当ブログはプロモーションを含みます

相手を崩せず0-2で群馬に敗戦

 ここ4試合勝ち星のなかったジェフは、最下位の群馬相手に3ヶ月ぶりの勝利を与えてしまいました。
 今季の群馬はこれが初めての完封試合だったようです。
 前節の試合後に「ここから挽回できるか、大きく崩れるか」という話をしましたが、このままガタガタと崩れてしまうのでしょうか。


 先日、エスナイデル監督の食事管理の話が記事になり話題になっていましたが、それはあくまでもサッカーの中の一要素でしかないはずです。
 もちろん食事管理をして、ベストな体重などを維持できれば、それは良いことだとは思います。
 とはいえ、それによって夏も走れるようになり、「あとはピッチで結果を出すだけだ」という話になるのは、あまりにもオーバーではないでしょうか。


 実際にはこの日のように湘南戦以降はそこまで走れていないと思うし、他にもサッカーにはたくさんの要素があるわけで。
 食事管理も大事な要素には違いないでしょうが、そこがチーム作りの肝になるとは考えづらいと思います。
 Numberらしい記事といった印象で、話半分で読んでおいた方が良いのではないでしょうか。
■直接FKで群馬が先制
 熊谷と近藤が出場停止となったジェフは、前節に続いて勇人がアンカーで、CBはキムと若狭になりました。
 前節スタメン出場だったサリーナスはベンチからも外れ、代わりに為田が控えメンバーとして復帰しています。


 ここ3ヶ月勝星から遠ざかっている群馬も、一部メンバーを変更。
 開幕からここまで主力として戦ってきたCBパク・ゴンを外し、CBチェ・ジュンギがスタメン。
 市船出身で京都からレンタル中の石田が左SHに入り、元町田の鈴木崇文が右SHに入りました。



 立ち上がりは一進一退。
 序盤の群馬は前回対戦時のように前線からがむしゃらにプレスをかけていくというより、行ける時は行くバランス重視のプレスでした。
 4-4-2で前2人でジェフのアンカーとCBを見つつ、4×4でコンパクトに守ろうという意図ではないかと思います。


 8分にはセットプレーから、ジェフのチャンス。
 左サイドからのCKを矢田が蹴ると、ゴール前で若狭が完全にフリーな状況に。
 ここにボールが合いますが、ゴールの左に外してしまいます。



 群馬は前節もそうだったのですが、コンパクトに守ろうという意識はあるものの、サイドへの守備が甘く外にボールが出てから対応するところがあると思います。
 特にサイドチェンジに弱い印象で、ジェフはサイドを取りながら徐々にリズムを掴んでいきました。
 ただ、決定機までは作れない状況に。


 20分にはジェフの攻撃。
 乾からの縦パスを受けた清武が粘って勇人へ。
 勇人が思い切ってシュート放ちますが、GK清水がセーブ。



 15分頃から、ジェフが攻め込む場面が増えていきましたが24分。
 勇人が裏へ抜け出しかけた山岸を倒してPA目の前でFKを与えると、鈴木が左足で直接ゴールを決めます。
 危険な位置ではありましたが、それにしてもオヘーダは左のゴールを随分空けていた印象でした。
 そこまでのボールは蹴れないだろうと思ったのか、左は捨てていたということなのでしょうか。


 29分、群馬にアクシデント。
 FWカン・スイルが負傷交代で高井が途中出場。
 そのまま前線に入りました。



 その直後、群馬のチャンス。
 キムのパスミスから、鈴木が持ち上がって前線中央の山岸へ。
 そこから左の高井に繋いでシュートを放ちますが、枠の外に終わります。


 群馬は先制して運動量が増し、サイドへのスライドも速くなっていきます。
 ジェフはこの試合でも立ち上りからホームほど走れず、押し込み続ける形が作れない状況に。
 個人技での打開が目立ち、完全には交わし切れず、攻めあぐねる展開でした。


 44分には清武が長めのFKを直接狙いますが、バーの上。
 その直後には群馬の石田が勇人に競り勝ち、ボールを受けた山岸がスルーパス
 高井がうまく抜け出しますが、オヘーダが飛び出して対応します。
■チャンスが作れずカウンターで失点
 1-0で迎えた後半直後。
 群馬が左サイドの奥でFK。
 角度のないところから松下が鋭いシュートで狙いましたが、枠を捉えきれず。
 

 その直後にはジェフの攻撃。
 右サイドの真希からセンタリングが上がり、最後はラリベイが足元でシュート。
 しかし、GK清水が正面でキャッチ。



 そこからは、ジェフが圧力を増していきます。
 サイドを中心に攻め込んでいき、相手を押し込でいく。
 群馬は前からのプレスが効かなくなり、ジェフの選手を捉えきれずゴール前でしのぐ展開に。


 56分に真希から町田、ラリベイと繋いで船山へ。
 船山が侵入していきシュートを放ちますが、ジャストミートせず。
 その直後、群馬は石田に代えて岡田を投入。


 60分にもジェフの攻撃。
 町田が中盤中央からスルーパスを出し、船山が飛び出しますが合わせきれず。
 しかし、ここも群馬のラインが低く、町田が完全にフリーになっていました。



 ジェフが押し込む展開が続いていましたが、60分頃から落ち着いていってしまった印象でした。
 群馬は鈴木に代えてパクを投入し、5バックに変更。
 前線も中央に高井、左に山岸、右に岡田という布陣に。


 システム変更によりサイドのスペースがなくなり、さらにジェフは攻撃の形が作れなくなります。
 それでもサイド攻撃一辺倒な攻撃を続けるため、強引なドリブル突破と苦しい体勢でクロスを失敗するケースが目立っていきます。
 66分、ジェフは船山に代わって為田を投入。
 


 76分、ジェフは矢田に変わって指宿、真希に代わって高橋を投入し、勇人をDFライン中央に置いた3-5-2になりました。
 しかし、その直後、中盤で町田が岡庭にボールを奪われたところから、複数で囲むも潰し切れずに抜け出されると右サイドの高井へ。
 勇人が高井のフェイントに交わされてシュートを放たれ、痛恨の2失点目。


 その後もジェフは得点の匂いを全く感じず、指宿や高橋のシュートもPAの外からで、苦し紛れといった印象でした。
 逆にカウンターから危ない場面を作られる場面もあり、後半ATには勇人が高井の首に腕をかけ二枚目のイエローで退場。
 0-2のまま敗戦となってしまいます。
■スペースを消されて苦戦
 群馬も最後は頑張って守っていましたが、付け入る隙はあったと思います。
 序盤はカンのプレスが甘くCBが楽にボールを持てましたが、そこから良いビルドアップが作れず。
 また、サイドのスペースも空きがちで、特にサイドチェンジに対応できていなかったと思います。


 さらにサイドでジェフがボールを持つとSHやSBが遅れて外へ出てきますが、CBやボランチは中央で待つ意識が強く、サイドと中央の間にスペースが出来ていた印象です。
 加えてサイドを押し込んでいくと、全体のラインがズルズル下がってしまう。
 それによって中盤のラインも下がって、ジェフの中盤後方も空きがちだったと思います。



 もちろん、群馬としては外は空けても、中は厚く守るという考えだったのかもしれません。
 群馬はCKの守備でもゴール前は密集していましたが、そこから離れたところはマークが甘くなることが多かった。
 局面での反応も一歩一歩遅く、そのあたりの守備の緩さが最下位という順位に繋がっているのではないかと思います。


 しかし、ジェフはそこをうまく付けなかった。
 相手のサイドにスペースがあれば、そこに大きく展開する。
 それは出来るけれど、群馬もそこはわかっているわけで、そこから先の崩しが出来ていない。



 今までもジェフは相手にスペースがあれば強い印象がありましたが、スペースを消されると攻撃の形が作れないところがあったと思います。
 実際、群馬が5バックにしてからは、サイドにスペースがなくなったため、攻め入る術がなくなってしまった。
 今季はがっつり引いて守るチームが少ない印象ですが、この試合の終盤は相手に引かれて得点の匂いもなく終わってしまったように思います。


 ゴール前で3人、4人が絡んで、素早いパスワークで相手をかわす。
 あるいは後方や中盤のビルドアップで左右に揺さぶって、相手の隙を作りそこを突く。
 そういった形が出来ていないから、攻めていても相手をかわした状況でシュートを打つ回数が少なく、強引なドリブルやシュートが目立っていた。



 これがプレスなどで相手を圧倒して、高い位置で奪ってカウンターを仕掛ける。
 あるいは相手より早い反応で、セカンドボールを拾い、前に飛び出し続け、チャンスを作る。
 そういった展開で圧力をかけ続けることが出来れば、相手も疲労していき、押せ押せの展開が作れるかもしれない。


 しかし、そういったコンディション差で勝てる試合は、やはり一握り。
 実際、ここ数試合は運動量で、相手を圧倒したと言える試合はなかったと思います。
 結局はやはりプレスがハマった時は良いにしても、ハマらなかった時にどうやって戦うのかが明確にできていないこと。
 例えこの試合で点が取れなかったことは仕方のないことだったとしても、そこが見えないことが大きな問題ではないかと思います。