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監督の変わった山口とアルゼンチン対決

 今週末からお盆期間に入るということで、J2は連戦で試合が行われます。
 私も帰省させていただきますので、次の更新日は未定となります。
 いつ時間が取れるかわからない状況ですが、遅くとも湘南戦前日までは更新できるはずですのでご了承ください。 


 さて、徳島とのスペイン対決に勝利したジェフですが、次はアルゼンチン対決となります。
 明日対決する山口は5月に上野監督を解任し、アルゼンチン人のカルロス・マジョール監督が就任しています。
 ジェフと山口が前回対戦したのは4月ですので、監督交代後初めての対戦ということになります。



 マジョール監督は3バックにしたり、ボランチにCB宮城を起用したりと、選手起用も含めて様々な変化を加えている印象です。
 監督が変わっても試合に出場し続けている元ジェフ佐藤健太郎も、ボランチだけでなくシャドーの位置でもプレー。
 まずは守備のできる選手を増やして、守備面でのバランスを改善していこうという意図なのかなと感じます。


 ただ、パスサッカーを志向した、上野監督のエッセンスも残っている印象を受けていました。
 上野監督時代のようにボランチを経由して中央で繋いでいって、前線を前に走らせそこにボールを供給することは少なくなったのかもしれませんが、サイドを中心に上下に繋ぐことで少しずつ相手をずらしフリーな選手を作る。
 そこから前に供給して、チャンスを作っていこうという意図なのかなと感じました。



 しかし、前節熊本戦ではシステムを4バックに戻し、メンバーも変わりました。
 健太郎ボランチに戻り、宮城とのコンビに。
 そして、前線には新加入のアルゼンチン人FWレオナルド・ラモスが起用され、岸田との2トップになりました。


 身長187cmのレオナルド・ラモスは高さもあって、足元の技術もやわらかい選手。
 このレオナルド・ラモスを起用したことによって、積極的に長いボールを蹴り込むサッカーにシフトした印象でした。
 対する熊本は巻をスタメンで起用したものの、丁寧にショートパスを繋ぎ、縦パスの落としから打開していく展開に。



 20分には熊本が右サイドから細かく繋いでいき、最後は八久保がシュートを放ちますが、GK山田が横っ飛びでファインセーブ。
 試合は熊本の優勢で続き24分。
 熊本が得た左サイドからのCKに対し、ニアで巻が潰れて山口の守備陣が触れず、植田が押し込み先制。


 25分には山口がカウンター。
 岸田が持ち上がり和田がクロスを上げ、レオナルド・ラモスが中央で競ります。
 シュートはバーの上を叩いてゴールとはなりませんでしたが、中央での迫力は感じた場面でした。



 その後も熊本がボールを持ち、チャンスをうかがう展開が続きましたが、後半開始早々。
 中盤からのロングボールに反応したレオナルド・ラモスが長い距離を走って、DFの前を取って倒されPKを得ると、自身が決めて1-1に。
 ここでのスプリントを見ると、決して足も遅くない選手なのかもしれません。


 同点になってから、山口は守備で前へ行けるようになっていきました。
 56分には熊本の廣木がアーリークロスを上げ、ファーでぽっかりと空いた和田がヘディングシュート。
 しかし、うまく合わせきれません。


 その直後にも山口の決定機。
 岸田からのクロスのこぼれ球を小野瀬が拾って、ミドルシュートを放ちますがGK畑がファインセーブ。
 この時間は熊本の足が止まり、山口ペースでした。


 
 しかし、そこを耐えると山口はチャンスを作れなくなり、熊本がチャンスを作っていきます。
 そして、75分、熊本GK畑からのロングキックを巻が頭で落として、八久保が豪快にミドルシュート
 これが決まって2-1で熊本リードに。


 その後は山口の運動量が止まり、熊本はじっくり時間を使っていきます。
 89分には山口MF宮城の鋭いミドルシュートがありましたがGK畑がセーブ。
 19位熊本が20位山口との試合を、2-1で制したことになります。



 6月11日の岡山戦から指揮を執っているカルロス・マジョール監督ですが、3勝6敗と負け越しています。
 以前よりは若干勝率が上がっているのかもしれませんが、依然苦しい状況が続いているといったところでしょうか。
 J3降格圏内の21位讃岐とは勝点2差の状況です。


 監督が交代して守備の意識が高まった印象はありますが、前からのプレスに関しては甘い印象です。
 そのため、前節も前半は熊本がボランチエリアまで、自由にボールを繋げていました。
 同点になってからは前への守備に行けるようになっていましたが、それも短い時間だけだったように思います。



 ある程度はボールを持たせて良いという発想で、バランス重視の戦い方ということなのかもしれません。
 ただ、決して後方の守備が堅いチームではないと思いますし、後方が耐えられるかどうか求められるサッカーとなっている印象です。
 実際、現在3連敗中ですが、3試合共に1-2で敗れており失点が多いようです。


 攻撃においてはセンスのある選手が多い印象ですが、熊本戦ではレオナルド・ラモスの頭を狙ったボールが多かったと思います。
 レオナルド・ラモスが頭でゴールを狙ったり、落として岸田などが走り込んだり、あるいは囮に使ったり。
 前線で起点に慣れそうなFWではありますが、長いボールを使うことが今後のチームにとって吉と出るか凶と出るのかはまだわからないところですね。



 ただ、前節徳島戦のようにパスを繋ぐチームには強い傾向があるジェフですから、長いボールを蹴られた方がジェフとしては嫌なところがあるかもしれません。
 徳島はジェフのDFライン裏を狙ったふわっとしたボールで、前線の選手を走らせようとしていましたが、ことごとく呼吸が合わずミスパスで終っていました。
 これが前線にターゲットがいればそこを起点に裏を狙う展開も作れるかもしれませんから、また状況が変わる可能性もあるでしょう。


 ただ、山口は前からのプレスがもう1つな印象ですので、上手く山口の守備が嵌まらずジェフのインサイドなどが下がってゲームメイクを作れる展開が作れれば、ジェフの試合になる可能性も高いのではないでしょうか。
 そうなれば攻撃ではインサイドから相手を押し込み、守備ではセカンドボールへの反応やハイプレスで押し込んでいくことができる。
 これが基本的なジェフの勝ちパターンではないかと思います。



 しかし、うまくジェフのインサイドからのビルドアップを消されてしまったら、あるいはロングボールでプレスをかわされてしまったら。
 その時にどう戦うかが、ジェフの課題ではないかと思います。
 最終ラインの元ジェフ福元や中盤でバランスを取る元ジェフ健太郎などが、重要な役割を果たす展開になるかもしれませんね。


 それでもジェフとしては得意のホームゲームですし、相手は現在3連敗中の山口。
 ここはしっかりと勝って、良い連戦のスタートとしたいところですね。
 山口戦の次は首位湘南ですし、そこまでに良い流れを作っていきたいところでもあるのではないでしょうか。