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エスナイデル監督「もうひとつツールが増えた」

 徳島戦で極端なハイプレスをかけず、ある程度ブロックを作ってボールが来てからプレスをかけていく戦いを披露したジェフ。
 これに関してエスナイデル監督は、「ハイライン・ハイプレスに加えて、もうひとつツールが増えた」と話しています
 「先週の日曜日も同じことをやった」と話しており、やはり岐阜戦でも同様の戦い方だったという認識で良いようです。


 また、エスナイデル監督は、やはり1ボランチの岩尾の動きを気にしていたようです。
 そこで後半途中からダブルボランチにして、トップ下の矢田が岩尾をマークするように変更。
 矢田のマークも完ぺきではなく徐々に徳島も変化を付けてそこを交わしていったように見えましたが、こちらもある程度は効果を発揮したのではないでしょうか。



 ただ、この戦い方がエスナイデル監督の言うような、新たな戦い方(ツール)が増えたことになるのかというと微妙な気がします。
 今年のジェフは8月に1勝も出来なかったこともあって、9月1日の山口戦からダブルボランチに変更し、引いて守る形にシフトしていた印象です。
 しかし、気温が下がってきたことやPO進出が現実的ではなくなったこともあって、10月14日の山形戦から再びハイプレス・ハイラインを試したのではないでしょうか。


 また、今シーズン序盤にも結果が出なかったため、アウェイでは引いて守る形をとっていました。
 さらに昨年終盤にも引いて守る形にシフトしてから、7連勝を遂げています。
 ちなみに町田は徳島戦について「全部が全部前からではない守り方」と話をしていますが、これは今年のちばぎんカップでも同じような言い方をしています



 それだけにそれぞれの戦い方に微妙な違いはあるとしても、まったく新しい戦い方ではないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
 また、エスナイデル監督の言い方からして、この戦い方はあくまでもオプションであるということを示唆しているように思います。
 昨年終盤の戦い方に関してもチームの成長・進化と捉える方もいたようですが、私は妥協の産物ではないかと言っていましたし、そうであるのならもし来年続投となったとしても、再びメインスタイルであるハイプレス・ハイラインを試して失敗する可能性もあるということになるでしょう。


 また、同じ戦い方でも、岐阜戦では結果を残せなかったことも事実だと思います。
 岐阜は残留争いが残っていたこともあって丁寧に戦ってきた印象で、簡単にはカウンターを打ち出せませんでした。
 さらに徳島戦ではセットプレーから早い段階でリードしたこともあって、より無理をせず戦えたことも大きかったように思います。



 また、徳島は後方からの長いボールをあまり使ってこなかった。
 ジェフは相手後方には無理にプレスをかけにいきませんでしたが、最終ラインは若干浅い印象がありました。
 そこを一本で突かれると脆さもありましたが、徳島は後方からじっくり繋いできてくれた分、戦い易かったところもあったのではないでしょうか。


 実際、長いボールを使われた場面では危ないシーンもあり、優也が飛び出して2度ほどロングシュートを打たれています。
 2つとも何とかカバーしたものの、1つ間違えば失点していたでしょう。
 優也の飛び出しは見た目が派手で"エンターテイメント"としては良いのかもしれませんが、リスクは大きいだけに"サッカー"としてはどうなのかと思います。



 徳島の戦い方に関しては、優也もこのように話しています

佐藤優也「相手は蹴ってくるスタイルではなかったので、逆に落ち着いて出どころをしっかり限定できていたと思う。しっかりゲームを作ってくるチームだったぶん、限定はしやすいイメージだった。」

 簡単に長いボールを蹴って来ないチームなだけに、グラウンダーのコースだけ気にしておけばよかった。
 その分、限定しやすかったと言うことなのでしょう。
 徳島の前線に佐藤が入ってから長いボールが増えた印象で、あの時間帯の方が厄介だった気がしますね。



 もう1つ気になるのは、残り3試合になったところで、エスナイデル監督が「もうひとつツールが増えた」と話していること。
 監督は試合前にも、「ホームではうちが強いということを見せてシーズンを終えたい」と話しています
 どちらも来季を見据えたコメントのようにも感じ、続投を希望しているということなのでしょうか。


 もちろん、監督が望んだとしてもフロントが契約を延長しなければ、続投とはならないでしょう。
 しかし、時期が時期だけに、すでに契約は済んでいる可能性も否定はできないのかなとも思います。
 個人的には成績面においても、内容面においても、続投はないだろうと思っていましたが…。



 エスナイデル監督としてもここまでチームが進歩せず堂々巡りが続いている状況を鑑みれば、自ら辞任するという選択を取ってもおかしくないようにも思います。
 こういった状況でも気持ちが切れないというのは、もともと世界的なストライカーということで、メンタル的にタフなところがあるということなのでしょうか。
 もしかしたらそれが一番の強みなのかもしれませんが、人を束ねる監督業においてはそれだけではうまくいかないところもあるのではないかと思います。


 いずれにせよ、もうすぐ今シーズンも終了しますので、結論ももうすぐわかるのでしょう。
 個人的には今はともかくシーズン後にフロントがどういった判断を下すのかが、非常に気になるところだと思います。
 監督もGMも含めて、一度しっかりと精査しなければいけないタイミングとなるのではないでしょうか。