大分戦は4-1での快勝となりました。
相手の相性やホーム開催だったことも大きかったとは思うのですが、ジェフからすれば理想的な試合展開だったのではないでしょうか。
ジェフはこれで今季初連勝となりました。
■ハイプレスで押し込んでジェフが先制
ジェフは大久保がベンチに回って、キムがCBに、乾がSBに入る4バック。
高橋、ラリベイ、船山がスタメンに復帰し、アランダは控えに、指宿は負傷なのかベンチ外に。
ベンチからは勇人、比嘉、菅嶋が外れて、古川、サリーナス、羽生が入りました。
ジェフでもプレーしたGK高木や林容平などが負傷中の大分ですが、前節群馬戦と同じ11人。
元ジェフの竹内が3バックの中央、左WBに元ジェフの山岸が入っています。
大分のキャプテン山岸はジェフユース出身で、ジェフのキャプテン近藤は柏ユース出身のライバルであり、2003年ワールドユースでは日本代表として岡本や山口慶、谷澤などと戦った間柄でもあります。
10分、ジェフの攻撃。
ラリベイのポストプレーから高橋、船山と繋いで、船山がうまくターンしてシュートまで持ち込みますがGK上福元の正面。
13分にも右サイドのスローインから町田が縦に繋ぎ、ラリベイが反転してシュートを放ちますがバーの上。
立ち上がりから、ジェフが相手を押し込む展開。
大分のショートパスに対して、ジェフが積極的にプレスをかけていきます。
大分の守備はジェフの選手を捕まえきれず、ジェフが攻める時間が続きます。
今日のジェフは右インサイドに入った高橋が少し下がって、ビルドアップを開始。
印象としては、相手が引いて守ってきた福岡戦前半のような印象でした。
大分は高橋の動きを警戒してか5-3-2で守ってきましたが、その分中盤の人数が減って後手に回ることが多かった印象です。
ジェフも攻めながらチャンスを作れない時間帯が続いていましたが、32分に先制ゴール。
中盤の町田が供給した浮き球のパスをGK上福元が弾くと、こぼれたところを清武が受けてボールを浮かせたまま切り返してシュート。
これをGK上福元が弾き、こぼれたところを船山がつめて1-0。
41分には大分のチャンス。
右サイドからのCKを鈴木が蹴ると、竹内が中央でヘディングシュート。
フリーで放ったシュートでしたが、バーの上を超えます。
その後は大分が押し返し、前半アディショナルタイムにはPA付近でFK。
直接FKを鈴木が蹴りますが、壁に当てて1-0で折り返します。
■後半だけで3点をあげ4-1の勝利
大分はハーフタイムに山岸に代えて、松本怜を起用。
47分、ジェフの追加点。
乾が左サイドで仕掛けてセンタリングを上げると、中央でフリーになった清武が合わせて2-0に。
しかし、53分には大分のチャンス。
後方からのサイドチェンジのパスを受けた小手川が、アーリークロス。
後藤が頭で合わせますが、GK優也がファインセーブ。
55分にも大分のチャンス。
左サイド後方で得たFKから鈴木が素早くゴール前へ上げると、三平が乾の前を取ってヘディングシュートを放ちますが、GK優也がセーブ。
しかし、大分が勢いを増していき、ジェフはプレスが効かなくなっていきます。
それでも、58分にはジェフの攻撃。
船山が右サイドからクロスを上げると、ラリベイがニアで合わせます。
しかし、相手DFがブロックしてゴールならず。
63分、ジェフは熊谷に代えてアランダを投入。
その後のプレー、ジェフが左サイドで得たCKを清武が蹴ると、ニアでラリベイがヘディングシュート。
これが決まって3-0に。
65分、大分は三平に代えて伊佐を投入。
その直後にもジェフの攻撃。
乾からのクロスボールをラリベイが胸トラップして、豪快なボレーシュートを放ちますが、GK上福元の正面。
72分、大分が1点返します。
左サイドから松本が鋭いクロスを上げ、後藤が足元で合わせてゴール。
後半から大分は攻撃時に4バックになり、松本を左サイド前方に張って、積極的に縦に仕掛けさせてチャンスを作っていました。
75分、大分は竹内に代えて黒木を投入。
松本が右サイドに回って、黒木が左に回りました。
78分には大分がカウンターで、右サイドから小手川がクロスを上げ、こぼれ球を黒木が狙いますがGK優也がキャッチ。
大分が攻め込む時間が目立っていましたが、79分。
大分が中盤で繋ぎのミスをしたところをうまく町田が拾って、前方のラリベイへ。
GKと1対1になったラリベイが、ループシュートを決め4-1に。
81分、ジェフはラリベイに代えて2種登録の古川を投入。
85分には、船山に代えてサリーナスを投入。
古川はリーグ戦初出場で、サリーナスも久々の出場となりました。
86分にもジェフの決定機。
古川が相手GKにプレスをかけるところからパスミスを誘い、清武がクロスを上げ高橋がシュートを放ちますが、バー直撃。
その直後にも相手のミスからボールを奪って、サリーナスが中央へ供給し町田がシュートを放ちますがポストの左を逸れます。
後半アディショナルタイムには、アランダがミドルシュートを放ちますがGK上福元がセーブ。
逆に大分に高い位置で奪われ危険なシーンも与えますが、何とか凌ぎ4-1でジェフの勝利となりました。
■理想的な波状攻撃
前半までは、今までと大きく変わらない展開かなと思っていました。
押し込む時間は長く先制点も奪いましたが、チャンスは少なかった。
逆に前半終盤は大分に攻め込まれ、決定機の数は変わらなかったと思います。
後半開始直後も、大分がリズムをつかみかけていたと思います。
ただ、2点目をとったタイミングが非常に良かったですね。
そういった意味では意外と紙一重な試合だったのかもしれませんし、決定力の差が出た試合だったのかもしれません。
しかし、試合展開としては、自分たちのやりたいサッカーが出来たのではないでしょうか。
6-4で勝った岐阜戦以上に、良い試合だったのではないかと思います
相手との相性やホームゲームということもあったでしょうが、ジェフの勝ちパターンだったと言えるのではないでしょうか。
相手を押し込み、どんどん前へ前へと出て行って、主導権を握る。
それによって相手を休ませず、先に点を取って、波状攻撃を展開する。
常に先手を取ることが今季のジェフの理想とする展開であり、そのために勝ち試合は大量得点になることが多いということかもしれません。
特にそれがうまくハマりやすいのが、パスサッカーを展開する相手なのでしょうね。
単純に後方でパス回しをしている間に囲ってプレスをかけることによって、相手を自由にさせない。
最近は長身FWに当ててそこを起点としてハイラインを攻略するチームが多いですが、パスサッカーを展開するチームは長身FWを置かないことも多い。
また、ジェフは前からプレスをかけてこない相手に強い印象があります。
最近では福岡などもそうでしたが、前からプレスをかけてこないということは、後方に人数が固まることになる。
そうなると、ジェフはますますハイプレスで相手を押し込めることになります。
相手を押し込むことで後方からボールを回し、攻撃がうまくいかなくてもセカンドボールを拾いやすくなる。
それによってさらに波状攻撃を仕掛けて、攻撃の回数を増やす。
相手は押し込まれているので、カウンターの枚数も減り、ジェフの守備機会も少なくなっていく。
攻撃の質に関しては、あまり大きく変わっていないと思います。
前半も押し込んでいたとはいえ、個人技で反転をしてシュートまで持ち込む回数が多く、チャンスはあまり多くなかった。
先制点のシーンも清武の見事なプレーから生まれたもので、組織的な打開は出来ていなかったと思います。
ただ、90分を通して前への意識を緩めず、セカンドボールを拾うことによって、波状攻撃を仕掛け続けた。
それによって、攻撃の質ではなく回数を増やして、相手のミスを誘発し4点が奪えた。
これがこの試合の勝因ではないでしょうか。
試合終盤は相手の気持ちが切れていたところもありますが、それもジェフのテンションが落ちずに前へ攻め込み続けたからではないかと思います。
こういった展開も、ここまでの大量得点による勝利で良く感じられた展開ですね。
特にショートパスを繋ぐチームは攻め込まれてもロングパスなどで逃げる手立てが少ない分、気持ちの切れた状態でも後方で繋ごうとして、ジェフのプレスの餌食になることが多いように思います。
ジェフとしては、こういった試合を増やせるかどうかでしょう。
今回はショートパスを繋ぐ相手だったこと、後方に引いて守るチームだったこと。
そして、ホームゲームだったことで見事にはまった印象もあった。
それが異なる相手にも出来るかどうかが重要ではないかと思います。
とはいえ、まずは1つ理想とする勝ちパターンが見えたのではないかと思うので、それは大きな収穫ではないでしょうか。