛み合いの部分に関してでしょうか。
相手が3-4-2-1に対してジェフは守備時4×4のボックスで守るから、相手の1トップと2シャドーを4×4で見ると、ボランチと3バックに対してうまく対応できない…と。
それが「シャドーの選手にうまく入れたり…」という話にもつながっているのかなと。
ジェフ公式サイトのコメントの方を見ると、佐藤健太郎も前に出なければいけないと思った、前の選手はきつかったと思うと話していますけど、それも同じ問題に関してではないでしょうか。
ただ、個人的には闇雲にボランチが前に出るだけで、解決する問題ではないと思います。
実際、後半から前に出ていくようにしたということですけど、健太郎が前にチェックへ行った結果、ジェフのバイタルエリアにスペースが出来てしまって、そこを突かれたシーンもありましたし。
相手の3-4-2-1に対して、ほぼ4-4-2で…あるいはケンペスがあまり守らないので4-4-1で守っている状態ですから、ラインの数が異なるということになるわけですね。
愛媛は4つのラインでジェフは3つのラインということになるわけですから、そこにギャップが生まれて守りきれないエリアが出来てしまう。
例えばジェフのMFラインが相手の2シャドーを見てジェフのFWが相手ボランチを見れば相手の3バックが空いてしまうし、ジェフのMFラインが相手ボランチを見てジェフのFWが相手3バックを見れば今度は相手の2シャドーが空いてしまう…と。
実際のジェフは4-4-1-1ですけど、そうだとしても1-1で相手の3バックとダブルボランチを見るのは難しいですしね。
では、どうすればいいのかと考えると、結局どういった守り方をするにしても、どこかで妥協はしなければいけないと思います。
例えばオシム監督のマンマークにしても相手全員にマンマークをつけるわけではなく、最後方のリベロはマークを見ずにカバーリングに専念していたわけですから、相手も1人は必ずフリーになってしまう。
それが相手のCBであり、そこに対しては巻あたりが2人見るような形で対応することが多かったと思います。
だからこそ、巻が重要だったと。
一昨日の代表戦でもやっぱりFWのチェイシングって大事だなぁと思いましたし、ジェフでも最近は強くそこを感じますね。
4×4のディフェンスでも考え方は違うけれど、そういった妥協点はどうしても出てくると思います。
基本的に選手の距離感が大事で、4×4のエリアを広げすぎないことが重要になってくることが多い守り方で。
かといって、狭め過ぎれば他にスペースが出来てしまうから、ちょうど良い距離間というのがベストなわけですが。
片方のサイドを攻められればボックスごとサイドに寄ることになるから逆サイドは空くし、前にコンパクトに守ろうとすれば後ろのスペースができ、かといって引きすぎてしまえば前にスペースができる…と。
では、どうやって守るかというと、やっぱりファーストディフェンスが大事になるのではないかなと。
結局どうしても全エリアは掌握きれないわけですから、相手ボールをこちらの狭いエリアや囲みやすい方向に誘導していったり、守りやすい状況に相手ボールを追いやることが大事になります。
そのためにはFWがボールを奪いきれなくてもいいから、最低限パスコースを限定するポジショニングをして、そこから相手を追いやるチェイシングが必要になってくると。
運動量だけでなく追いかける角度や方向など賢さなども大事になってきて、それが得意だったのが巻で確かユース代表監督時代の吉田靖監督も選手に「巻を見るように」と指導していたと聞いたことがあります。
まぁ、吉田監督は先日熊本を解雇されてしまいましたが（笑）
そんなわけで、ケンペスの守備というが全体の守備において、すごく大きなポイントになってくると思うわけです。
しかし、まだまだ夏もスタートしたばかりですし、大きな改善は見込めないのかなぁと。
それでもある程度目を瞑って使い続けるのか、ナムなどの起用を考えるのか…。
けれども、ナムもゴール前でのプレーには課題があるし、何よりケンペスは得点王ですからね。
ここが今後大きな穴にならないかが、今一番心配されるところかなと思います。
