ジェフは山口戦、岡山戦とアウェイで2連勝を達成。
12勝5分15敗となり、これで順位も13位にまで浮上しました。
ちなみにジェフが13位まで上がったのは第21節大宮戦以来で、今季まだ一度も一桁順位に立っていません。
現在のジェフはコンディションも上がってきている印象ですが、大きく改善されたのは守備でしょう。
無理に前には追いかけず、4×4を中心にスペースを作らない。
そこからタイトに守ることによって、守備から試合の流れを掴んでいる印象です。
一方で攻撃に関しては、あまり変わっていない印象です。
山口戦こそ4-0で勝利していますが、相手の守備にも問題があった印象で、岡山戦では2ゴールを上げたものの、それ以外の決定機は少なかった。
それでもセカンドボールを拾うことでペースを握り、相手を押し込めたと言えるのではないでしょうか。
エスナイデル監督の本来やりたいサッカーとは違うと思いますし、昨年同様にシーズン終盤に入って守備的な方向に妥協したのではないかと思います。
昨年も11月の町田戦では色気を見せて、試合中に1ボランチを試すもうまくいかず、再びダブルボランチに戻した試合がありました。
それだけにこの戦い方をどこまで継続するのか、継続したとして積み重ねを築けるのかが注目ではないでしょうか。
岡山、山口とJ2中位のチームに勝利したジェフですが、ここからは福岡、横浜FCとPO圏内のチームと対戦します。
ホームという追い風もありますが、この2試合でどこまでやれるかが、真価を問われるところとなるのでしょう。
まずは現在15勝8敗8分で6位に立つ福岡との対戦です。
福岡はシーズン序盤こそ若干の躓きがあったものの、4月からは調子を上げてPO圏内を争う位置をキープしています。
特に注目は失点数で、現在の総失点数28はJ2最少となっています。
ジェフの総失点数は59ですから、実に半分以下の数字ということになります。
シーズン途中までの福岡は、4バックと3バックを使い分けていましたが、ここ最近は4バックで固定。
コンパクトに守りつつ、粘り強い守備を構築することで堅守を築き上げている印象です。
コンパクトな守備というと理想が先行して無理が生じることもありますが、井原監督が長く指揮を執っていることもあってか、無理なくやれているように思います。
この夏にはFC東京からCB吉本、柏からSB古賀を獲得し、共にレギュラーポジションを獲得。
これによって、最終ラインがより堅くなった印象があります。
吉本の安定感のあるプレーだけでなく、若い古賀のスピードと体格を活かしたプレーは、福岡に適しているのではないでしょうか。
また、岐阜で活躍したレオ・ミネイロもシーズン中に補強。
ここまでは主にスーパーサブとして2ゴールを上げており、前線の選択肢が増えた印象です。
そして、前節横浜FC戦ではスタメン出場も果たしました。
今季はウェリントンが神戸に移籍したこともあって、昨年まで以上にショートパスを繋ぐ展開を狙っているようです。
シーズン序盤はパスを繋いでも最終的には裏への長いボールが多かったようにも思いますが、徐々に積み重ねが出来ているのではないでしょうか。
特にサイド後方からの縦パスをFWやSHが受けて、他の選手が受ける展開が1つの狙いではないかと思います。
しかし、それでも総得点数は41と少なく、攻撃面が課題となっていることには変わりない模様です。
8月からはドゥドゥを右サイドにまわすなど、試行錯誤を続けているようです。
森本の負傷もあって前線に戻していましたが、前節横浜FC戦ではレオミネイロをFWで起用し、ドゥドゥを右サイドで使っています。
なお、前節横浜FC戦は延期分で水曜に開催されており、0-0の引き分けに終わりました。
スコアレスドローではありましたが、どちらも上位を伺うチームということもあって激しい試合となり、ジェフ戦に向けての消耗も気になるところです。
なお、福岡は累積警告でCB篠原がジェフ戦を欠場となり、CB岩下も負傷中のようです。
現在の福岡は勝点7差で、自動昇格圏内の松本を追っている状況となります。
まだ自動昇格も狙える位置ではないかと思いますが、そのためにも得点面を向上できるかがポイントとなるのかもしれません。
特に今年はプレーオフでJ2のチームに勝つだけではなく、J1の16位を打ち負かさなければ昇格できないので、自動昇格の価値が高まっているのではないかと思います。
一方のジェフは、この2連勝で降格圏内の21位熊本とは勝点15差となり、さすがに降格はなくなったのではないかと思います。
しかし、PO圏内の6位福岡との勝点差も12となっており、簡単ではない状況と言えるでしょう。
ここで2連勝を遂げたことで昨年のようなシーズン終盤の追い上げも思い出されますが、まずは負け越している成績をイーブンに戻すことからではないかと思います。
昨年終盤も上位との差が開いたことで、プレッシャーなく戦えたことが大きかったと思いますし、まずは一試合一試合に集中することが大事だと思います。
特に今シーズンはここまでいいところがほとんどなかったわけで、最後くらいは良い形で終りたいところではないでしょうか。