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町田「中盤のプレスバック、上下動をしないと厳しい」

 天皇杯東京V戦は前半に清武がFKを直接決め、1-0で勝利したそうです。
 一応メンバーだけ確認すると東京Vはガラッとスタメンを入れ替えてきたようです。
 ジェフもここ数戦のスタメンでいえば清武、町田、乾くらいなのでしょうが、ここまで頻繁にメンバーを入れ替えていることもあって、あまりいつもとメンバーは変わっていない印象も受けます。


 試合内容に関しては見れていないので、なんとも言えないところ。
 本当は1試合でも何かしらの変化や発見があるもので、公式戦は全試合を追いたいところではあるのですけどね…。
 次の天皇杯では昨日の試合で井出を右SBで起用した、G大阪と対戦することとなりました。



 さて、このエントリーは天皇杯前に書き終えていたもので、記事タイトルは水戸戦後の町田のコメント
 「プレスも大事だがセカンドボールで負けているので、中盤のプレスバック、上下動をしないと厳しい」という話でした。
 プレスバックの必要性に関しては、5月上旬にもブログ触れたことがあります。


 今年は1ボランチシステムなだけに、基本的には後方が薄くなりがちです。
 それもあって、カウンターやロングボールに弱いところがあるのではないかと思います。
 それを埋めるためには、中盤のプレスバックが不可欠ではないかという話でした。



 ハイラインを敷いているので理論上は中盤選手のプレー範囲は狭くなるし、その分プレスバックの距離も短くなる。
 しかし、実際にはプレスバックがうまくいっていない試合の方が多い印象です。
 その原因として考えられるのは、やはり中盤が前へのプレスもかけなければいけないからだと思います。


 特に町田は相手の最終ラインまで相手を追いに行き、それがジェフのプレスのスタートになることが多い。
 ということは、町田は瞬間的に前線の位置まで走っていることになる。
 中盤から前線まで走ってプレスをかけて、中盤の底にまで戻ってプレスバックもしなければいけない…というのは、さすがにハイラインでも厳しいと思います。



 エスナイデル監督は水戸戦後に、相手が「少ない人数でプレスをかけてきた」と語っています。
 リトリートしながらもうまくバランスを取りつつ、前の数人だけでプレスをかける効率的な守備。
 これが以前にも触れた、現在サッカーのトレンドだと思います。


 しかし、現状のジェフは、ともかく前に人数をかけてプレスに行く。
 町田だけでなく両ウイングや高橋なども前にいって成立するプレスなだけに、どうしても後方のスペースが空いてしまう。
 関塚監督時代に関して"気持ちプレス"と言う人もいたようですが、それに対するなら今は"人数プレス"といった印象で、プレスの効率が悪いから後方が薄くなりがちになっているのではないでしょうか。



 特に1ボランチというシステムは、バランスが非常に重要なシステムではないかと思います。
 中盤で最も空けてはいけない位置であろうバイタルエリアに1人しか選手を置かないわけですから、そこをうまくインサイドが下がってきたり、CBが上がることで協力して守らなければいけない。
 しかし、最近のジェフ戦で相手FWがジェフのCBを抑えて、バスケでいう「スクリーンプレー」のような動きをしてくるためCBが前に出て行けないし、インサイドは前線へプレスにいかなければいけないため下がるのが難しい。


 あるいは、現在の日本代表や手倉森監督の五輪代表のように、1ボランチでも相手がサイドや前方にボールを持ち込んだら、インサイドの一角が明確にボランチエリアまで下がる守り方も考えられるでしょう。
 1ボランチで戦った先日のシリア戦も、こんな守り方だったと思います。

 まずは4-1-4-1のような状況で守って、FWが前線にプレスをかけサイドに追い込む。

 サイドに追いこんだらボール側のインサイドがサイド前方に寄ってボランチ方向へのパスコースを消し、逆サイドのインサイドが下がってダブルボランチ気味になる。


 ちなみに、UAE戦ではダブルボランチの4-2-3-1でしたが、前線がサイドに追い込んだらトップ下がボランチ方向へのパスコースを消す守り方で、1ボランチ時とやっていることは大きく変わっていなかった印象です。
 日本代表も守備面には不安がありますが、インサイドの一角が下がる約束事は明確だっただけに、1ボランチ脇を取られてやられたということはなかったと思います。
 また手倉森監督の五輪代表はもともと3ラインが基本なだけに、トリプルボランチ気味でそこから1人が前に出ていく形だったと思います。



 町田は「ここ2戦はプレスに行っても蹴られてしまう場面が多くなった」と話していますが、このサッカーをする限りはロングボールを蹴られる可能性は想定できたことだと思います。
 だからこそ、無理なハイプレス・ハイラインを敷くチームは少なく、どのチームもリトリートの形を持っているのが基本ではないかと思います。
 その基本とは異なるサッカーをするとして、発生してしまう課題をどう解消するのか。


 その点に関する理論が出来ていない以上は、なかなか成功の道筋も見えてこないのではないでしょうか。
 もちろん理論だけでは机の上の空論で終ってしましますが、前提となるべき理論もないのであれば、単発的ではうまくいったとしても偶然で終ってしまうでしょう。
 現状でのサッカーの課題を個々の能力で埋めるのでは限界があるのではないかと思いますし、ハイプレス・ハイラインの課題がより明確になりつつある中でどういった策を考えていくのでしょう。