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町田、真希と共に攻撃を作った茶島

 本日でちばぎんカップの話は、ラストになる予定です。
 最後はちばぎんカップに、右インサイドでスタメン出場した新加入の茶島について。
 前半は右ウイングの町田、右SBの真希と攻撃を作っていきました。


 2分には真希のアーリークロスのこぼれ球を受けて、ミドルシュートを放っています。
 GK中村にパンチングされたものの、しっかりと枠を捉えていました。
 プレースキックも担当していましたし、テクニックの高さを感じましたね。



 15分には右サイド後方からのボールを、町田がワンタッチで茶島に落とします。
 そこから茶島が斜めに前方にドリブルで持ち上がって、左サイドに大きく展開しています。
 前への鋭い動きと、視野の広さも感じられました。 


 そして、29分には真希からのボールを茶島が受け、相手に背負われながら1タッチで落とします。
 そこから町田がラリベイとの1-2で完全に抜け出して、シュートまで持ち込みます。
 角度がなくシュートはGK中村にブロックされますが、この場面がこの試合で唯一相手をパスワークで崩せたシーンと言えるのではないでしょうか。



 テクニックがあり、スピードもあって、攻撃にセンスを感じました。
 広島での若い頃は前へ飛び出して仕掛けていく選手といったイメージでしたが、ちばぎんカップではパス出しの部分でも貢献していましたね。
 茶島も今年で27歳になるということで、年齢を重ねて周りを使うプレーも出来るようになったということなのでしょうか。


 ちばぎんカップで序盤に活躍できたのも、町田との関係が大きかったと思います。
 ウイングでスタメン出場した町田ですが、攻撃時は内寄りでプレーすることが多く、特に相手左ボランチ大谷と相手左CBパクの間でプレーすることが多く見られました。
 町田がそこから前へに飛び出していくことによって、大谷を釣って低い位置で受ける茶島が前を向きやすい状況になっていたと思います。



 文字だとわかりにくいので、図にするとこのような感じ。

 なお、前半途中からは町田と茶島が、攻撃時のポジションを入れ替えた印象です。
 図のように相手ボランチ前で、インサイドが前を向いてプレーする形は昨年も何度かありましたね。


 ただ、柏もさすがに修正してきて、30分過ぎからは大谷がしっかりと前方の選手を潰しに行く。
 そして、間で受けようとする選手には、パクや亀川が見る形で対応。
 この修正によって、中盤で下がって受けていたジェフ選手が前を向けなくなり、そこからは右サイドで攻撃が作れなくなってしまいました。



 それでも茶島は、攻撃面で良いプレーを見せていたと思います。
 スピーディな動きが出来て、技術力で言えば町田よりも期待できるのかなといった印象です。
 エスナイデル監督はこういったスピードもあって、前に仕掛けられるインサイドが好きなのかもしれませんね。


 ただ、結果的に似たような選手が、2列目に並びすぎている懸念もあります。
 ちばぎんカップでスタメン出場した2列目の選手たちは全員小柄で、茶島が166cm、矢田が170cm、町田が166cm。
 為田も175cmとはいえフィジカルやサイズのあるタイプではなく、ゴール前でのパワー不足・サイズ不足といった問題が起こりうる可能性もあるのかなと感じました。



 また、守備面では茶島も課題が多いように思います。
 確かちばぎんカップでも、積極的にチェイスには行っていました。
 しかし、相手に寄せて行っても、スッと簡単に交わされる場面が非常に多かった。


 矢田はチェイスに行っても目の前で止まってしまうので、寄せきれないという問題があります。
 茶島は寄せには行くものの交わされてしまうので、前にパスコースが出来てしまう。
 そこから縦パスを通されて、攻撃を作られる展開が目立っていました。



 その点で町田は守備が非常にうまく、チェイスに行く時もまずパスコースを消してから相手を追い込んでいく。
 そこから寄せて行くため、相手の選択肢を消し、良い体勢で潰しに行くことが出来る。
 そこでボールを奪いきれなくても、相手に前を向かせず、攻撃を遅らせることが出来る選手だと思います。


 右ウイングで町田が広範囲を守ってくれていたため、茶島が守備で助けられていたという部分も大きかったと思います。
 ただ、矢田と茶島の組み合わせだと、中央の守備に関しては不安が残るのではないでしょうか。
 さらに左ウイングの為田も守備では期待できないですし、J2レベルのチームならいける…という考えでは不安もある気がします。



 今年は無理に追わないという方向で行くから、この2列目の顔ぶれでも成立するという判断なのでしょうか。
 しかし、その分戻っての守備やバランス感覚といったものも、求められるかもしれません。
 攻守に期待できる2列目の選手が少ない印象もありますが、これも監督好みの補強にこだわった結果なのでしょうか…。 


 もともと昨年も序盤はインサイドにアランダや真希などを起用していたこともあるくらいですから、本来は守備力も必要なポジションではないかと思います。
 それだけに茶島や矢田が、守備でレベルアップできるのか。
 それともどちらか一方でも守備のできるインサイドを起用するのか、あるいはシステムごと変えるのか…という話になってくるかもしれません。