来週から2018年のF1GPもスタートしますので、今年のF1について紹介していきたいと思います。
今年からHALOと呼ばれる、ドライバー頭部を保護するパーツが義務付けられ、ビジュアル的には不評を買っています。
しかし、シーズンに関しては例年になくとても楽しみな年となっており、多くの日本人F1ファンが期待を高めて開幕を待っている状況です
特に注目を集めているのが、マクラーレンルノー対トロ・ロッソホンダでしょう。
往年の名コンビ復活ということで期待されたマクラーレンとホンダのジョイント計画ですが、2015年復帰直後からホンダエンジンにはトラブルが多発。
徐々にマクラーレンはホンダへの不満を表に出すようになっていきますが、マクラーレンもマシンや運営面でミスの目立つ状況となっていました。
そして、昨年ついに契約解消が決まり、今年からマクラーレンはルノーと、ホンダはトロ・ロッソと組むことになります。
残念ながら昨年のマクラーレン首脳陣やドライバーによるホンダバッシングはかなり酷いもので、レース外での注目も高まっている状況でした。
それだけに今シーズン、マクラーレンはエンジンを乗り変えたことで本当に改善出来るのか、ホンダは汚名を返上できるのかが大きな見どころとなっています。
そして、迎えた先月末からのプレシーズンテストですが、明暗がはっきりと分かれた印象です。
ホンダは4日間×2回のプレシーズンテストをほぼノートラブルで乗りきり、ロングディスタンスのテストに成功。
一方のマクラーレンは、毎日のようにマシントラブルを起こし、マシンをストップさせていました。
ただ、マクラーレンも一発のタイムに関しては良いものを出していましたので、まだ読み切れないところもあります。
歴史のあるマクラーレンは、中団勢力の中ではリソースに恵まれたチームでもあるはずから、ここから挽回してくる可能性もあるでしょう。
しかし、対マクラーレンという点を除いても、トロ・ロッソホンダは非常に順調なテストシーズンを過ごせたように思います。
この2チームは、セカンドグループの中でトップを目指す立ち位置となるはずです。
ここ数年のF1はメルセデスをトップにフェラーリとレッドブルが追う展開で、トップ3以下は差を付けられている状況です。
今年もその構図は変わらない模様ですが、中団争いは毎年混戦となっています。
テストでは好調でようやく上位浮上の可能性が見えてきたルノー、テストでは苦戦しているものの昨年は4位で終えたフォース・インディアなどがライバルとなります。
そして、テスト終盤に好タイムを出してきた、フェラーリからのバックアップを受けているアメリカンチームのハースが一気に浮上する可能性も出てきました。
一方で名門ウィリアムズやアルファロロメから支援を受けることになったザウバーは、テストでは一歩遅れを取っている印象です。
今年も中位争いが混戦となれば、ドライバーの能力も重要となってくるでしょう。
トロ・ロッソは昨年日本のスーパーフォーミュラで戦ったピエール・ガスリーと、ル・マンを制したブレンドン・ハートレイのコンビになりました。
どちらもF1での実績は浅いですが、トロ・ロッソで結果を残せれば姉妹チームであるレッドブルへの昇格が見えてきます。
これはホンダにも同じことが言えて、レッドブルもエンジン供給を受けているルノーとは友好的な関係を築けておらず、契約を解消する可能性が出ています。
そのため、来年にもレッドブルホンダが誕生するのではないかと言われています。
すでに内部では内定しているのではないかと思わなくもないですが、レッドブルとの関係を確実にするためにもホンダは大事な1年となります。
現状では好調と思われるトロ・ロッソホンダですが、実際にマシンを走らせるまではどうなるかわからないのがレースですし、長いシーズンですから現状の戦力図が変わっていく可能性もあるでしょう。
特に小規模チームのトロ・ロッソは予算面で苦しく、徐々に開発が遅れる可能性もあります。
とはいえ、まずは開幕に向けてよい準備が出来たということで、早めにリードを作っておきたいところなのかもしれません。
何よりも昨年のマクラーレンとは打って変わって雰囲気が良く、純粋にレースを楽しもうとするトロ・ロッソの前向きさが、日本のファンにも響くところがあるのではないでしょうか。
スーパーアグリなどもそうでしたが、小さくてもひたむきに頑張るチームは"レース屋"と呼ばれて愛される傾向がありますが、今回もそれに近いものを感じるように思います。
マクラーレンに比べると規模は小さく目標も低くなるかもしれませんが、その分地に足の着いた運営を期待できるのではないでしょうか。
今年もDAZNで中継がありますので、今から楽しみにしたいと思います。
DAZNは実況・解説の情報量などに関してはフジに劣るのかもしれませんが、気軽に見れるのがウリだと思います。
今年こそホンダにとって、前向きなシーズンになればと期待しています。