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札幌がジェフDF近藤に獲得オファーか

 12日のスポニチによると、札幌がジェフDF近藤獲得を目指すとのことです。
 近藤に上位チームからオファーがあるとは、少々驚きでした。
 もっとも上位チームといっても来年J1に昇格する札幌で、"階級"としてはさほどジェフと変わらない立場でしょうが。


 記事にもある通り、今季の札幌は3バックのリベロのポジションを増川と河合で回していました。
 しかし、増川は古くから怪我の多い選手で現在37歳、河合も38歳で怪我が増えており、どちらも不安を抱えている状況と言えるのでしょう。
 加えて、若手の櫛引も名古屋へのレンタル移籍が報じられており、DFラインが補強ポイントの1つとなっているようです。



 また、札幌はDAZNマネーやスポンサー・入場料収入の増加もあって、予算の増額が報じられていますが、外国人選手は全員残留と言われており新規での外国人補強は難しい状況。
 かといって、J1から主力級の選手を補強できるかというと昇格直後のクラブでは簡単ではないでしょうし、現状のままJ1を戦うのでは戦力的に厳しいでしょうから、増額分の予算で何とか選手をかき集めなければいけない。
 そうなってくると「J1でプレーできること」をウリにして、J2の選手獲得を目指すのは妥当な流れなのかもしれません。
 近年、J1昇格クラブがJ2クラブの選手を狙うことが多いのも、そういった背景があるのかもしれませんね。


 近藤も33歳とベテラン選手ですが、増川や河合に加えて小野や稲本などが在籍する札幌はベテランに優しい印象もあります。
 特に来年はともかくJ1残留に集中することが求められるシーズンとなるでしょうから、将来性よりも即戦力が必要なのかもしれません。
 それでも今季終盤の失速も考えると、札幌のJ1残留は現状のままでは簡単なことではないと思いますが…。



 札幌が大きく戦い方を変えないのであれば、戦術的にも近藤は適しているのかもしれません。
 リベロカバーリングをする形で、両ストッパーで勢いのある福森と進藤をサポートする。
 深く守りがちな守備で、近藤もラインをコントロールするタイプではあるものの、積極的に押し上げるタイプではないことからも相性は良いのかもしれません。


 またDFラインからのビルドアップも重要視している印象で、近藤はそこまで長いボールを蹴るタイプではないですが、両ストッパーにそこを任せて近藤がグラウンダーのパスを供給するというイメージなのかもしれません。
 今シーズン途中にレンタルで鳥栖から菊地を補強したのも、ボールを蹴ることが出来るDFという点が重要だったのではないでしょうか。
 菊地は今季途中にストッパーとして進藤からポジションを奪いましたが、リベロでも十分に計算出来る選手なはずではないかと思います。


 菊地が控えているのであれば近藤は必要ないのではないか…と思わなくもないのですが、その菊地も32歳とベテランで以前から怪我が多く今シーズンも負傷離脱してしまった。
 近藤を獲得するとなれば、菊地はレンタル終了ということになるのでしょうか。
 もっとも今季の近藤も小さな怪我は何度かあったわけで、怪我の心配がない選手というわけではないと思うのですが。



 ジェフでの近藤は、正直そこまで素晴らしいパフォーマンスを見せていたわけではないと思います。
 確かに細かなプレーにおけるミスは少なく安定感があったようにも見えましたが、悪く言えばラインを低めに設定するなど自分にとって戦いやすく無難な判断も多かった。
 一番の武器は縦への鋭いグラウンダーのパスだったと思いますが、逆に守備においては厳しい部分が多かったと思います。


 何よりもあそこまでゴール前で簡単にマークを外してしまうと、正直厳しいと思います。
 いくら左右に揺さぶられた後だからといっても背後の選手を見失うことが多すぎたし、裏抜けの選手に対しても反応が遅れることが多かった。
 あれではCBのリーダーとして、苦しいところがあるでしょう。


 3バックの中央ならカバーリングに専念しやすいし、マークに付かなければいけない範囲も狭くなる。
 今の近藤なら3バックの方があっているのかもしれません。
 ジェフも監督が代わるわけで来年は3バックになる可能性も否定はできませんが、逆に4バックのままで近藤だと苦しいかもしれませんね。



 今季におけるジェフの更なる問題は、その近藤に代わりがいなかったことでしょう。
 大久保がその候補だったはずで実際に近藤の代わって出場した試合では良いプレーを見せていたと思うのですが、シーズンを通して怪我に悩まされて戦力になりきれなかった。
 今回近藤は契約が残っているとの報道ですが、大久保、阿部と今季活躍できなかったベテラン選手たちも複数年契約を結んでいるのでしょうか…。


 普通に考えれば退団候補となるところだと思うのですが、大幅入れ替えをして新規で加入した選手が多いだけに、複数年契約を結んでいる選手も少なくないかもしれません。
 それによって戦力として期待しづらい選手も残る可能性が考えられますし、その分今オフは動きにくくなるかもしれません。
 ジェフとしては、ここでも総入れ替えのデメリットが発生する恐れがあるということになるのでしょう。



 近藤としては33歳で今後J1で戦えるチャンスなどそうないでしょうし、同ポジションの選手が大ベテランの2人であることを考慮すれば、レギュラーも狙える状況と言えるのかもしれません。
 また、大きな移籍要因とまではならないとは思いますが、ゴール裏とやりあったことも居心地の悪さに繋がる可能性はあるのかもしれませんね。
 もともと柏はゴール裏と選手の関係が近い印象で、逆にジェフは静かな選手が多くサポが"お説教"をするなんて言われ方もするくらい。


 同じ千葉県のクラブとは言え、文化が大きく違う結果、合う合わないという部分はあるのかもしれません。
 もちろん結果的に谷澤のように成功した例もあるわけですが、あれは谷澤のキャラクターだからこそというところもあったのでしょうし。
 近藤の件に関しては、どちらも大人げなかったというところではないかなと思いますが。



 ジェフとしては移籍金が発生するのであれば、移籍を認めても良いのではないかと思わなくもありません。
 ただ、上でも言ったように、今年のジェフの問題は近藤のようにカバーが出来てバランスが取れるタイプのCBが他にいなかったこと。
 近藤が移籍となれば、当然他に同タイプの選手を補強できるのかどうかということになるのではないでしょうか。


 菊地が空くかもしれないし、町田のヨン・ア・ピンもInstagram退団を表明しているし、横浜FMから山口にレンタルしていた北谷も若いですが良い選手で、なぜか両チームから契約満了となっています。
 外国人選手補強という選択肢もあるでしょうし、決して候補がいないわけではないでしょう。
 ただ、札幌は昇格決定後にオファーを出した可能性もありますし、それで戦力に穴が開くとジェフは後手を踏む可能性がある。
 G大阪の西野をレンタルで補強するという話も出ていますが、近藤が抜ければ補強の優先順位も変わってきてしまうのではないでしょうか。


 藤田を横浜FMを奪われた時もオフ終盤に突然の移籍となった印象がありましたが、何とかケンペスが補強出来て穴を埋めることできました。
 あれは当時の強化部のファインプレーだったのではないでしょうか。
 近藤退団となれば、強化部の腕が試される状況となるのかもしれません。