横浜FMからレンタル移籍している下平が、東京V戦でゴールを決めました。
公式戦での下平のゴールは、2016年6月の大宮戦以来ということで2年ぶり。
プロ入り後、リーグ戦通算で7ゴール目となるそうです。
得点シーンを振り返ると、後方の熊谷から前線へのロングパスを船山が落として、勇人、指宿と繋ぎます。
そこから為田が仕掛けてセンタリングを上げ、ファーで指宿が競り合います。
これを井林が頭で跳ね返そうとしますが、クリアしきれずこぼれたところを下平がつめて、左足で決めて先制。
井林のクリアミスとも言えなくもない気もしますが、下平がしっかりとつめていたからこそ決まったゴールだと思います。
ゴールシーンに関して、下平はこのように話しています。
オーバーラップした時点で自分に(ボールが)出てこないのは分かっていたので、折り返しのボールに入っていければと思っていた。良いクロスが入ったので、もしかしたらこぼれてくるかと中に入っていった。
為田はパスをくれないだろうと思った…ということなのかもしれないですが、クレバーな動きだったと思います。
今夏加入した下平は、東京V戦でジェフ加入後3試合目の出場となります。
いきなりスタメン出場した町田戦では、DFライン裏へラリベイを走らせるボールを供給。
東京V戦でも、38分にアーリークロスを指宿に展開しています。
また、タイミングの良いオーバーラップを見せ、周りとの連携から飛び出すタイプなのかなと思います。
前線への配球に関しても視野が広く、優しいボールを供給できる選手といった印象です。
一方で水戸戦や東京V戦の後半のように、相手が守備で警戒されると厳しく、自分で打開していくタイプではないようにも思います。
東京V戦に関して下平は「前節までの試合よりはロングボールが減った」と話していますが、前半は前線へのロングパスとクロスが多かったですし、少し意外な感想ではないかと思います。
確かに後半は後方を中心にボールを回す時間が長かったですが、これは相手がボールを持たせていたからでしょう。
東京Vのプレスが、町田や水戸ほど厳しくなかったからだと思います。
東京Vは1トップのドウグラスがプレスに積極的ではなく、ジェフのDFを追いかける枚数も少なかった。
前半途中から熊谷をマークしていた右インサイドの佐藤優平が、前に飛び出す形で近藤を追いかける場面も見られるようになりました。
しかし、それでもがっつりとプレスをはめるような形ではなかったし後半からは引いて守る時間の方が長かったため、結果的に過去2試合よりボールを持てたのではないかと思います。
それでも下平のロングフィードには可能性を感じますが、一方で守備に関してはここまで失点に絡むことが多い状況となっています。
町田戦でも対面の平戸に苦戦して2失点目は目の前で反転してシュートを決められていますし、東京V戦でも1失点目には佐藤優平についていけずに前を取られてやられています。
いずれも下平だけの問題ではないですし、試合勘やコンディションの問題もあったのかもしれませんが、その他の場面でも左サイドを攻略されることが少なくない印象です。
細かなスペースの消し方や寄せの上手さがさすがベテランといった印象で、乾を上回ってるようにも思います。
しかし、一対一に強く1人で跳ね返せるようなタイプではないだけに、ここまでのところゴール前では苦戦している印象もあります。
選手を変えても状況は大きく変わっていない印象ですし、現在の守備の問題は個々の対応以上に、組織としての課題の方が大きいと思います。
連携面も徐々に向上していく可能性はあると思いますし、左足でのロングキックはうまく使えればキムのような形にもなるのかもしれません。
ただ、東京V戦では工藤が早くも外れているように、個々の能力をうまく使いこなせるかどうかはチーム次第というところも大きいでしょう。
守備の問題においても下平を獲得して終わりではなく、チームとして改善していかなければいけないのではないかと思います。