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真摯にサッカーに向き合うことが出来るか

 第3節を終了して未だ勝ち星のないジェフは、明日アウェイで徳島と対戦します。
 ここまでのジェフは味スタ、フクアリフクアリと首都圏での試合が続いていましたので、徳島戦が初めての遠方での試合となります。
 昨年はアウェイで苦労しましたし、コンディショニングなども注目ですね。



 徳島はロドリゲス監督が続投し、サッカーも継続した戦い方となっています。
 流動的に選手が動き回る、攻撃的なサッカーが特徴。
 ただ、パスサッカーと言っても、前節対戦した岐阜とは大きく狙いが異なります。


 攻撃時にはアンカーを中心に中盤中央に選手が集まって、相手を中央に寄せてから一気にサイドに展開したり。
 サイドで複数人が絡んだところから、相手の間やバイタルエリアへ繋いだり。
 また、サイド後方から斜めにドリブルで持ち上がって、相手を引き付けサイド前方へ供給したり。



 相手守備陣を一ヶ所に寄せておいてから、薄くなったエリアに展開するというのが、チームの意図なのではないかと思います。
 また、そこからスルーパスでFWを走らせたり、中盤後方からバイタルエリアに侵入してきた選手へ繋いだりと、走り込んで前を向いた状態の選手を作ることが最終的な狙いとなっている印象です。
 これらによって、自分たちの動きで相手を崩す"アクションサッカー"を構築しつつあるのだと思います。


 最終的な狙い(走り込んで前を向いた選手にパスを出す)も、そこまでの作り(相手を引き付けておいて薄いスペースを使う)も非常に明確。
 ゴールを狙う明確なイメージがチームとして共有できているからそこから逆算して攻撃を作れるし、ビルドアップの意図もハッキリしているから迷わずにプレーできる。
 それによって選手起用や補強なども狙いが明白だし、クラブ全体として一本筋が通っていることが今の徳島の強みではないでしょうか。



 ただ、ここまでの徳島は、1勝2敗と結果は出せていません。
 その要因として、渡の退団が考えられるのではないでしょうか。
 裏抜けの名手であった渡は、ロドリゲス監督のサッカーに非常に適していた選手だと思います。


 第1節の岡山戦と第3節の大宮戦ではG大阪からレンタルで加入した呉屋がスタメン出場していますが、まだ周りとの連携もあっておらず、決定機を外す場面も目立っていました。
 しかし、177cmながらもヘディングがうまく、足元の技術もしっかりしている選手ですので、ブレイクすれば面白い選手なのではないでしょうか。
 渡よりも攻撃のバリエーションが豊富なタイプなのではないかと感じますし、呉屋が形になれば徳島にとっても攻撃の幅が広がる可能性があると思います。



 また、相手チームにカウンターを警戒されていることも、苦戦の要因なのかもしれません。
 昨年はカウンターから複数人が絡んで素早く仕掛ける、一時期は流行語になりかけていた"コレクティブカウンター"が大きな武器だったと思います。
 しかし、昨年の徳島の活躍もあって相手に警戒されるようになり、特にサイドを中心に素早く戻ることで、徳島のカウンターを封じてきている印象があります。


 さらに、今季ここまではサイドからのクロスやCK時の守備に、苦しんでいるように感じます。
 第1節と第3節で3バックを実施しており、呉屋を起用する時は2トップでやりたいという意向が感じられますが、CBを3枚にしてクロス対応を強化したいという狙いもあるのかもしれません。
 攻撃作りに関しては順調に進んでいるように感じますが、守備面でどれだけ向上できるのかが注目でしょうか。



 とはいえ、前節は1-0で大宮に完封勝利を遂げていますし、昨年も総失点数は5位タイの少なさで、そこまで極端に守備が脆いチームでもないのかもしれません。
 守備に関しては、ジェフの方が不安の多い状況でしょう。
 特に水戸戦、岐阜戦での後半途中からの守備は、かなり厳しいものがあったと思います。


 あれだけ守備に戻れない、簡単に相手選手に前を向かれてしまう状況が続ければ、精神的に折れてチームが崩壊する恐れもあると思います。
 ただ、昨年から守備に不安があっただけに、ああいった状況に慣れている部分があるのかもしれません。
 その慣れによって短期的に見れば精神的に救われている面もあるかもしれませんが、長期的に見れば改善の見込みがあるのか心配になる状況でもあります。



 攻撃においても押し込んだ後の形が作れず、攻守に厳しい状況となっているジェフですが、そういった状況でも少しずつ勝点を稼ぐことは出来ると思います。
 J2はJ1などと違って戦力差がはっきりしており、ピラミッドが明確に形成されている印象です。
 そのため、J1のように意外なビッククラブが降格争いに加わる…なんてことも少ない状況です。


 ある程度は戦力差で勝ち点を拾えるでしょうし、コンディションや相性などによって勝てる試合も出てくると思います。
 昨年も徳島には2-0と1-0で勝ってますし、パスを繋いでくるため相性の良いチームだと思います。
 ただ、少しずつ勝点を稼げる程度でいいのか、安定して強いチームを目指せるのか、そもそも今季の目標や将来的なクラブのビジョンをどのように考えるのか…という疑問はあると思います。



 冷静に考えれば昨年課題を克服できなかったハイプレス・ハイラインに再挑戦するとなった時点で苦戦することは予測できたと思いますし、オフに選手も含めて楽観的な意見が多かったことに意外な印象を受けていました。
 日本は空気を読むことが重視されるだけに、普通に考えれば起こりうるであろう問題も軽視されて、問題が先送りされてしまったのでしょうか。
 最近はライトにサッカーを見ることが重視されている印象があり、ポジティブなことは良いことだとは思いますが、一方でピッチ上で起こっていることに真摯に向き合うことも同じくらい大事なことなのではないかと思います。


 だからこそ、熊谷などを筆頭に選手から改善の意欲を感じるコメントが出始めていることは、良いことなのかもしれません。
 もちろんサッカーは団体競技ですし、選手個々でやれることなど限られていると思いますが、それでも甘かった雰囲気が少しずつ改善されるのであれば歓迎したいところなのではないでしょうか。
 ここから3連戦ということで、どこまでチームに変化が生まれるのか。
 それが良い方向の変化なのか、注目していきたいですね。