昨日、日刊にPO進出を逃したジェフが、監督を交代すると報じられました。
この時期に監督人事の報道が出るのはいつものことなだけに、あえて情報をリークしているのではないかとも疑ってしまいます。
正式に監督解任発表時に騒ぎにならないように。
そして、来季に向けての準備もしているというポーズも、兼ねているのかもしれません。
内容を見てみましょう。
関係者によると、シーズン終了後の退任が決定したという。クラブは新指揮官として、外国人監督も視野に入れて検討中。今月中旬にはクラブ幹部が渡欧していた。また正式オファーは出していないが、湘南の曹監督も候補に挙がっている。今後、本格的に後任候補を絞っていく。
記事のタイトルは『千葉PO逃し監督再交代へ、後任候補に湘南曹監督』と書かれていますが、曹監督にオファーを出してはいないようです。
また「外国人監督も視野に入れている」とも書かれていますが、具体的な話は出ていません。
ようするに長谷部監督解任ありきで、その先はまだ何も決まっていないということなのでしょう。
今後の具体的なプランはないということなのかもしれません。
ただ、曹監督という名前が挙がっていること、「今月中旬にクラブ幹部が渡欧した」と書かれていることからも、まったく取材をせずに書かれた記事でもないように思います。
ある程度クラブ関係者から情報は得た上での記事ではあるのではないでしょうか。
続いて。
7月24日の清水戦後、成績不振で関塚氏が解任。ヘッドコーチだった長谷部氏が監督に昇格した時、高橋GMは「17試合で勝ち点27」とノルマを課し、「結果次第では来季もお願いする可能性もある」と話していた。
監督交代時の高橋GMの会見内容に関しては、このブログでも幾度となく取り上げてきましたが、ある種それが"時限爆弾"のように作動したとも言えるのかもしれません。
もちろん今の成績に関してはノルマ以前の問題ともいえるでしょうが、ノルマを先に出しておくことによって、監督の仕事内容はどうだったのか、そのノルマの設定が正しかったのかなどの話は二の次になる。
そして、監督人事の責任はどうなるのかといった話もされず、またどんどんと次へ次へと進んでいくわけですね。
もともと長谷部監督は、繋ぎの監督でしかなかったということなのではないでしょうか。
ネームバリューがあるわけでもないし、優秀な成績を残せれば続投するという可能性もあったのかもしれませんが、就任当初に具体的な数字を出していることからも、仕事内容などを見るつもりはなかったのでしょう。
ようするにジェフには監督やチームをじっくり育てるつもりも、我慢するつもりも毛頭ないということになります。
しかし、これだけ頻繁に監督を交代してしまっては、優秀な監督候補もいなくなる。
ならば「退団が噂される曹監督がいる」、「ダメなら外国人監督がいる」ということなのでしょうか。
実際この記事がどこまでが事実なのかはわかりませんが、本当ならばまるで工夫のない監督人事といった印象です。
次期監督に関しては先日も話した通り、そもそもとしてクラブの方向性はどうなっているのか。
走るサッカーをしたいから曹監督なのか、あるいは選手を育てたいから曹監督なのか。
ならば、曹監督がダメだった場合、同様の監督をリストアップしているのか。
しかし、関塚監督、長谷部監督、曹監督という継投では、サッカーにつながりを感じません。
曹監督も決して1人で、湘南を成功に導いたわけではないでしょう。
クラブとして若い選手を育て上げ、ベースとして反町監督のサッカーもあったからこそ、あそこまでやれたのだと思います。
現状のジェフが曹監督を招聘できたとしても、あのサッカーが出来るとは到底思えません。
ただ、もうこの傾向が続いて10年。
クラブとして長期ビジョンを築けず、目先の結果ばかりを優先して、10年近く経つことなります。
それだけに呆れることはあったとしても、さすがにもう驚くこともありません。
しかし、悲しいのは、それによって現場のスタッフや選手が苦しむこと。
先日も話したように、サポーターは自業自得なところもあるとは思います。
けれども、未来のサポーターに何か残るものを、クラブとして積み上げられていない。
J2降格直前にバトンを渡され1年での昇格を託された新米監督だった江尻監督も、今回ボロボロだったチーム再建を任されたった数ヶ月で判断を下された長谷部監督も。
これまでに短期間で交代となった監督やスタッフも含めて、申し訳ない気持ちの方が先に来てしまいます。
選手に関してもクラブがこの状態で成長・活躍を果たすのは、簡単ではなかったでしょう。
もちろんそれぞれに、能力的に足りないものはあったとしても。
昨年退団した多くの選手たちも、ジェフが"正常な"状況であれば残りたかった選手もいたのではないかと思います。
しかし、短い選手人生、退団を選ばなけれなばらなかった上に、高橋GMは「ジェフでやりたい選手を集めた」「問題点、不満を言う人もいた」という話をした。
それによって退団した選手たちは、結果的にヒール役に近い扱いになってしまったようにも思います。
私はもうこの状況に慣れてしまったけれども、クラブに関わる人達や今後関わる多くの人達のことを考えると、やはりこのクラブは変わらなければいけないのではないかと思ってしまいます。
今回もまた親会社が主導で、監督人事を決めているのでしょうか。
先日、ジェッツ社長を取り上げた時に書きかけたのですが、本当に根本的な解決を目指すのなら、外部から社長を招聘して全権を任せるしかないのかなとも思います。
もちろん大きな親会社のある状況ですから簡単なことではないですが、清水が横浜FMや湘南での経歴がある左伴社長を招聘したことからも不可能ではないかもしれません。
ジェフも大きな親会社が存在しながらも成功していた時期はあり、その頃は岡社長が祖母井GMに自由にやらせていたと言われています。
しかし、主導権がJRに移ってからはより親会社の影響力が高まっている印象があり、JR出身の社長では現状を打開するのは難しいのではないかと思わなくもありません。
祖母井GMは「人とのつながりが何よりも大事」と話していたことがありますが、ジェフは運営の方向性を築けないこともあって、結果的に真逆の体質になりつつあるようにも感じます。
もちろんこれから変わっていってほしい、私の危惧が杞憂であってほしいとは思っています。
しかし、これまでの経緯からして少なくとも現状では、大きくクラブが変わるような兆候は見られないといった印象を受けてしまいます。
それでは誰が監督に就任しても、チームが大きく改善されることはないのではないでしょうか。
どこでこのクラブは、本当の意味で変われるのでしょうね。