当ブログはプロモーションを含みます

中盤の数的優位を活かせず0-2で湘南に敗北

 予想通り前節対戦した松本ほど、明確なジェフ対策をしてこなかった湘南。
 それでも実力差ははっきりと出てしまった印象で、かなり厳しい試合だったと思います。
 特に中盤の数的優位には付け入る隙があったと思うのですが、そこをモノにはできず。
 前節に続いて、完敗だったかなといった印象です。
■左サイドを攻略されて湘南が先制
 両チーム、メンバーに手を加えてきました。
 ジェフは今節も町田が欠場で、サリーナスがインサイドに入り左WBに比嘉を起用。
 ラリベイ、多々良がベンチスタートで、清武、若狭がスタメン。
 指宿、大久保がベンチから外れて、吉田が初のメンバー入り。


 湘南は杉岡がU-20日本代表遠征で外れ、CBには岡本が入りました。
 ボランチには菊地が復帰しましたが、石川がメンバー外で秋野もベンチスタートとなり、菊地と元ジェフ武田のボランチコンビに。
 右WBには下田が入りました。



 12分、ジェフの攻撃。
 ゴール正面で得たFK。
 清武が巻いたボールで直接ゴールを狙いますが、GK秋元がキャッチ。


 18分、ジェフのチャンス。
 カウンターから得たFKのこぼれ球を、比嘉が拾ってクロス。
 清武が頭で合わせますが、ゴール左を逸れます。



 湘南はキックオフから球際が激しく、ジェフは中盤で潰される展開が目立っていました。
 それでもセットプレーから、いくつか攻撃を作っていきます。
 しかし、やはり今までの試合に比べて相手にボールを高い位置で持たれる時間が長く、徐々に湘南がチャンスを作る場面が増えてきました。


 24分、湘南の攻撃。
 右サイドで得たFKを、下田が蹴ってゴール前に供給。
 ジネイが足元で合わせますが、GK優也の正面。


 28分、湘南の攻撃。
 左からのCKを下田が蹴ると、GK優也が弾き齋藤の正面へ。
 齋藤がダイレクトでシュートを放ちますが、ジェフの選手に当たってゴールならず。



 そして、30分に湘南が先制。
 齋藤が右サイドの奥で粘って、菊地にバックパス。
 菊地はダイレクトで中央に供給すると、ニアでジネイが合わせてゴール。


 40分にも、湘南の決定機。
 高山が後方からのロングキック。
 これに齋藤が完全に抜け出してシュートを放ちますが、バー直撃で失点を免れます。



 41分、ジェフの攻撃。
 西野からのロングキックを右サイド前方の北爪が頭で繋ぐと、高橋が思い切ってシュート。
 これが船山へのパスのような形になりますが、オフサイドの判定。
 

 43分、湘南にアクシデント。
 キャプテン高山が負傷交代し、奈良輪が投入され左WBに入ります。
■先に湘南の足が止まるも追加点を奪われる
 ジェフは後半開始と同時に、高橋に代えて山本真希を投入。
 前半はボールをうまく繋げなかったので、そこへの修正でしょうか。


 47分、湘南の決定機。
 右WBの下田から左足でアーリークロス
 逆サイドの奈良輪が飛び出してシュートを放ちますが、GK優也がセーブ。



 そこからは湘南の運動量が落ち、ジェフがボールを持つ時間が長くなっていきます。
 しかし、ボールは持つものの、シュートまでは持ち込めず。
 55分には真希が抜け出してセンタリングを上げますが、中央であわず。


 59分、ジェフの船山が足を痛めてラリベイを投入。
 62分、湘南は山田に代えて島村を起用し、ラリベイ対策。
 島村がCBに、山根が左WBに入り、下田がシャドーに回りました。



 66分、ジェフの攻撃。
 直接FKを清武が蹴り、相手の壁に当たってコースが変わったボールをGK秋元が弾き出します。
 その直後には湘南が、カウンターから齋藤が裏を走ってシュートまで行きますが、バーの上。


 72分、ジェフがサリーナスを下げて吉田を投入し、清武がインサイドに下がりました。
 ジェフがボールを持つ時間が続いていましたが74分。
 湘南が後方の岡本から、ジェフDFライン裏へのパス。
 これに奈良輪が抜け出し、角度のないところからシュートを決めて追加点。
 

 83分、湘南の選手交代。
 武田を下げて端戸を投入し、端戸が前線に入って2トップに。
 菊地がアンカー、下田と齋藤がインサイドに入る3-1-4-2になり、中盤を同数にしました。



 後半途中までは湘南も足が止まっていた印象でしたが、追加点を取った後はまた息を吹き返していきます。
 点を奪いたいジェフでしたが、運動量が落ちて劣勢に。
 逆に試合終盤は、湘南が再三チャンスを作っていきます。


 90分+3分には湘南がPA目前で得たFKを下田が直接狙いますが、ジネイに当たってゴールならず。
 その直後にはアンドレバイーアからのロングキックから、菊地が左サイドを抜け出してシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。
 その直後にも山根がスルーパスを受けてシュートを放ちましたが、これも決まらず。
 最後は湘南の決定力不足が目立ち、ジェフからすれば何とか0-2で終った試合ということになるでしょうか。
■スタイルのメリットを証明し継続することが出来るか
 前半と後半で流れの違う試合だったと思いますが、それでも90分を通じて力の差は大きく感じた試合だった印象です。
 前半は湘南の球際での激しさに苦しみ、押し込まれることが多かったと思います。
 支配率ではジェフの方が上回っていたようですが、ボールを持つエリアが湘南は高かった。
 そして、湘南の方が明確な崩しの形を持っていましたね。


 湘南は決してがっつりと、ジェフ対策をしてきたわけではなかったと思います。
 あくまでも自分たちのサッカーを大事にするチームなので、リスク覚悟で攻めに来たということでしょうか。
 特に前3人で追いかけた後は、アランダがすっぽりと空くことが多く、ジェフはそこから展開することが出来た。
 そのままアランダが前進していった時もマークが曖昧で、遅れてボランチがアランダに行くことも多かったですが、その分ジェフのインサイドが空いてしまっていた。



 しかし、ジェフはその中盤での数的優位を、うまく活かすことが出来なかった。
 この日のインサイド2人はボールの引き出しや展開力などにおいて物足りない部分が多く、スムーズに攻撃を作れなかった。
 やはりサリーナスはドリブルにはキレがあるものの、中盤タイプではないでしょう。


 高橋もシュートや縦パスは期待できると思いますが、パスを繋ぐ、運動量豊富に動き回るといったタイプではない。
 結局、試合途中から真希が入って多少ボールが回るようになりましたが、それまでは中盤不在のような状況だったと思います。
 清武のスタメン起用も含めてこの日はカウンター重視だったのかもしれませんが、インサイドに何を求めるのか明確にしていかないと、バラバラになりかねないように思います。


 後半からは、先に湘南の方が運動量も落ちて守りを固め、ジェフがボールを支配する時間も長くなっていきました。
 ただ、ボールを持たされると、形が作れないのはこれまでの試合と一緒。
 個人技での攻撃ばかりになっていた印象で、湘南のような連動した動きなどはなかなか見られなかったですね。



 失点シーンは菊地へのアランダの寄せが甘く若狭がジネイの前を取られたこと、2失点目は齋藤への比嘉の寄せが甘かったこと。
 どちらもJ2レベルではやられない展開だったかもしれませんが、J2慣れをしているとこういった失点が増えてしまうのかなと思います。
 また、前節も感じましたが、ハイラインの守備に慣れているからこそ、ゴール前での寄せが甘くなるところがあるのかなとも感じます。


 今回は初めて、DFライン裏を完全に取られて失点したことになると思います。
 いつかはこういった場面があるだろうとは思っていましたが、これが今後にどう影響するのか。
 エスナイデル監督は「失点しても前へ」というのが基本的な考えであるようですが、それほどまでにして前に出て得られるメリットがあるのか。



 前に出て得られるメリットを証明できている時は、選手も周囲も迷わずに前に行けるでしょう。
 しかし、迷いが生じてくれば、チームにためらいも出てくるはずです。
 ためらいが出てくれば、そこからスタイルの維持は難しくなってくる。


 たぶんエスナイデル監督としては、どこまでもこれを継続する方向で行くのではないでしょうか。
 ここまで極端なサッカーですから、今さらバランス重視の方向には進みづらいでしょうし、そこまで器用なタイプの監督にも見えない。
 だから、問題なのはこのスタイルに対して周囲が不信感を抱き始めた時に、それを払拭できるかどうかではないでしょうか。


 一番の悩みは「守備のリスクを負って前へ」というスタイルにも関わらず、遅攻の形が作れないため「攻撃力が足りない」ということではないかと思います。
 その結果、ここ2試合は守備のリスクばかりが表に出て、前に出るメリットが少ない状況となっている。
 この状況が続けば「やりたくてもやれない」状況になり、スタイルの継続も難しくなってくるのではないでしょうか。



 もう1つは心配なのは、やはり町田の不在。
 町田が戦列を離れて前節は熊谷と高橋でしたが、今回はサリーナスと高橋と大きくタイプの異なる選手を起用した。
 それによって、バランスが崩れた部分も大きかったと思います。


 主力が抜けて選手を変えてもうまくいかず、さらに動いて穴が広がる…というのは、珍しくないパターンだと思います。
 すぐに町田が戻ってきて元に戻せればいいのでしょうが、チームには流れというものもある。
 町田が戻った頃には…という状況にならないように、気を付けなければいけないと思います。


 湘南戦の後半では真希が入って、まずまず可能性を見せていたと思います。
 そういった収穫をモノにしながら、もう一度基本的なスタイルの確認をしていく必要があるのかもしれません。
 この試合が、悪い意味でのターニングポイントとならないように。
 早くもシーズン序盤の踏ん張りどころに、来ているのかもしれませんね。