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監督交代の可能性と讃岐戦に向けて

 シーズン折り返しを過ぎてもチーム状況が改善されず、監督を交代すべきという意見も多くなっているようです。
 ただ、個人的には1年前から、エスナイデル監督への印象は大きく変わっていません。
 プレスやビルドアップにおける最低限の約束事が作れていない課題は変わらず、そこが作れなければ如何にモチベータータイプでもチョイス型の監督でも苦労するだろうと思います。


 実際、昨年8月からは1勝2分5敗の時期があり、今年も開幕戦から1分3敗でスタートしています。
 そこから戦い方や選手を"変えること"によって何とかやりくりをしてきましたが、それまでの課題を解決したわけでも、チームの本筋を成長させてきたわけでもなかったはずです。
 応急処置で乗り切っていた印象で、本質的には勝ててない時と状況は変わっていないと思います。



 それだけに今になって「チームに根本的な問題がある」という話をするのは遅過ぎると私は思いますし、今すぐに解任すべきとも思いません。
 シーズン中に監督を交代するとチームの評価や分析も有耶無耶になってしまう恐れがあるし、この状態でバトンを渡された監督も苦労する可能性がある。
 余計にコストもかかってしまうし、デメリットも多いと思います。


 ただ、一方で一部で言われている、アカデミーもスペイン路線だから解任はしにくいという考えはどうなのでしょう。
 私は当初から実績のないエスナイデル監督とアカデミーの路線をセットでやっていくリスクに関して不安を感じていましたし、こういった状況になることは十分に考えられたこと。
 エスナイデル監督を解任したらスペイン路線を続けられないというのであれば、遅かれ早かれその方向性は続いていかないでしょう。



 そのあたりの話になると、そもそもとして確固たる意志があって、スペイン路線を目指したのかという問題に繋がっていくでしょう。
 なぜスペインなのか、なぜエスナイデル監督なのかといったクラブビジョンに関する明確な説明は、未だにフロントから聞こえてきていない印象です。
 オシム監督もW杯に関する記事で「他国を過剰に憧れないように」と話していますが、ジェフもスペインという名前だけで選んでしまったところがあったのでしょうか。


 スペインにこだわる明確な理由があるのなら「次のスペイン人監督で」となるかもしれないし、他に何かしらのポリシーがあってエスナイデル監督にしたのであればそのポリシーを貫くべきと思うわけですが、肝心のポリシーが伝わってこないだけに外からは何とも言えないところがあります。
 しかし、実際問題として例えばスペイン方面への有力なコネクションなどがあれば良いのでしょうが、そういった話も聞こえてきません。
 スペイン路線を目指すにしても単なる憧れだけでは確固たるものを確立するのは難しいでしょうし、現状におけるクラブのリソースをしっかりと分析した上で、クラブの未来を考えていかなければいけないはずです。



 ちょうど先日高橋GMとサポーター連絡協議会で話し合いがあったようで、サポ連が議事録をあげてくれていますが、思ったよりも現場の話が多く私の期待したビジョンの話などは少なかったようです。
 強いて言えば「アグレッシブに攻守に主導権を握るスタイルとしたい」と話している点ですが、それだけではエスナイデル監督を選んだ理由としては弱いでしょう。
 また、以前から話しているように、関塚監督の例を挙げるまでもなく、ただ継続するだけでは意味がなく"良い継続性"を築き上げなければ右肩下がりで終る可能性もあり、現状のように基礎も作れていない状況では高橋GMの言う「スタイルの構築」も夢物語で終ってしまいます。


 高橋GMは「スタイルを貫くこと」に関して何度も話していますが、そのスタイルが正しいのかどうか、クラブにとって良いものなのかに関しては触れていません。
 何よりも大事なのはクラブが良い方向に進むことであり、そのためのスタイルの構築だと思うのですが、議事録を読むと「ともかくスタイルを構築したい」といった印象を感じ、手段が目的化しているようにも見えてしまいます。
 もっとも高橋GMはユースのスペイン化やエスナイデル監督中心のチーム構成も含めて、自ら後のない状況に追い詰めてきたようにも感じますので、エスナイデル監督体制で成功するしかないため、このような話をしているのかもしれませんが。



 シーズン中の監督交代はなるべく避けるべきだろうと思いますが、実際問題としてチームが完全に崩壊した場合はやむを得ないのでしょう。
 勝てない状況が続いて、J3降格なども見えてきたら。
 あるいは、選手への求心力を完全に失った場合などは、監督交代も仕方ないと思います。


 しかし、そうなった場合でもクラブの将来を考えた上で、実行すべきだと思います。
 どんな状況でも「短期間での昇格を目指すため」という考えは賢いやり方ではなく、現在の順位などを考えれば監督交代となっても今年の昇格以上に来年以降を見据えるべきだと思います。
 来年以降を考えた上で今年は我慢して監督を継続し、オフに作り直した方が良いという考え方も十分にあり得るでしょうし、こうなった以上はサポーターも含めてどこかで我慢をしなければいけないのではないでしょうか。
 


 さて、改めてジェフの現状を振り返ると、7月に入ってから2連敗を喫し8勝2分11敗で勝点28の16位。
 今季のJ2は飛び抜けたチームがおらず、首位が松本の勝点41、PO圏内の6位横浜FCが勝点39、降格圏の21位讃岐が勝点18となっています。
 ジェフはPO圏内からも遠くなっていますが、降格圏にはまださすがに余裕がある状況と言えるのかもしれません。
 ただ、夏の移籍市場で補強をしたクラブもあるし、シーズンを折り返して相手チーム対策も厳しくなってくるはずですから、ここからよりシビアな戦いになる可能性もあるでしょう。


 また、ここ2試合のジェフは大宮に1-3で敗れ、金沢に3-4で敗れと、大量失点が続いています。
 さらにその途中にあった天皇杯神戸戦も、相手がJ1だったとはいえ1-6の大敗。
 しかも、この3試合は得意のホームだったにもかかわらず、結果的に公式戦3連敗となってしまいました。



 明日は苦手なアウェイで讃岐と対戦。
 ただ、讃岐も状況はかなり厳しく、現在は4勝6分13敗の21位。
 J3自動降格圏にいる状況で、さらにここ2戦は2連敗となっています。


 讃岐も守備面が大きな問題となっており、前々節水戸戦では0-5で敗れ、前節福岡戦でも1-3で負けています。
 ベテランが多くなっているためか、コンディショニングも厳しい状況のように見えました。
 ここ2試合はアウェイだった影響もあるかもしれませんし、ホームに戻ってどこまで走れるかが、まずはポイントとなるのではないでしょうか。



 ここ2試合の讃岐は前からプレスに行けず、そこから守備で後手に回っていた印象です。
 局面での寄せも甘く、簡単にフリーな選手を作ってしまった。
 カウンターには鋭さもあるだけに、今はともかく守備面での改善が求められているように思います。


 ジェフにとって讃岐は前回対戦時に6-1で大勝し、今季初勝利をあげたチームとなります。
 ジェフは守備に課題があるチームには強く、特に前からプレスに行けずにズルズルと下がってしまうチームには相性が良い印象があります。
 昨年もジェフは、讃岐相手に1勝1分と結果を残していますし、比較的やりやすい相手と言えるのかもしれません。



 ジェフとしてはこれ以上の連敗は避けなければいけないところですし、アウェイではあるものの勝ちにいきたい試合となるでしょう。
 しかも、ここからのJ2は、連戦ということにもなります。
 ズルズルと行かないためにも、連戦の初戦が非常に大事な試合となっていくのではないでしょうか。


 チームとしては1試合1試合、集中してやっていくしかないと思います。
 その先に何かが見つかって、将来に残せるものが作れるかどうか。
 もちろん逆にクラブとして後退する可能性もあり得なくないわけですが、その中でも現状でのベストを尽くしていくしかないと思います。