当ブログはプロモーションを含みます

2016シーズンを振り返る 山本真希編

 2016年の振り返り、ようやくDFが終わってMFに移ります。
 ただ、昨年からずいぶんとDFが多い選手構成となっている上、長澤、富澤、井出、オナイウなど中盤から前の選手は退団した選手も多くすでに取り上げているだけに、ここから先は短くなりますね。
 MF編、まずは背番号6を付ける山本真希です。



 昨年の山本は開幕戦こそ富澤にスタメンの座を譲りますが、それ以降の序盤戦はアランダのパートナーとして主にボランチとしてプレーしました。
 足元の技術が高く、パスを散らせることができ、運動量も豊富。
 いてほしいところに顔を出せる選手で、相手の急所に鋭い縦パスを出せる選手だと思います。


 アランダは基本的にはパサータイプではないでしょうから、山本は相性も良かったと思います。
 加えて、「ここぞ」という時の前方への飛び出し。
 プレースキックの質などにおいても、期待される選手だったと思います。


 また、守備に関してもフィジカルが強いタイプではなくボール奪取能力は高くないと思いますが、気の利いたポジショニングが出来るタイプだと思います。
 うまくサイドなどでカバーするシーンもあり、ボランチ経験の少ない長澤と違って攻守にボランチらしいサポートをこなせていました。
 攻撃面でも守備面でも、状況判断能力が高い選手といえるのでしょう。



 しかし、シーズン序盤にレギュラーポジションを得た山本も、徐々に怪我に苦しんでいきます。
 4月から1ヶ月ほど戦線を離脱すると、それ以降も何度かに渡って負傷。
 もともと怪我の少なくない選手だった印象はありますが、昨年も負傷が多かった。


 加えて、開幕時からスタミナ面に課題があり、90分間持つことが少なかった。
 総じて、タフさが足りない印象がありました。
 昨年まで在籍した健太郎と比べて縦にパスが出せることは大きなプラスではありましたが、その分スタミナや怪我など身体的な不安があるのは大きなマイナスだったと思います。



 特にボランチは、チームの中心となるべきポジションだと思います。
 そのため90分間できるだけ選手を代えたくはないでしょうし、シーズンを通しても選手を固定したいところでしょう。
 ボランチにとってタフであることは大事な要素ではないかと思いますし、そこが昨年の山本には足りない部分だったのではないでしょうか。


 結局、山本などが離脱中にボランチにコンバートされた長澤が、レギュラーボランチとして成長。
 特に長谷部監督になってからはボランチの基礎を習得していき、山本復帰後もボランチとして出場していきます。
 長澤はシーズンを通して目立った怪我もなく、90分戦えるスタミナがあり、局面でのフィジカルも強く、とてもタフに戦えていたことが大きかったのではないでしょうか。



 今年はその長澤が抜けたことになりますから、山本にとっては結果的にチャンスとなるのではないでしょうか。
 ただ、90分間戦えるスタミナやコンディショニングの問題は、ライバルではなく自身の問題。
 それを乗り越えることが、何よりも重要なのでしょう。


 また、欧州の監督はよりフィジカルや体のサイズ面を、重視する可能性もあるのではないかとも思います。
 熊谷などの方がサイズも大きいですし、また新たなライバルが増えるかもしれません。
 加えて、今年のNYCを見る限りだと1ボランチがメインとなれば、中盤でのビルドアップの中心はアンカーになるのではないかと思います。


 もちろん山本もインサイドハーフをこなせるはずですが、より高い位置でのプレーを求められることによって球際での強さを要求されるかもしれません。
 山本にとってはダブルボランチで、低い位置からビルドアップに加わる方があっているのかなとも思います。
 今年はNYC以外の練習試合でもシステムが流動的なようなのでどうなるかわかりませんが、選手に適応能力の高さも求められるのかもしれませんね。



 個人的には細かなビルドアップなどを考えると、山本のような選手が中盤の軸の1人として確立された方が、本来はチームのためになるのではないかなと思います。
 クラブとしても軸の1人として期待しているのではないかと思いますし、本人としてもまだまだ甘んじる状況ではないはずです。
 とはいえ、スタミナや怪我の不安があるとなれば、さすがに軸としては考えにくくなるのでしょう。


 山本もまずは万全のコンディションを維持することが、大きな目標となってくるのかもしれません。
 その上で変化や違いを見せられることが出来るか。
 山本も今年で30歳ですから、今後のサッカー人生において大事な年になってくるのかもしれませんね。