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障害者スポーツを通じて感じたスポーツの素晴らしさ 前編

 障害者スポーツ
 名前は聞いても実際に観戦したりサポートしたりという経験をされた方は、あまり多くないのではないでしょうか。
 障害者スポーツ大会で最も有名なのが、夏季オリンピックにあわせて開催されるパラリンピック
 2012年に開催されたロンドンパラリンピックは、イギリス国内で連日生中継されチケットも完売するなど、これまでにない成功を収めたと言われています。
 ロンドンはパラリンピック発祥の地とも言われており障害者スポーツへの認識・理解が高いことや、オリンピック陸上200メートルにも出場したオスカー・ピストリウスの存在もあって大きな注目を集めたようです。
 2020年には東京パラリンピック開催されるとあって、日本国内においての障害者スポーツへの熱も高まっているようです。



 一言で障害者スポーツと言っても、様々な区分けがされています
 身体障害者知的障害者精神障害者という障害の違いだけでなく、障害の重さでも区分がある場合があります。
 置かれた環境による違いや障害の度合いなどによって選手を取り巻く環境が大きく状況が異なるであろうことは、想像に難しいことではありません。


 私が初めて障害者スポーツを観戦したのは、2010年に千葉県で行われた全国障害者スポーツ大会。
 国民体育大会にあわせて開催される言わば国体のパラリンピックです。
 その年プレ大会として行われた身体障害者による水泳競技と、本大会の知的障害者によるサッカー競技を観戦しました。


 水泳競技では泳ぐまでの準備が困難な選手も少なくなく関係者が付きっきりで支援したり、盲目の選手にはターン時に棒で知らせる担当者がいたりと、目に見えて周囲によるサポートの重要性が感じられました。
 専門のコーチなどがついている選手は良いのかもしれませんがご家族と思われる方がサポートしていることが多く、出場選手の多くは恵まれたスポーツ環境とは言いにくい状況なのではないかと思います。
 知的障害者によるサッカーも同様に、専属トレーナーが付いていないチームもありスタッフも数が少ない印象でした。
 それでも一生懸命自分なりに努力をして、水泳ではスピードは遅くとも完走しよう、サッカーでは試合終了のホイッスルが鳴るまで走り続けようという強い意欲を感じられ、やりきった選手には自然と拍手が生まれる。
 そういったひたむきな選手の思いや観客からの前向きな雰囲気というものが、会場全体から感じられました。
 プロスポーツではどうしてもチームの結果や商業面が優先され、それは環境を考えれば当然とも言えるとは思いますが、障害者スポーツで感じた大きな見返りなしに競技に取り組もう、応援しようという姿勢にスポーツの原点を見た気がしました。



 個人的な話にはなりますが、私も今年の初めから知人の紹介で精神障害者バスケットボールを支援する団体に協力しています。
 医療施設を中心として結成されているバスケチームを集めて大会運営などを行う団体で、協力と言ってもこれらのホームページブログの作成・運営など後方支援ですが、大会運営の雑務などにも参加しております。
 実行委員は医療に携わる方が多く、私も含めてバスケに詳しくない方も少なくありません。
 大会の企画・運営から会計、慣れないコートのテープ張りやゴールの準備、審判の手伝いなどを、数少ないスタッフで多くを賄っています。
 もちろんスタッフは完全ボランティア…どころか、予算もないので雑費などはスタッフ持ちということも珍しくありません。
 大学のバスケ部員に協力を仰いで、なんとか大会を運営しているような状況です。


 精神障害者と言っても、見た目は健常者と変わらない方達ばかり。
 選手に関しての環境は毎月のように練習を行いユニフォームを統一している本格的なチームや公式HP、パンフレットを作成しているチーム、観客席に弾幕を掲げてられているようなチームもあります。
 一方で女性が多かったり年齢層の高いチームもいるなど、チーム・競技者のレベルはまちまちです。
 全国障害者スポーツ大会でも環境や競技レベルの格差に関しては目についた部分があり、メディアでも取り上げられることがありますが国内の障害者スポーツへのサポ―体制の強化は、2020年に向けの大きな課題の1つなのではないかと思います。


 それでも今年2月に開催したバスケ大会は大きな問題なく開催され、意外な試合展開も見られる白熱した内容となりました。
 大会の合間に行われたフリースロー対決では、大方の予想を裏切って小柄で控えめな女性が優勝。
 大会後に恥ずかしがりながらも、嬉しそうに表彰されていたのが印象的でした。
 彼女の笑顔を見られたのも、掛け値なしでスポーツの素晴らしさと言えるのではないでしょうか。


 実行委員会の目的は、スポーツを通じて障害者に生きる目標を持ってもらい、コミュニケーションの機会を提供することによって、障害者と社会との接点を増やしていくこと。
 ようするに、障害者のために何か貢献できればという思いで集まったメンバーなのですが、そこでの純粋なスポーツに対する盛り上りや選手たちの笑顔から得られるものは、障害者だけでなくサポートしているメンバーにとってもかけがえのないものになっているのではないかと思います。
 後編へ続く。