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アルゼンチン人のサムソコーチが就任内定

 28日にエスナイデル監督の記者会見と、コーチの発表が行われました。
 昨日予想した通り外国人コーチが就任したわけですが、スペインではなくてアルゼンチンで選手や監督として活動されていた方でした。
 監督に続いて、コーチも国外での経験がないというのは、少し気になるところですね。



 マルコス・ギジェルモ・サムソコーチはラシン・デ・トレレウで9年から16年まで監督を務めたようですが、Wikipediaによるとこのチームはアルゼンチンで4部にあたるチーム(なお、サムソコーチのWikipediaのページはありませんでした)。
 今年13歳の選手を起用したことで、日本でもニュースになっています。
 また、07年から08年までユースチームの監督を務めたガイマンFCは、当時のカテゴリはわからなかったものの現在は連邦Cの下のカテゴリに在籍しているようで、6部に当たる地域リーグ所属ということでしょうか。


 そして、04年に監督を務めたのが、現在4部のカデテス・デ・サン・マルティン
 02年にはこのチームに、選手としてエスナイデル監督が所属しています。
 選手時代にはフェロカリル・オエステで90-91シーズンに同僚だったということで、このあたりのつながりでエスナイデル監督がサムソコーチをジェフに招聘したのではないでしょうか。



 外国人監督が同郷のコーチをサポートに付ける場合、大きく分けて二つのパターンあると思います。
 1つは監督自身が海外でも一緒に仕事をした腹心を、コーチとして連れてくるパターン。
 例えばストイコビッチ監督とジュロヴスキーコーチは名古屋以前にレッドスターで会長と監督の間柄で、名古屋でも実質的に監督に近い形でコーチとして期待されたのでしょう。


 一方、ブッフバルト監督とエンゲルスコーチは、浦和で一緒になるまで同じクラブで仕事をしたことはなかったはずです。
 しかし、ブッフバルト監督は選手として言わずと知れた大スターであり、エンゲルスコーチは横浜Fやジェフ、京都などで監督経験があったため、関係性がハッキリと形成できたのではないかと思います。
 エンゲルスコーチは指導者として特に日本のサッカーに精通していたため、監督経験のないブッフバルト監督をうまく補うことができていたのではないでしょうか。



 先日、東京Vでロティーナ監督の下、コーチとして任命されたサンチアゴ氏は14年からカタールのクラブでロティーナ監督を支えていただけでなく、09年から12年にかけてバルセロナ福岡校でTDを務めていたそうです。
 コーチが監督と問題なくやれることが分かっている上に、日本のサッカーや文化も知っているというのは大きいのではないでしょうか。
 もしかしたら、サンチアゴコーチのコネからロティーナ監督招聘に結びついた可能性もあるのかもしれませんが。
 

 もちろん、単身で乗り込んでくる監督もいるでしょうし、オシム監督もそうだったはずです。
 04年には祖母井GMの判断でアマルコーチが加入し、05年に京都で元コーチをヤン・チェッチーナ氏がフィジカルコーチに就任したものの、基本的には監督が招聘したものではないでしょう。
 オシム監督クラスになればそういったサポートも要らないのかもしれませんし、自分がコーチを育てようという発想もあったのかもしれませんが、そのレベルの監督を呼べるのは稀だと思います。



 エスナイデル監督の場合はスペインでの監督経験があるとはいえ、成功とは言い難い成績となっていますから、スペインから優秀なコーチを呼べるような状況ではなかったのではないでしょうか。
 そこで母国アルゼンチンのルートで、コーチを呼ばざるを得なかったのではないかとも思います。
 さすがに言葉の通じないであろうコーチばかりでは若い監督は不安でしょうし、どうしても認識のあるコーチを招聘したかったのかもしれませんね。


 ただ、サムソコーチも下部リーグのチームを率いてきただけで、能力は未知数と言わざるを得ないでしょう。
 ラシン・デ・トレレウで長く監督を務めてきたことは好材料なのかもしれませんが、小さなクラブだと頻繁に監督を変えにくいため長く率いることが出来たのかもしれません。
 一緒に仕事をした腹心タイプでもなく、日本の事情を知っているタイプでもないことも気になるところではあります。


 江尻監督時代にも感じましたが、若い監督はコーチを見つけるのに苦労するところがあります。
 若い監督だからこそしっかりコーチにバックアップしてほしいのですが、あまりに実績のある方や年齢が上の方はコーチとして置きにくい。
 今回のサムソコーチも43歳でエスナイデル監督と同い年ということもあって、招聘に繋がったのではないでしょうか。



 なお、エスナイデル監督就任の第一報を伝えた報知によると、スペイン人アカデミーダイレクターも招聘されることになります。
 この記事が本当なら、アカデミーダイレクターがどのような指導者なのかにも注目です。
 監督、コーチにはこれといった実績を感じないだけに、若干不安になってくる部分もありますが…。 


 監督の会見に関しては、一般的な話が多く現時点では何とも言えませんね。
 強いて言うのであれば前にボールを奪いに行くサッカーを目指すようですが、実際にこれが実現できるかどうか。
 エスナイデル監督もサムソコーチも知らないであろう、日本の蒸し暑い夏場でも監督の言う「前から行くチーム」が作れるのかどうか。


 もしかしたら、途中で止めるかもしれませんし、それでも問題はないと思います。
 しかし、もし途中で止めることになった時に、次の策が打てるかどうか。
 正解は1つではないですし、こればかりは実際のサッカーを見てみるしかないですね。



 また、高橋GMは「サッカーに対する価値観を変えられる監督」であるかどうかという話をしていることからも、やはりGM自らが何かポリシーを持ってクラブを導くタイプではないのだろうなと感じました。
 まぁ、「こういったクラブ・チームにしたい」という強い思いがあるのであれば、これまでのうちにそれが表に出ていたでしょうしね。
 大企業で実務経験があり神戸でも当初営業本部長だった方ですので、現場よりも実務担当といった面が強いタイプなのでしょうか。


 そうであるのであれば、なおのこと監督がいかにチームの方向性をリードできるのかが重要になってくると思います。
 ジェフの将来において、エスナイデル監督にかかるところは大きい…ということになるのかもしれません。