熊谷が出場できず近藤が負傷中ということで、京都戦では勇人がキャプテンマークを巻きアンカーとしてスタメン出場を果たしました。
勇人は2試合の出場停止明けですが、熊谷が出場停止となっていた9月2日の東京V戦と9月10日の群馬戦に出場していましたので、結果的に熊谷と入れ替わる形となりました。
京都戦ということで、勇人は大久保とともに古巣対決ということにもなりましたね。
アンカーでの出場でしたが、勇人も相手のロングボールに対して、かなり手こずっていた印象です。
湘南戦に続いて闘莉王は前線から若干下がって浮き球のターゲットになることが多かったため、そこで勇人がマッチアップして空中戦で後手を踏むことが多かった。
試合とは関係ないですが、闘莉王と勇人は国体の千葉選抜で、ボランチとしてコンビを組んでいた2人ということになります。
また、細かなビルドアップの面でも苦労していたと思います。
ただ、こちらに関してはチーム全体としてうまくいっていないところがあり、熊谷も劣勢の時は目立たないことが多いと思います。
勇人も良い絡みをしていた場面はありましたし、京都戦ではカウンター展開が多かったこともあって、そこまで違いがあるようには感じませんでした。
熊谷は180cmの身長があるので、勇人よりも空中戦で期待できる選手でしょう。
熊谷も決してそこまで高さがあるわけではないと思いますが、アンカーがある程度競ってくれれば、それだけでも周りは助かると思います。
また、熊谷は局面での当たりも強くなっていて、そこが今年最も成長した部分なのではないでしょうか。
ただ、勇人も持ち味は見せていた印象で、守備時のカバーリングや相手ボールホルダーへのアプローチの早さは、熊谷にはないものだと思います。
勇人は上手く全体のバランスの取れる選手だと思いますし、前後だけでなく左右にも守備範囲が広い印象です。
そこから奪い切る部分に関しては以前からの課題ではありますが、基礎的な守備センスで言えばやはり勇人の方が上なのではないでしょうか。
しかし、この試合でも勇人が外に守備のアプローチに行った時に、アンカーのエリアがぽっかりと空いてしまうことがあったと思います。
勇人としてはパスコースを消しながら外に出ていったのではないかと思うのですすが、それでもそこを外されれば怖いところがあるはずです。
アンカーが外へカバーに行った時に、誰が中盤の底を埋めるのかがはっきりしていない印象を受けました。
ただ、エスナイデル監督としては、アンカーにはどっしりと構えて守って欲しいというのが基本な考えなのかもしれません。
だから、カバーリングが得意なアランダは早々に外され、最近の試合でも途中から多々良がアンカーに入ったのかなと思います。
ボランチ的な左右にカバーするアンカーではなく、CBやリベロに近いアンカーの方が理想に近いということでしょうか。
とはいえ、アンカーがどっしりと構えるのが基本なのであれば、ますます1ボランチ脇にはスペースが空くが空くはずです。
その分そこを誰が埋めるのかという問題を、解消しなければいけないのではないでしょうか。
もちろん基本的にはインサイドが埋めるのでしょうが、水戸戦のようにインサイドがアンカーの脇を埋め、その直後に相手CBへのプレスにもいかなければいけない…という状況では、どうしても無理が生じると思います。
そのあたりの細かな守備の約束事を、どのように整理していくのか。
インサイドが1ボランチ脇を埋めるために下がったら、前へプレスに行くのは誰なのか。
プレスに行けないのであれば全体を下げるのか、全体を下げるのならその時にどういったバランスで守るのか…など、状況に応じた対応が出来るようになっていかなければいけないのではないかと思います。
また、熊谷が今季の試合に出場できず、勇人がアンカーを務める状況が続けば、京都のようにロングボールで中盤の底を狙ってくるチームがあるかもしれません。
これがダブルボランチならタスクを分担することも出来るでしょうが、1ボランチだと勇人へのサポートも難しくなってくると思うので、そのあたりをどう対処するのか。
アランダを起用すれば良いような気もしますが、もはやベンチにも入っていませんし、熊谷不在の状況をどのように対応していくのか気になるところですね。