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エスナイデル監督「多くの場合は守備側が勝つ」

 エスナイデル監督の横浜FC後のコメントですが、簡単にまとめると攻守に分かれた練習では、いつも攻撃側の人数を多くしてる。
 しかし、それでも多くの場合は守備側が勝つ。
 だから、守備側は簡単で攻撃側は難しいわけで、私たちは難しいことに挑戦しているんだということのようです。


 このあたりは、直接読んでいただいた方が良いかもしれません。
 ジェフのHPは未だに「引用禁止」という時代遅れなことが書かれているので、一応それに則って引用はしない方針にしています。
 その分、間違った伝わり方がする危険性もあると思うのですが、それでも「引用禁止」の一文が外れないというのは、フロントの頭が固いということなのでしょうか。



 エスナイデル監督の言わんとしないことはわからなくもないのですが、まず気になるのが「練習ではいつも攻撃側の人数を多くしてる」ということ。
 試合中にうまく動いて数的優位を作れるのであればそういった練習も有効なのかもしれませんが、むしろジェフは後方やサイドに人数を割くことが多く、中央やゴール前などでは人数が足りないことも多い。
 カウンターの練習なら攻撃側を多く配置しても良いとは思うのですが、ジェフは遅攻に課題を抱えている印象ですし、「いつも攻撃側の人数が多くなる」ことなど期待できないないわけで、有効な攻撃の練習が出来ているのか不安になります。


 さらに、攻撃側に人数を多く割いても「多くの場合は守備側が勝つ」ようで、それもそれで大きな問題なのではないでしょうか。
 数的優位を作れても攻撃側が勝てていないということになるわけで、その時点で攻撃側の質はどうなっているのだろう…と思ってしまいます。
 さらに守備においては失点も多く課題も目立つ状況となってますが、その守備も攻略できていないことになるのでしょうか。



 また、横浜FC戦に関して「外からも中からも攻撃した」と話していますが、「中から」とはどういったケースを示しているのかも気になるところです。
 少なくともうまく中央でゴール前へと侵入できたケースはほぼなかったと思うのですが、ミドルシュートなどが2,3本あったことに関してを話しているのか。
 それだけで、「中から」の攻撃が足りているという判断なのでしょうか。


 実際にはこの試合に限らず中央からの攻撃が少ない印象で、Football LABの分析によると左右からの攻撃は53なのに対して、中央からの攻撃は35にとどまっているようです。
 中央からの形がないため攻撃のバリエーションが少なく、結果的にサイド攻撃も相手に読まれて対策も取られやすい状況になっているのではないでしょうか。
 横浜FC戦も中盤は3枚で中央が薄くなりがちだったと思いますが、そこをうまく突くような場面はほとんどなかったと思います。



 確かに横浜FCは、守備的な戦い方をしてきた印象でした。
 とはいえ、昨日も話した通り、その守り方は緻密でしっかりと対策が練られたものでした。
 決して徹底的に引いてスペースだけを守るような形ではなく、考えぬかれたジェフ対策を取ってきた印象で、そういった守備を「簡単」というのはどうなのかなと思います。


 例えばジェフの攻撃が非常に高度で、緻密で、連携も取れていて、内容の濃いものなのであれば、胸を張ることも出来るかもしれません。
 しかし、残念ながら実際の試合では、サイドからのクロスとセットプレーからの単調な攻撃ばかりだったと思います。
 あの試合内容で、こちらの方が難しいことに挑戦しているんだと言えるのかどうか。


 攻撃的なサッカーに挑戦することに関しては悪いことではないとは思いますし、引いた相手に苦戦したことに関しても仕方のない部分もあるかもしれません。
 ただ、その引いた相手をどう攻略するのか、明確な狙いや対策が見えてこないのであれば、苦戦しても当然と言えるのではないでしょうか。
 しかも、その状況が約2年間続いており、チームとしての成長や工夫が感じられないというのが大きな問題だと思います。



 まぁ、エスナイデル監督も余裕がなくなっているということなのかもしれません。
 もともと理論派な監督ではないので、試合に関する具体的な分析などは、コメントからも出てこない傾向にはありますが。
 それにしてもうまくいっていない苛立ちを、他の部分に当たっているように感じなくもありません。


 エスナイデル監督も"気持ち"重視な方なので、色々なものがうまくはまれば爆発するところがあるチームになっているのかもしれません。
 しかし、チームの基礎としてあるべき理論が整備できないだけに、チームがはまる条件が非常に厳しく、現在ははまる試合も少なくなっているのかなといった印象です。
 気持ちや勢いだけで戦うことへの限界が、見えてきているのではないでしょうか。