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サポと親会社の関係とJ2最少得点の愛媛との対戦

 先週書いたフロントの会見に関するエントリーにも多少つながる話ですが、西部謙司氏が関塚監督続投などに関して親会社などの力が働いているのではないかということを示唆する記事をアップしています。
 詳しくはリンク先を読んでいただきたいところですが、個人的には鈴木監督解任時などにも親会社の意向が大きいのではないかと何度も話しておりましたし、高橋GMにも強い権限は与えられないであろうと思っていました。
 そのためこの記事によってその可能性がまた1つ高まったとは言えるでしょうが、それ以上の大きな驚きはありません。


 親会社の影響が、このクラブに大きな問題を与えているのは事実。
 ただ、それは今に始まったことではないし、これで「全ての問題の原因が親会社にある」という話になるのも危険だと思います。
 例えば関塚監督などはその親会社に大きな支援を受けて体制などを整えてきたのでしょうが、それでもうまくいかなかったわけですし監督の手腕の問題も確実にあったと私は思います。


 どうしても目立つ元凶があると、それが全てにおける戦犯であり、そこさえ変わればすべてが解決するという話になりがちです。
 しかし、世の中そう簡単にはいかないことの方が多いし、冷静に状況を静止していく必要があると思います。
 問題1つ1つをつぶさに見ていくことが、何よりも大事なのではないでしょうか。



 以前のジェフは古河がクラブの癌であり、古河さえ変われば多くの問題は解決するだろうと言われ続けていました。
 また祖母井氏などがJRは協力的だったことなどを話していたこともあり、JRへの主導権移行を望む声も少なくなかったと思います。
 それは夢物語であろうとも思われていたのですが、08年にクラブ史上初となるJR出身の三木社長が就任すると、今年1月には清雲取締役が退任したことでついに古河出身の常任取締役が不在となりました。
 それだけ古河の影響は弱まりJRの影響力が高まっているのではないかと思われますが、クラブのフロントには引き続き問題がるように思います。


 当時はクラブの予算も少なく、古河は上下関係が強くトップダウンな古い体質もあって、ジェフに悪い影響を与えていた印象がありました。
 しかし、今思えばそれでも元"丸の内御三家"ということもあって、サッカーに関する人材やコネクション、ノウハウなどは持ち合わせていた部分もあったのかもしれません。
 一方でJRは派手な広告も使い、予算もしっかりと出してくれている印象がある。
 しかし、サッカーに関しては素人なところがあり、それによって意思決定などに問題が出ているところもあるのではないかと思います。



 どちらの親会社もサッカーもジェフも、好きでいてくれてはいるのかもしれません。
 けれども、それ故に監督の去就などに直接声をかけ、現場を混乱させているところがあるということでしょうか。
 愛するが故の混乱があるというのであれば、一層状況は悩ましいところがあります。


 ただ、振り返ってみれば、監督解任や交代にはサポーターの"世論"も反映されている部分はあるのかもしれない。
 例えば古くは07年にアマル監督への試合前からのブーイングがあり、その年に監督が解任され主力選手の大量流出に繋がった。
 最近では14年に開幕戦での居残りがありその年に鈴木監督は途中解任されているし、逆に昨年最終節は関塚監督の挨拶時にブーイングなどが起こらず監督続投となった。
 そして、先日7月10日の水戸戦で居残りがあった2週間後に、関塚監督は解任となっています。



 それらを考えると、サポの行動が親会社の意思決定に影響を与えている部分もあり得るのかもしれません。
 もちろんサポの行動が全てではないでしょうし、偶然起こったケースもあるかもしれない。
 また解任や続投などを決定するにしても、タイミングや次への準備などをもっとうまくやってほしいという場合もあるでしょう。


 ただ、「サポもあんな行動を起こしているのに、なぜ親会社ばかり批判されるのか」と親会社や周囲に言われても、仕方のないケースもあると思います。
 そう思われないように、サポ側もしっかりとサッカーを見て、的確な評価・判断をしていく必要性があるのではないでしょうか。
 親会社を直接変えるというのは不可能だとしても、親会社に言い訳を与えないような状況を作ることが、まずは大事なのではないかと思います。



 先ほど「愛するが故」という話をしましたが、それはサポも同じなのかもしれません。
 鈴木監督の頃は「より自由にノビノビとプレーさせれば、"愛する選手"はもっと良いプレーが出来る」という思いもあって、一部では批判が出ていたのではないでしょうか。
 もしかしたら鈴木監督は"愛するジェフ"の仲間に入れてもらえず、むしろ阻害要因と見られていたのかもしれません。


 一方で関塚監督は組織的なサッカーを作るタイプではないため、結果的に"愛する選手"が自由にプレーさせてもらえているように見えた部分もあったのかもしれない。
 そして、過去の経歴やイメージもあって、一時はやたらともてはやされていった部分があったように思います。
 「組織」か「個」か…これは日本代表がトルシエ監督からジーコ監督に移った時にも、何度も話題になった話でした。


 しかし、「組織」は本来、「個」を活かすためにも必要なものなはずです。
 我々が通常生活を送っていても、最低限の約束事がなければ、仕事や学校、あるいは家庭も成立しない。
 先日取り上げたイタリア代表の例などを取ってもしっかりと組織が機能していたからこそ良いサッカーが出来ていたはずですし、逆に最低限の「組織」すら構築出来なかったジーコ監督は「個」も活かせずに終わってしまった。



 もしかしたらサポや親会社も含めて一部ジェフの周囲の人たちは、ジェフを愛し過ぎているところもあるのかもしれません。
 その結果「"愛するジェフ"はもっとできるはずだ」と、冷静な状況判断が出来ずじっくりとチームを見守ることができていない。
 厳しさこそが愛情であることもあるはずですが、"一度愛した監督や選手"を厳しく見切れず甘さが生まれてしまうところがどこかにあるのかもしれません。 


 そういった甘さを払拭して、真剣にサッカーに打ち込めるクラブに変わることが出来るかどうか。
 純粋にサッカーを見て、評価できるクラブになれるのかどうか。
 このあたりが今後のクラブのテーマとなっていくのでしょうか。



 さて、また冒頭が長くなってしまいましたが、今週末ジェフはホームで愛媛を迎え撃ちます。
 愛媛は前回7月3日に対戦しているため、約1か月ぶりの再戦となります。
 1-2で愛媛が勝利した試合でしたが、GK佐藤のミスから2失点した展開で、試合を優勢に進めていたのはジェフの方でした。


 実際、愛媛はジェフ戦から4試合勝ちなしの状況が続いていました。
 前節20位の群馬相手に1-0で勝利しましたが、ボールを持ち相手を押し込んでいたのは群馬の方で、得点を奪いきれない群馬が89分に失点して愛媛に敗れた試合展開でした。
 愛媛のチーム状況は決して良いものではないように思います。



 その要因の1つが、攻撃力にあると思います。
 現在愛媛の総得点20はJ2最少で、ジェフの総得点36とも大きく差があります。
 J2最多得点は清水の46となっていますから、清水とは倍以上の差が開いていることになります。


 守備に関しては大きく崩れていないものの、攻撃に関してはサイドの裏を走らせる長いボールばかりで、形を作ることが出来ない。
 これは前回ジェフと対戦した時にも感じた、愛媛の大きな課題でした。
 木山監督はジェフ時代にも序盤はカウンターを仕掛けていた時期もありましたが、カウンター対策を取られて攻撃に苦しむと、最終的にサイドの裏を走らせる攻撃一辺倒になっていった印象です。
 愛媛でも同様の状況になりつつあるようですので、ここを超えられるかどうが木山監督にとっての大きな壁となるのではないでしょうか。



 新体制となったジェフですが、前節横浜FC戦では攻撃では可能性を感じたものの、守備には多くの課題も見られました。
 しかし、それも横浜FCが守備に不安があり、攻撃ではイバを中心に深みを作れていたからこそ…といった点があるのかもしれません。
 愛媛は逆に守備は堅いものの、攻撃には課題のあるチーム。
 よって、前節とは全く違う展開になる可能性もあるのかもしれません。
 

 ジェフはこの試合で長澤が出場停止となり、オナイウもバックアップメンバーとしてブラジルに向かいました。
 怪我人も多少戻ってくるかもしれませんが、離脱者も少なくなくやりくりの難しい状況となるのかもしれません。
 その中で新たな可能性を見出す選手が出てくるかどうかにも、注目ではないでしょうか。



 ここからJ2は夏の連戦ということになりますし、連戦初戦は大事な試合ということになるでしょう。
 個人的には新チームの初陣となった横浜FC戦には、それなりの手応えも感じました。
 しかし、まだまだ新しいチームですから、ここから崩れる可能性もありえなくはないのかもしれない。


 今週末は前節とはタイプの異なるチームと戦うことで、そういった相手にどのような試合を見せてくれるのかにも注目だと思います。
 ホームフクアリでの新チーム初戦ということもありますし、今は1つでも結果が欲しいところですね。