昨日のブログで町田か井出が移籍する可能性があるのではないかと話しましたが、昨朝G大阪が井出にオファーを出したと報知が伝えています。
ちなみに基本的に当ブログは、前日までに文章を書き終えて翌朝アップしています。
今のスタイルだとどうしても朝刊のニュースに間に合わないわけですが、定時にアップすることを優先するとこの形がベストかなと思いますのでご了承ください。
以前はそこまで問題を感じなかったのですが、近年はニュースも一気に拡散されていきますので、少しでもラグがあると対応が遅く感じてしまいますね。
シーズンは終わりましたが、ニュースやクラブ発表などもあり神経を使うテーマも多いので、この時期の方がブログは大変です。
あまり焦らずやっていきたいところですが。
さて、井出の移籍報道ですが、予想できたことではあったと思います。
個人的には6月頃にはジェフが昇格できなければ、オフに移籍する可能性もあるのではないかと思っていました。
井出はシーズン序盤こそ長澤などにポジションを譲っていましたが、4月頃からスタメンに定着し5月22日の岐阜戦からは4試合で3ゴールを決める活躍を見せていました。
関塚監督が個人技主体で自由にやらせるサッカーをしていたからこそ、ドリブラーである井出が伸び伸びとやれていたところもあったと思います。
しかし、井出の活躍は徐々に落ち着いていき、夏頃からは課題も見え始めていきました。
他チームが井出を警戒し対策を練ってきたことによって、苦労していった印象があります。
井出の武器は細かなボールタッチによるスピードあるドリブルだと思いますが、そこからの変化には乏しくフェイントや加速がないため相手を抜ききれないことも多い。
そのため相手DFは前をしっかりと閉じて、不要に飛び込まなければ井出を遅らせることが出来る。
周りを活かすプレーなどはあまり得意ではないため、遅らせて囲めばそこで攻撃が止まってしまう。
これが夏頃から見えた井出の課題でしたが、長谷部監督が就任してさらに課題が浮き彫りになっていった印象です。
長谷部監督はチームに基礎戦術を植え付けるため、守備での細かなポジション修正などを選手に求めていきましたが、井出はうまくそれに対応出来なかった。
守備のポジショニングで迷うことが多く、それが攻撃への勢いも低下させていった。
シーズン終盤は調子も上向きになってきましたが、ボールを持っても周りを活かすプレーが出来ないシーンが目立っていた印象です。
SBが良いタイミングで駆け上がってもパスを出さない。
個人での仕掛け優先でボールを持つので、繋ぎの展開で一歩遅れてビルドアップのテンポが悪くなってしまう。
最終節讃岐戦でハーフタイムに交代となってしまったのも、そのあたりの課題があるからでしょう。
代わって入った菅嶋に対して、「タメが作れるうまい選手」と北爪が評しているように、菅嶋はうまくボールを間で受けて叩いて…というプレーがスムーズに出来て、パスワークのリズムが作れる選手。
菅嶋も「前半はサイドで起点を作れていなかった」と話していますが、そういったシンプルなプレーを菅嶋がこなすことによって、パスワークのポイントが作れていったと思います。
確かに井出のドリブルのキレは魅力であり、讃岐戦の後半は井出が不在で仕掛けに関する物足りなさを感じた部分もありました。
しかし、相手は後方に人数をかけて守備を固める讃岐だっただけに、1人での突破だけでは難しい。
素早くパスを散らしたり、タメを作ったり、ときには裏に飛び出して囮になったり…といったプレーで周囲と連携して打開したいところでしたが、そこが井出の足りない部分なのでしょう。
加えて守備においても、失点時に西に付いていけず課題が見えてしまいました。
ようするに、井出はスペースがある状況ならキレのある仕掛けで活躍できる選手だと思うのですが、そうではない時に周りを活かせず苦戦してしまう。
シーズン終盤は思い切ったミドルシュートを狙うことで、囲まれる前に自分でフィニッシュする形でリズムを取り戻していった印象もありますが、周りを活かせなければプレーの幅はなかなか広がっていかない。
そこが昨年まで谷澤を超えられなかった理由なのでしょうし、今季フルシーズンでレギュラーを維持できなかった要因なのでしょう。
また、船山獲得時に「井出を育てなくていいのか」という話をしましたが、谷澤が移籍して今度は船山が壁になったようにも思います。
船山、町田、井出のトリオでは、どうしてもサイズや守備に不安がありタイプも似通ってくる。
戦力のバランスの悪さが目立ったシーズンでもあり、それによって井出が苦労した面もあったと思います。
しかし、井出自身も輝いた時期もあったとはいえ、何度も課題にぶつかったシーズンだったのではないでしょうか。
今季は町田が先にブレイクしたこともあって、より井出が目立たなくなっていった印象もあります。
このため夏以降は、「井出の移籍が1年遅れたかな」とも思っていました。
しかし、報知によると、G大阪からオファーがあったとのこと。
G大阪も米倉獲得時とは状況が異なりますし、思ったよりも上位のチームから声がかかった印象ですが、大森、阿部と移籍する可能性があるとのことでそこが大きいのでしょう。
今オフはDAZNマネーもあってJ1チームが積極的に動いているため、その影響を受ける形となったのではないでしょうか。
G大阪は昔から遠藤など軸となるパサーがいることもあって、ドリブラーも使われやすい印象があります。
本来の井出の良さがどこまで出せるかは別として、サイドに張ってドリブルに専念するような形の方が活躍できる可能性もあるかもしれませんし、G大阪のリズムは井出に合っているような気もします。
報道の通り大森、阿部と2人も2列目が抜けるのであれば他の補強もありそうですが、ポジションは薄くなるかもしれない。
また、請われての移籍となれば年俸も上がるでしょう。
個人的には、今のままではJ1では通用しないのではないかとも思います。
ただ、本人のためを思えば、J1に行った方が良いのではないかと思わなくもありません。
単純に「檜舞台を選ぶ」のではなく、「本人の成長」を考えて。
結局今の井出は「周りを活かせない」、「細かなビルドアップが出来ない」、「守備で細かな対応が出来ない」といった、基礎的な部分が足りないのではないかと思います。
もちろんジェフでもそれらは伸ばすことが出来るでしょうが、同じ環境では緩やかな成長しか期待できないかもしれない。
おまけに"J2スケール"になってしまった今のジェフの戦力では、井出は"王様プレーヤー"としての活躍を目指すしかないようにも思います。
しかし、井出に必要なのは、より謙虚に1つ1つの基礎的なプレーを大事にすること。
今の井出に謙虚さが失われたと思いたくはないですが、少なくとも鈴木監督時代の井出は守備でも体を張っていましたし、フリーランで飛び出すことも出来ていた。
けれども、今年の井出は仕掛けにおいては成長を感じるものの、基礎的なプレーでは雑な面も目立ったように思います。
最終節でも何でもない繋ぎでミスしてボールを失ってしまいましたが、J2であれをやっても失点にはつながらないかもしれない。
しかし、J1でああいったミスをしたら、一気に失点に結びつく可能性が高いと思います。
そういった細かなミスは町田やオナイウ、北爪などにも見られますし井出だけの問題ではないと思いますが、より意識を高めていかなければここからの大幅な成長は難しいように思います。
環境を変えることが、現在の井出にとって必要なことなのかもしれない。
もともとポテンシャルは十分にある選手なだけに、このままではもったいないという思いも強くあります。
G大阪の状況を考えても、タイミングとしては悪くないのかもしれません。
もちろんジェフとしては生え抜きの選手ですし、ジェフで成長し活躍してほしいという思いもあります。
しかし、基礎的な部分が育っていないということであれば、本人だけでなくクラブや環境にも責任はあるのかもしれない。
おまけに現在のジェフは将来に不透明な部分があるわけですから、選手の成長を考えると不安材料も少なくないでしょう。
それらを考えると、井出の将来のために移籍した方がいいのかなと思わなくもありません。
J1で通用するかどうかは不安なところがありますから、本当にG大阪に移籍するのであれば「獅子の子落とし」のような気持ちで送り出すことになるのかなとも思います。
もちろん実際には、移籍するからには帰って来なくていいと思いますが。
それでもセルティックに移籍した水野の時ほど、無謀な移籍ではないはずです。
ジェフとしては戦力としてもマイナスとなりますが、常時レギュラーだった選手ではないわけでそこまで大きな痛手でもないように思います。
若い選手ではありますが、今後ジェフで伸びるのかどうかはわからない状況になってきた気もしますし。
ただ、米倉と高橋が同時に退団した時のように、町田と井出が同時移籍となると苦しい面もあるでしょうが。
とはいえ、ジェフの現戦力を考えれば来年を勝負の年と位置付けるのは厳しいように思いますし、2人が同時に退団したとしても「やり直し」のシーズンならば大きな問題はないようにも思います。
もちろん来季も結果を求めるというのであれば、少しでも戦力となる選手には残ってほしいということになるでしょうが。
ただ、そうなったとして、来季結果を出すことにどれだけ現実味があるのかといった問題も出てくるでしょう。
まずはクラブがしっかりしなければ、クラブも選手を引き留められないでしょう。
応援する者としても、残留を強く希望するのは難しい状況ではないかと私は思います。
井出に関してもクラブに関しても、まずは出方を見守るといった状況になるのかなと現時点では思います。