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船山「歯車が合えば行けるという甘い考えがあった」

 ジェフの公式サイトの有料ページ内にある船山のインタビューが、今回は無料で見られるようになっています。
 素直に発言されている印象で、面白い内容になっています。
 私の見間違いでなければ当初は1ページ目しか無料公開されていなかったと思うのですが、1ページ目の内容だけだときつめな印象も残るので、あえて2ページ目以降も無料で公開したということでしょうか。



 個人的には1ページ目の内容が気になったので、そこを中心に取り上げたいと思います。
 こちらも昨日と同様に引用は控えますので、適当に船山の発言をまとめると、まず「ここを決めれば…」という試合内容なら、改善は出来る。
 しかし、何もない状態で負けたら、何もないまま終わるだけ。


 そして、「負けても納得できる試合」をすることが、重要であると話しています。
 話の流れからして、今年は船山のいう「負けても納得できる試合」を出来ないことが、少なくなかったということではないでしょうか。
 それを感じていたのが、7月末の甲府戦だったそうですので、既にその段階でそういった感想の試合があったということなのでしょう。



 ハッキリと話してくれる船山らしい発言だと思います。
 残念ながらエスナイデル監督などは決定力不足で片づけることも少なくないですが、実際には決定力を問うまでにもいかない試合が多かったと思います。
 「内容が重要である」という言葉で伝えると「結果」と対比して有耶無耶にされてしまうことも多いですが、船山がこうやって素直に語ってくれると説得力も増すと思います。


 続いて、「まだ行けるだろう」という意見はあって、船山自身もそう思っていたと話しています。
 そして、「チームにも自分にも、歯車が合えばいけるだろうという甘い考えがあった」とのことです。
 昨年終盤に巻き返した経験もあるので、そう思ってしまったところがあったということのようです。



 ただ、あのサッカーをするには、引いて守る形に大きくシフトしなければいけなかったはずです。
 けれども、今季当初はまた1ボランチに戻して、ハイプレス・ハイラインにチャレンジしようという監督の意思を感じました。
 そこからまた引いて守る形に変えるというのは大きな変化が必要であって、自然と「歯車が合う」ということは期待できなかったと思います。


 それだけに、楽観視した空気があったのであれば、非常に残念としか言いようがないと思います。
 しかし、選手などから随分と前向きなコメントが多いな…とも感じていたのですが、それもそういう心理が働いていたからなのかもしれません。
 あえてネガティブなことは言わないのかなとすら思っていましたが、そうではなくただただ甘かったというのが実際のところでしょうか。



 こういった傾向は、サポーターにも感じられたのではないかと思います。
 以前にもシーズン終盤に巻き返してオフに気持ちが緩んだ翌年は苦戦することが多いと話しましたが、今回にそうなってしまったという印象です。
 「シーズン終盤に巻き返した」ということは、そこまでのシーズンはうまく行っていなかったことが多いわけで、帳尻合わせに満足してはいけないということだと思います。


 なぜこういった甘さが感じられるのかを考えると、やはりメンタル面が大きいのでしょうか。
 船山もインタビューの3ページ目で、9月1日の山口戦は良かった。
 それを継続でいないのはメンタルが弱いからで、1点取られると落ち込んでしまうことが多いと話しています。



 しかし、単純にメンタルと言ってもいろいろなケースが考えられるわけで、そういったメンタルとは少し違うのではないかと思わなくもありません。
 確かに山口戦では失点しませんでしたが、そもそもとして試合の入りから守備的な構成にして、戦い方を変えたことが好転した要因だったと思います。
 「失点するとすぐ落ち込むから」という部分とは、繋がって来ないところがあると思います。


 それよりも個人的には自発的にチームを引っ張っていこうという意志だったり、先ほど述べた「歯車が合えば…」といった甘さだったりといった点の方が問題ではないかと思います。
 極端に言えば強い意識を持って周りとケンカをしてでも、チームをより良いものに持っていこうとする意欲があるのか。
 そういった自分がチームを変えていくんだといった、メンタル面での強さが足りていないのではないでしょうか。



 去年ほぼ1年間やってダメだったハイプレス・ハイラインをもう一度やろうとした時点で、もっと違う声が出てきても良かったのではないかと思います。
 しかも、開幕からそれで結果も出なかったわけですから、その時点で何かを変えようという選手たちの意見が出てきてほしかった。
 もちろん監督に反発すれば出番がなくなるかもしれないわけですが、選手達だってプロなわけですから結果を残せなければ来年残れないかもしれない。


 そういった意味でのメンタル的な甘さを感じる部分もある気がします。
 日本人らしく事勿れ主義ということなのか。
 それともジェフにはおとなしい選手が多いので、自分から意見を発するということが出来なかったのでしょうか。



 また、今のジェフは技術力や個人技のある中堅選手が中心となっている印象がありますが、一方で主軸として長くプレーした経験のある選手はあまり多くない。
 そのため、まずは自分が良いプレーをするのが精一杯で、チームを引っ張るという点で物足りない部分もあるのかもしれません。
 結果的に選手達からチームを改善しようという流れには、ならなかったのかもしれません。


 そんな中で船山が「甘い考えがあった」と指摘してくれたことは、良かったのではないかと思います。
 しかし、厳しい話をすれば、あとから「甘かった」というのではダメだと思います。
 今までも「甘さがあった」と過去形で指摘してきたジェフの選手は少なくないですが、甘いと感じた時点で周りを叱咤できるようならなければ、意味はないと思います。


 現段階で「チームに甘さがあった」と指摘してももうシーズンは終盤戦で、取り戻せるものは少ないと思います。
 船山も本来は周りを引っ張るタイプではないのかもしれませんし、船山だけの問題でもないとは思います。
 しかし、チーム全体として馴れ合いで終るのではなく、厳しく指摘し合えるようになっていかなければいけないのではないでしょうか。