金沢戦でのジェフの3ゴールは、すべてセットプレーからによるものでした。
この3つのセットプレーでプレースキックを担当したのが、船山ということになります。
どのゴールでも船山が、良いボールをゴール前に供給しています。
1点目は左サイドで得たCKを船山が蹴り、ニアで増嶋がうまく競り合って、ファーにボールが渡ります。
ニアで一度競り合ったことによって金沢の守備陣が全体的に釣り出されて、ファーのラリベイが完全にフリーになりました。
それをしっかりとラリベイが合わせて、ゴールが生まれたことになります。
金沢戦でのジェフは、12分に先制されて20分頃にシステムを変更。
そこからはボールを持つ時間が長かったものの、金沢にボールを持たされているような印象もあり、チャンスらしいチャンスは作れていませんでした。
それだけに、前半終了間際に決まったこのゴールは大きかったと思います。
2点目は左サイドで得たFKを船山が蹴って、エベルトがニアで決めたもの。
エベルトの高さを活かした迫力あるゴールですが、エベルトの前へ増嶋が走り出したことによって、相手守備陣が分散されています。
船山のボールも良かったですが、この場面ではエベルトをフリーにしてしまった金沢の守備にも問題があったと思います。
さらに3点目、今度は右サイドからのCKを船山が蹴って、増嶋がニアで競り勝ちゴールを決めています。
この場面では増嶋がニアに出る前に、真希が相手DFをブロックしたことによって、増嶋へのマークが若干遅れました。
また、増嶋も3ゴールすべてに絡んでいたことになりますが、マーカーはボランチの大橋で空中戦では分が悪かったようにも思います。
昨シーズンまではプレースキックの質ももう1つといった印象だった船山ですが、今季は良いボールを供給できているように思います。
船山の大きな課題でもあった決定力も、ここまでのところは改善されている印象です。
問題は決定力もプレースキックの質も継続できるかどうかではありますが、少なくとも現状では頼りになる存在と言えるのではないでしょうか。
今年は守備面での貢献度も高く、守備に不安がある選手が多いジェフの中で、奮闘しているように思います。
ただ、金沢の3失点目では左SBの沼田がボランチとの1-2で抜け出しクロスを上げていますが、右SHに移っていた船山が沼田を追えずにフリーにしたところからやられています。
気温の高い中での試合で疲れもあったのでしょうが、2失点目の直後ということもあって、あそこはしっかりと守備を引き締めてほしいところだったと思います。
船山がジェフに加入して3年目ですが、なんだかんだで攻撃面は最終的に船山が引っ張っていることが多いように思います。
それだけ船山が優秀な選手であるとも言えるでしょうし、フルシーズンで波が少なく戦えるタフな選手であるところも大きいのでしょう。
ただ、船山を超える選手や共に引っ張ってくれる選手がいないとも言えるのかもしれませんし、負担が多くなりがちなところもあるようにも思います。
また、昨年もジェフはシーズン序盤からチーム状況が安定しませんでしたが、夏頃には清武のプレースキックから得点を増やして、勝点も稼いでいったところがあります。
流れからの攻撃に課題があるだけに、プレースキックからの得点は重要なポイントだと言えるのでしょう。
特に今年の夏は暑くなっていますので、試合の流れに関係のないセットプレーが鍵を握る試合が増えてくるかもしれませんから、船山を中心としたプレースキッカーの存在もポイントとなってくるかもしれませんね。