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2016シーズンを振り返る 佐藤優也編

 移籍関連のニュースもまだ残っていますが、正式な発表は年末年始に多いのでそれまで置いておくとして、今年も選手個々のプレーを振り返っていきたいと思います。
 今年は選手も苦労したシーズンだったと思うのであまり気乗りはしないのですが、選手個々を振り返ることはクラブの現在地を把握する上でも大事なことだと思います。
 また大きなニュースがあれば中断しますが、ある程度出場時間を得た選手を対象に少しずつ取り上げていきたいと思います。



 まずは山本海人獲得時にも軽く触れた佐藤優也ですが、改めて取り上げたいと思います。
 佐藤優也市船から甲府に入団し、移籍先の札幌では元ジェフの高木とポジション争いを繰り広げました。
 11年に移籍した北九州でブレイクして、13年には三浦監督とともに東京Vに移籍し、東京Vでもレギュラーとして活躍。


 そして、今年ジェフに移籍した佐藤優也は、開幕前のニューイヤー杯でも大活躍を見せていました。
 ファインセーブもあり、キックの精度も高かった。
 体つきも良く、存在感の大きさも感じましたね。



 しかし、今年はそこがピークで、開幕してからはあまりピリッとしませんでした。
 シーズン序盤から、前への飛び出しが怪しかった。
 特にサイドからのセットプレーのボールに対する対応が中途半端で、前に出てもボールに触れないというプレーが数多く見られました。


 それにより相手チームは、露骨にCKなどでGKを狙うボールが多くなっていきました。
 スカパーの情報でも対戦相手の元同僚に「佐藤優也は前に出てくるのでそこを狙う」という話が出ていましたし、昔からそういった課題のあった選手なのでしょう。
 結果的に相手がGKを狙いすぎてミスすることも多かったですが、「GKは前に出たら必ず触る」というのがセオリーですから、そこが不安定だと冷や冷やしますね。
 直接失点につながらなくてもGKにミスが増えていくと、そこからDFも不安に感じるでしょうし、精神的な問題にも関わってくると思います。



 また、シーズンが進むにすれ、キックミスも増えていきました。
 開幕前には鋭いボールを供給していましたが、ゴールキックからタッチラインを割るシーンも目立つようになっていきます。
 このあたりは疲労の影響もあったのでしょうか。


 そして、シーズン中盤からは失点に絡むミスも増えていった印象です。
 7月の愛媛戦では空振りから失点し、その直後にも相手のCKで切れると判断したボールを折り返されて失点。
 この試合ではその2失点が響き、1-2で敗れてしまいます。


 そして、シーズン終盤には至近距離で、ニアのシュートを決められる場面も多かったと思います。
 10月23日の徳島戦の翌戦から岡本にポジションを譲っているわけですが、その徳島戦でもニアの脇下を通されたシュートを決められて0-1で敗戦しています。
 この失点シーンが決め手となって、ポジションを外されたのでしょう。


 
 近年のGKは前への飛び出しや足元の技術が重要であると言われていますが、それぞれの選手に能力というものがあるわけで、全員が全員それをこなせるわけではないでしょう。
 もともと佐藤優也は体格に優れてはいるもののスピードがあるタイプではないでしょうし、そこまで足元が器用なわけでもないと思います。
 それで無理に前に出て行ってしまっては、難しい状況になるのも当然ではないかと思います。


 前への飛び出しだけでなく無理に繋ごうとしてミスをすることも多かったですし、判断の部分をより高めていかなければいけないのかもしれません。
 また今年は移籍していきなりキャプテンを任させるという難しさもあり、キャプテンを任されて責任感を重く受け止めた結果、より無理なプレーが増えてしまったのではないかと思わなくもありません。
 ジェフはこれで2年連続で移籍直後の選手にキャプテンを任せて、2年連続でキャプテンがポジションを失ってしまったことになりますね…。



 「名は体を表す」ではないですが、とても優しい性格の選手なのではないかと思います。
 そんな選手が選手の大幅入れ替えもあり、チームも低迷した難しい状況でキャプテンを任されたことで、ますます悩んでしまったところもあったのかもしれません。
 今年の状況を考えればガツンと叱咤できる選手が必要だったのかもしれませんが、ジェフには例年そういった選手が現れないという傾向があります。
 船山が「後ろのリーダーがいない」と話していましたが、キャプテンタイプの選手がいないことも今年の大きな悩みだったのでしょう。


 来年は山本海人というライバルも現れますし、佐藤優也がキャプテンを務めることはないのかもしれませんが、それによってよりノビノビとやれると良いのかもしえませんね。
 ともかく、大変なシーズンでキャプテンという重責を務めてくれました。
 とても苦労の多いシーズンだったと思います。
 お疲れ様でした。