立ち上がりは松本の出来が非常に悪く、その流れのままジェフが2点を先制。
しかし、前半のうちに1点を返されると、ギアを上げてきた松本を前に後半は3失点。
試合終盤は何もできずに終わってしまいました。
前半途中からは先に2点を奪ったこともあり、相手の緩い空気に合わせてしまった印象もあり、そこから1失点を奪われたのも痛かったでしょう。
また、前半のうちにもう1つあった決定機を決めきれなかったことも、大きかったとは思います。
とはいえ、後半だけで3失点という結果を見ても、そういった流れだけの問題とは言えないと思います。
前半のジェフが良く見えたのは、松本の出来が悪かったこともあってのことだろうと思います。
松本としては後半に勝負をかけるプランだったのかもしれませんが、それにしても前半の入りが悪かったということなのではないでしょうか。
■先に2点を先制するも1点を返される前半
ジェフは、怪我から茶島が復帰し右SBで出場。
矢田がボランチでスタメン復帰し、勇人がベンチに。
控えにはエベルトと清武が外れて、ゲリアとサリーナスが入りました。
松本は岩間が出場停止で、浦田がスタメン出場。
怪我からセルジーニョが復帰し、控えに入っています。
前節までの流れのまま、1トップに永井、2シャドーに前田大然と前田直輝が入りました。
10分、ジェフが早くも先制。
右サイドでの船山の仕掛けで得たFKを、矢田が蹴り中央へ送ります。
ニアで永井がクリアしようとしたところ、シュート性のボールになりオウンゴール。
松本は前節大分戦と同じように、ある程度ジェフにボールを持たせてカウンターを狙う戦い方。
引いて守って、1トップ2シャドーが広範囲を追いかける形でした。
しかし、2シャドーの守備が中途半端でジェフのSBが空きがちになり、ジェフはそこから攻め込める展開に。
22分には松本の攻撃。
右サイドからのCKを岩上が蹴ると、永井がニアであわせますが、GKロドリゲスの正面。
しかし、その前でゴール前のファールがあったようです。
25分、ジェフが追加点。
左サイドで高木がボールを奪ったところから、高木が仕掛けてタッチライン際で粘ってセンタリング。
こぼれ球を拾った船山がミドルシュートを放つと、ブラインドになっていたのかGK守田が反応できず2-0に。
松本はコンディションも悪かったのか、選手1人1人の寄せが甘くジェフペースに。
それでも30分過ぎからは、松本がボールを持つ時間も増えていきました。
しかし、松本は守備でボールの奪いどころがハッキリせず、流れを掴みきれていなかったように思います。
38分にも松本の不用意なプレーから、ジェフの決定機。
ジェフが右サイド奥でチェックに行き、松本がゴール前のDFへ繋いだところを、ラリベイと指宿が囲ってボールを奪います。
指宿が至近距離でシュートを放ちますが、守田がファインセーブ。
松本のピリッとしないプレーが続きますが、43分に松本が1点を返します。
中盤左サイドで得たFKを岩上が蹴ると、増嶋が対応しようとジャンプしますが、ボールに触りきれず。
そのままゴールマウスに吸い込まれます。
その直後にも松本の決定機。
増嶋のクリアミスを永井が右サイドで拾ったところから、縦に仕掛けてセンタリング。
これをフリーになった藤田が、頭で合わせますがバーの上。
前半終盤はジェフの甘い守備も目立ち、1-2でなんとか折り返します。
■後半から3失点して逆転負け
後半開始直後、ジェフのカウンターからチャンス。
後方からのボールをラリベイが収めようとしたところを相手に奪われますが、船山が拾い返して裏へのスルーパス。
指宿が飛び出して1人をかわしてシュートを放ちますが、GK守田がセーブ。
しかし、57分、松本が同点ゴール。
中盤で藤田が指宿からボールを奪ったところから、裏へのスルーパス。
これを前田大然がうまく引き出し、そのまま持ち込んで切り返してゴール。
さらに60分、ジェフのミスから失点。
GKからDFに繋ごうとしたところ、相手にプレスをかけられてGKに戻します。
そこから前田直輝がカットして、そのままゴール。
失点直後、ジェフは為田に代えて乾を投入
65分、松本のチャンス。
左サイドからのCKを岩上が蹴ると、ニアの永井がフリーでヘディングシュートを放ちましたが枠の外。
67分、ジェフは茶島に代えてゲリアを投入。
68分、松本は永井に代えて高崎を投入。
75分には足を痛めた船山に代えてサリーナスを投入し、そのまま右SHに入りました。
79分、松本が4点目。
右サイドからのFKを岩上が蹴ると、ファーに流れてパウリーニョが合わせてゴール。
パウリーニョのマーカーだったゲリアが、前を取られてしまいました。
84分、松本は岩上に代えて田中隼磨を投入。
後半ATには、松本が前田大然に代えて工藤を投入。
試合終盤は、松本も無理には追わない守り方に変更。
ジェフは終盤も攻撃の手立てを作れず、そのまま2-4で逆転負けとなりました。
■松本の修正に苦戦し逆転負け
まずは試合序盤の出来が悪かった松本に関して。
松本は1トップ2シャドーでプレスにいくも中途半端でプレスがハマらず、ジェフはそこ掻い潜ることが出来ていました。
3-4-2-1で1トップ2シャドーが前に出てプレスをかけるということは、残りのサイドは1枚になる。
一方のジェフは、SBとSHでサイドを攻めるためサイドで数的優位に。
そこから攻め込むことができ、リードが作れた前半だったと思います。
特に茶島のところから、攻め込んでチャンスを作っていきました。
しかし、松本は前半途中からシャドーがサイドの守備に間に合わなければ、松本のWBが前に出てSBをチェックし、CBがスライドしてSHを見る形になりました。
これによって、若干の修正がなされていった印象です。
さらに後半から松本は、より積極的に前にプレスをかけてきました。
ジェフはビルドアップ時に熊谷が下がって、ボランチが1枚になる3-5-2のような状況になります。
そこに松本は1トップ2シャドーで3バックへプレスをかけるだけでなく、残った1ボランチの矢田にパウリーニョがチェックに行くことによって、数的同数でプレスに来るようになりました。
積極的にプレスに来られると、バタバタしはじめるジェフのビルドアップ。
さらに松本は後半から、最終ラインも積極的に上げてきた印象でした。
これによってジェフのSBを吸収すれば、SHとSBのポジションが被ることになり、サイドでの数的優位のメリットが薄れることになります。
また、パウリーニョは守備時に前寄りの位置取りをしはじめたことによって、攻撃時にも中盤の高い位置でポイントを作り始めていました。
そこからボールを奪って裏へのカウンターという形で、攻撃を作っていきます。
2点目の藤田のボール奪取から裏へのスルーパスなどは、ジェフ攻略としては理想的な形だったのかもしれません。
ジェフは前半からCBが極端に引いて、GKとパスを繋ぐ形を取ってきました。
これまでにもこの形をやってきてはいましたが、ここまで徹底してやるのは久々だったのではないでしょうか。
松本は1トップ2シャドーが広範囲を追ってくるスタイルなので、後方で相手の前3人を引き出して中盤へ繋ぐという狙いだったのではないかと思います。
それが序盤はうまくいっていた試合だったと思います。
しかし、3失点目はそこでボールを奪われて失点してしまったように、相手が中途半端に追ってくる分には対応できても、ハイプレスをかけられるとそこを掻い潜るだけのビルドアップが作れない。
それが大きな課題ということになるのでしょう。
2点を先行できたとはいえ、後半からは力の差を感じた試合だったように思います。
攻撃面においても、相手の出来が悪かった序盤にこそチャンスが作れましたが、それ以降は大きく失速。
相手に隙もあった展開だっただけにモノにしたかった試合でしたが、終わってみればかなり厳しい結果となってしまいました。