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ここにきての変化 雨の福岡で勝利なるか

 夏以降苦戦が続いていたジェフですが、ここにきて2連勝。
 今週末は自動昇格圏内の2位福岡と、アウェイで対戦します。
 若干天気が心配で雨の福岡というと嫌な記憶もあるのですが、今季のジェフは雨天に強い印象もあるだけに、苦い思い出を払拭できるでしょうか。


 前節の福岡は、アウェイで大分と対戦。
 福岡は4-1-4-1のシステムで、ウォン・ドゥジェがアンカーに、1トップに仲川でスタートしました。
 上位の福岡でしたが、前半は大分ペース。


 4分、大分の左サイド松本がクロスをあげ、中盤から走り込んできたファン・ソンスが飛び込みますが、枠を捉えきれず。
 大分は鈴木惇が出場停止だったためか、ファン、姫野、川西によるトリプルボランチ気味の3-5-2に。
 ボランチのうち誰かが前に飛び出していく動きを見せ、福岡はそこを捕まえきれずにいました。



 16分には福岡のチャンス。
 左SH松田力の飛び出しから得たCKを駒野が蹴ると、ジウシーニョがほぼフリーでヘディングシュートを放ちますが、ゴールの右を逸れます。
 しかし、福岡はセットプレーに怖さがありますね。


 15分頃から、福岡は相手ボランチが前に出てきたら中盤が一人が引いて、ダブルボランチ気味になって対応。
 これで若干安定しますが、30分頃からは大分がボールを持つ時間が長くなっていきます。
 福岡は前からプレスに行けず、全体のラインが低い状態になり、切り替えの早い大分に押されていきます。


 そして、38分、大分の後方から左サイド奥の松本へ大きく展開。
 松本が仕掛けて鋭いクロスを上げ、三平が頭で合わせて先制。
 大分は以前からサイド奥のWBを起点とする展開が得意なチームですが、中央に高さがあり守備を固めてくる福岡相手ということで、より積極的そこを狙っていたのかもしれません。



 失点後も流れの悪かった福岡ですが、後半開始と同時にジウシーニョを下げウェリントンを投入。
 ウェリントンと仲川を2トップにして、山瀬が右SHに回りました。
 ウェリントンを投入した福岡は早いタイミングで前線に供給する展開が増え、ウェリントンが落として2列目が仕掛ける展開で一気に優勢に立ちます。


 その流れのまま51分。
 右サイドからのスローインウェリントンが落としたところから持ち上がり、山瀬が右から左に展開して亀川がクロス。
 これをウェリントンが胸で落とすと、ウォンがミドルシュートを決めて1-1に。



 その直後にも福岡のチャンス。
 後方からのボールをウェリントンが落とし、駒野が繋ぐと仲川が前を向いてスピードあるドリブルを開始。
 大分の守備陣は仲川を止め切れず、松田にパスを出されますが、ここは岸田が何とか戻ってブロック。


 押せ押せムードの福岡でしたが、追加点を奪えずにいると60分頃から勢いが落ちてしまいます。
 70分には、カウンターで大分が決定機。
 後方からのロングボールに反応した途中出場の伊佐が右サイドを抜けだし、中央に供給すると後藤のシュートはブロックされ、流れたところを川西がつめますが、大きく枠を外してしまいます。


 その後も福岡が若干優勢で試合を進めていきますが、スコアは動かず。
 後半ATにはパワープレーでゴール前に放り込み、ウェリントンなどが競り合い、最後は石津が拾ってシュート。
 しかし、これもゴールネットの外となり、1-1で引き分けに終わりました。



 前後半で大きく展開が変わった試合でした。
 両チームはスタイルが異なりますが、前半は大分がプレスをかけていきパスサッカーで相手を押し込んでいきました。
 福岡はサイドや中盤からの飛び出しを捕まえきれず、押し込まれてカウンターも作れない状況に。


 しかし、後半は福岡がウェリントンに早いタイミングで預けて相手を押し込むことによって、今度は大分がプレスに行けなくなります。
 後半からは福岡の方がプレスに行けるようになり、前でのボール奪取も増えていました。
 ウェリントンは強さもあって足元での落としもうまく、自身がゴールに向かうプレーだけでなく、スピードのある仲川やテクニックのある山瀬なども活きる展開になっていきます。



 後半は押し込んだ福岡ですが、前半は大分ペースでしたから、引き分けで妥当な試合だったようにも思います。
 ただ、ここ3試合の福岡は後半からウェリントンを投入して、巻き返す流れが定番となっています。
 それだけにゲームプランとしては、そこまで大きく間違っていなかったのかもしれません。


 印象としては、ケンペスを途中投入して終盤の得点が増えた、2014年終盤のジェフも思い出しました。
 ケンペスウェリントン級の選手が、後半から投入されるというのは、相手にとってかなり怖いものがあると思います。
 どちらも守備には不安があるため前半からは使いにくいという点があると思うのですが、本人が納得していればこの使い方もありなのでしょう。



 ただ、大分戦での福岡は、さすがに前半は相手にやられ過ぎていたとも言えるのでしょう。
 相手に押し込まれてプレスもかけられず防戦一方になる展開は、6月にジェフと対戦した時と同じような内容になってしまったと思います。
 6月のジェフ戦も立ち上りの内容が悪く押し込まれますが、試合途中から福岡が修正してスコアレスドローで終っています。


 ジェフとしては相手を押し込んでラインを下げて、一方的な状況にして点を奪うというのが理想ではないかと思います。
 それはジェフが得意とするパターンでもあるはずです。
 ただ、そのためには激しいプレスがアウェイでも実施できるかどうかが、ポイントとなってくるはずですが。


 ジェフ戦でも福岡がウェリントンを温存し、相手に粘られる展開になってくると、ジェフは分が悪いかもしれません。
 今季のジェフは選手交代で挽回するというような試合が少ないですし、先行逃げ切りが理想ではないかと思います。
 しかし、ジェフは夏場以降アウェイではあえて前半をセーブして戦っているのか、試合の入りが悪い傾向があるだけに、前半から良い試合が出来るかどうかがポイントとなるのかもしれません。



 ジェフとしてはここ2試合で極端なハイラインもやめて、システムも4-2-3-1になりました。
 シーズン終盤に入ったところで、チームに変化が見えつつあると言えるのかもしれません。
 その変化を加えた2試合で結果を残していますし、残り試合はこの形で戦っていく可能性もあるのでしょうか。


 ただ、この変化は本来監督が描いていた形ではなく、夏場以降結果が出なくなったこと、ハイプレスも維持できなくなったこと、熊谷や町田といった主力が離脱したことなどが原因ではないかと思います。
 ポジティブに変化を加えたのではなく仕方なく修正したという意味合いが強いのではないかと思いますし、もしかしたら選手主体での変化なのかなと思わなくもありません。
 そうだとしても結果的にチームが良くなれば問題はないのでしょうが、こういった変化は得てして新たな課題が発生し、一時的な改善で終ることが多いようにも思います。



 具体的に言えば、ハイライン・ハイプレスを無理に継続しないのであれば、その分中盤にスペースが生まれる可能性が高くなる。
 そこをどのようにバランスを整理して、管理するのか。
 また、ダブルボランチになった分、前へのプレスには行きにくくなるはずで、後方でボールを持たれた時にどのような状態で守るのか。


 さらに、ここ2試合は相手が3バックだったため、結果的にミスマッチで優位に立てたところもあったと思います。
 しかし、福岡はここ最近の4-1-4-1で来るのなら、4-2-3-1とはがっぷり四つになる。
 また福岡はシステムを使い分けてくるチームでもあるため、システムの組合せも注目となってくるかもしれません。 



 2連勝をして現在10位、6位との勝点差は7となっています。
 しかし、もう残り5試合ですし、今さら星勘定をしてもあまり意味はないでしょう。
 1試合1試合を大事に戦うことが重要であり、その結果として何かを掴めるかどうかが大事な状況となっているのではないでしょうか。
 ジェフとしてはここからの2試合、鬼門となっているアウェイでの連戦となりますし、まずはそこを乗り越えられるかどうかですね。