大一番となったジェフ対名古屋ですが、3-0でジェフの快勝となりました。
ある意味で、今季の両チームらしさが出た試合なのかもしれません。
ただ、ジェフとしては久しぶりにプレスがハマって、90分間戦い続けられた試合だったのではないでしょうか。
一方で名古屋は、序盤から若干動きが重かったようにも見えました。
緊張感も感じ、ホームディスアドバンテージのようなものが生まれてしまったのかもしれません。
ジェフは名古屋相手ということもあってか、気持ちの入った良い試合が出来たのではないかと思います。
■ジェフがプレスをかけ攻め込むも0-0で折り返し
ジェフは前節負傷交代した乾が全治半年と重傷で、代わりに比嘉が左SBに入りました。
名古屋からレンタル中の矢田が出場できず、熊谷がボランチに入った4-2-3-1の布陣。
ベンチには北爪が復帰しています。
名古屋は怪我明けのシャビエルが、スタメンに復帰。
八反田や新井などが負傷中ですが、その他のスタメンは不動。
前線が玉田とシャビエルで、左SHに寿人が入る4-4-2になっています。
立ち上りからジェフは前へプレスをかけていき、そこからカウンターを狙う展開。
一方の名古屋は狭いエリアでも、細かく足元へパスを繋いでいこうとしてきます。
徐々に名古屋がパスワークで、ジェフを押し込む展開が増えていきました。
11分にはジェフがカウンター。
名古屋が右サイドで得たFKをシャビエルが蹴りますが、GK優也がキャッチ。
優也からスペースへ蹴り込んだロングフィードを町田が受け、ループ気味のシュートでゴールを狙いますが枠の外。
その直後には、名古屋のチャンス。
名古屋が左サイドで得たFKをシャビエルが蹴ると、ジェフはラインで守ります。
しかし、青木が中央でフリーで抜け出し頭で合わせますが、ジャストミートせず。
22分、ジェフのカウンター。
相手のクロスボールを大きくクリアしたところから、ラリベイがうまく落として船山、為田と繋ぎます。
為田のラストパスは合わなかったものの、ワシントンがクリアしきれずこぼれたところを船山が拾ってシュートを放ちますが、GK武田の正面。
28分にもジェフの攻撃。
後方で得たFKからラリベイが落として、船山がシュートを放ちますがGK武田がセーブ。
しかし、20分頃からラリベイを中心に、ジェフが速い攻撃を仕掛けていく機会が増えていきました。
37分にもジェフの攻撃。
中盤でボールを奪ったところから、町田が為田に展開。
為田が中央へパスを繋ぎ、船山がミドルシュートを放ちますが、GK武田の正面。
プレスもハマるようになっていき、攻める時間が増えていったジェフ。
カウンターを中心に攻めていきますが、完璧な決定機までは作れず0-0で折り返します。
■11分間で3点を取り3-0の勝利
前線でポイントを作れなかった名古屋は、後半開始と同時に玉田を変えて長身FWシモビッチを投入。
しかし、53分、先制したのはジェフ。
熊谷から裏を走った船山へスルーパス。
船山がセンタリングを上げると、ラリベイが完全にフリーになってシュートを放ち1-0に。
その直後には名古屋の決定機。
左サイドでパスを繋ぎ田口が反転して、中央へクロス。
シモビッチが頭で合わせますが、バー直撃でゴールならず。
その後も、ジェフが相手を押し込み63分。
町田が右サイド前方でボールを奪ったところから、町田のシュートはブロックされますが中央へ供給。
為田が受けてシュートを放ち2-0に。
その後、名古屋は寿人に代えて杉森を投入。
しかし、ジェフが2点目を奪った直後、中盤でこぼれ球を拾うと為田が完全に裏を抜け出して左サイドを独走。
中央でフリーになった、ラリベイが合わせて3-0に。
その後もジェフが、押し込む時間が続いていきます。
名古屋の方は失点で気持ちが切れたのか、さらに動きが落ちていった印象も受けました。
ジェフ選手たちは球際も強く、前へのプレスが続いていきます。
それでも、75分には名古屋のチャンス。
田口からの縦パスを受けたシモビッチが反転して抜け出しシュートを放ちますが、GK優也の正面で終ります。
ここからは名古屋が攻める時間帯に。
77分、ジェフはラリベイを下げて指宿を投入。
83分には船山を下げて清武を投入。
86分、ジェフは比嘉が負傷交代し岡野を投入して、岡野がCBに入りキムが左SBにまわりました。
その直後、名古屋はゴール前でのFK。
田口が直接狙いますが、ゴールの左を逸れます。
後半アディショナルタイムには左SB和泉が中央に繋いで、シモビッチが落とし宮原がミドルシュート。
しかし、これもGK優也の正面に終わり、3-0でジェフの快勝となりました。
■無理に中盤で繋いでプレスの餌食に
連勝継続となったジェフですが、その中でも良い試合が出来た試合だったのではないでしょうか。
久々にハイプレスがハマり、それを続けられた試合だったと思います。
20分頃までは名古屋も悪くなかったと思いますし、ジェフのプレスを掻い潜って押し込む時間もあったと思います。
しかし、ジェフはそこからラリベイなどを中心に、カウンターでいくつか攻撃を作れたこと。
それによって、相手を押し返せたのではないでしょうか。
さらにその間に前からプレスをかけて、何度か名古屋の攻撃を止めることが出来た。
それによってプレスの面で「いける」と自信を持てたことで、その後も前へ行けるようになったのではないかと思います。
その時間帯に相手のパスワークを下がって受けずに、前に行けたことが良かったですね。
名古屋は足元で繋ぐパスワークに、こだわりを持つあるチーム。
相手選手がいても狭いところにボールを供給し、正確なトラップで受けて、次へ繋ぐということを連続してやろうとする。
そこに対してジェフの守備が一気に囲いにいき潰したことで、ジェフのプレスが久々にハマり、ジェフペースで試合が作れたということになるのではないでしょうか。
後半からの名古屋はシモビッチを投入して前半は少なかった前線の頭を狙うボールと、シャビエルを裏へ走らせるボールが増えていきました。
これを前半からやられていたら、ジェフも嫌な展開だったかもしれません。
しかし、ジェフが良いタイミングで先制点を奪うと、そこからは名古屋の集中力も切れて、一気に3点を奪えた試合だったのではないかと思います。
改めてジェフのプレスがシーズン途中からハマらなくなったのは、相手チームにロングボールをうまく使われたり、前後左右に揺さぶられたりといった、ジェフ対策に苦労したところがあったのではないかと感じます。
名古屋は極端なジェフ対策をしてこなかったですし、パスワークに関してもともかくミドルパスを繋いでいくこと大事にしていくチームで、大分のように相手を揺さぶるような展開も少ない。
自分たちのパスワークにこだわるチームで、あまり相手対策はしてこないのでしょう。
しかし、その結果、ジェフのプレスにハマってしまい、良さを出し切れなかったのではないでしょうか。
結果的に前回対戦時と似通った構図になった印象で、あの時も2-0でジェフが勝利しています。
特に狭い中盤のエリアでも名古屋が無理に縦へパスを繋ごうとして、ジェフのプレスの餌食にあう…という展開が目立っていた印象です。
ジェフとしては名古屋がミドルパスにこだわってくれた結果、プレスが復活した試合だったのではないかと思います。
また、気温が下がってきた影響もあるのか、この日は選手たちのコンディションもよさそうでしたね。
連勝中ということもあってか、勢いもあるし選手たちから自信も感じるように思います。
名古屋が特殊なサッカーをしている分、次の試合でも同じようにプレスがハマるかどうかはわからないと思います。
それでもカウンターの作り方などはうまくいっていると思いますし、調子が良いことには間違いない。
POに行けるかどうはわかりませんが、ここまできたら最後までやりぬいてほしいですね。