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2018シーズンを振り返る 鳥海晃司編

 ジェフアカデミー出身で明治大学を経て、ジェフに入団した鳥海。
 2018年がプロ入り1年目でしたが、1年目から十分な活躍を見せてくれたと思います。


 開幕戦となった東京Vとの試合で早々に増嶋が退場すると、12分からいきなり鳥海の出番が回ってきました。
 そこでの活躍が認められる形で、続く水戸戦でもスタメン出場。
 さらに開幕戦から4試合勝ち星がなかったこともあって、第5節の讃岐戦から4戦連続でスタメン出場を果たしました。



 その後はチームのスタメンが固定化されないこともあって、鳥海の出場も安定しない状況が続きます。
 それでもエスナイデル監督がベンチ入り停止となった7月21日の讃岐戦で右SBとしてスタメン出場すると、翌々戦の新潟戦からCBとして10試合連続でスタメン出場。
 しかし、一度はポジションを得た鳥海ですが、10月からはまたスタメンから外れて第39節讃岐戦と第40節徳島戦に出場したところで、その後はベンチ入りも出来ずにプロ1年目を終えています。


 個人的には開幕戦で見た時から非常にクレバーな選手といった印象を受け、相手との駆け引きで戦えるDFなのではないかと思います。
 相手FWに対して素直にぶつかりに行くのではなく、状況を予測して助走をつけて競り合ったり、相手の体を使って空中戦で勝負したりといった賢いプレーが出来るタイプではないかと思います。
 近年のジェフはCBに限らず猪突猛進な選手が多い印象ですから、貴重な存在と言えるのかもしれません。



 また、足元の技術も、しっかりとタイプだと思います。
 ただ、そこから思い切って展開するという部分においては、まだまだ控えめな印象も受けました。
 そこはチームとしてのパス回しに問題があるところも大きいのでしょうが、経験を積めば向上できる余地があるのかもしれません。


 クレバーで足元の技術もある選手ということもあってか、7月21日の讃岐戦では右SBでスタメン出場を果たしました。
 しかし、不慣れなポジションということもあってポジショニングも危うく、この日はうまくいかなかった印象です。
 ただ、SBに関してはそもそもチームとして何を求めるのかで選手選定も大きく変わってくるでしょうし、エスナイデル監督のサッカーではSBに攻撃面も求める傾向がありますから、その時点で合わなかったのではないかとも思います。



 矢田などは「スピードがあって頼もしい」と話していたそうですが、そこまで特別に足が速い印象は受けなかったように思います。
 大分の片野坂監督も「近藤くんと鳥海くんもそれほどスピードがない」と分析していましたし、極端に遅いわけでもないのでしょうが、大きな武器になっていたようには見えませんでした。
 どちらかと言えば、判断スピードや瞬時の動きで勝負するタイプなのではないでしょうか。


 フィジカル面に関してもそこまで強いといった印象はなく、身体的にも大きなタイプではないと思います。
 それでも軸はしっかりとしているように思いますし、相手を圧倒するようなパワーがあるCBではないとは思いますが、球際でも戦える選手なのではないでしょうか。
 総じてフィジカル的に特出しているわけではないけれど、完成度の高い選手といった印象を受けました。



 ただ、完成度が高いということは即戦力としては期待しやすいのかもしれませんが、ここからの伸び代という面においては難しい部分もあるかもしれない…ということになるのかもしれません。
 それだけにここから2年目、3年目でどこまで成長できるのか、どこを伸ばしていくのかが、重要になってくるのではないでしょうか。
 "普通に良い選手"ではあるのでしょうが、そこからどういった強みを打ち出せるのかが、今後の分かれ目となるのかもしれません。


 阿部勇樹が憧れという記事を読んで、なるほどなと感じるタイプの選手ではないかと思います。
 阿部も飛び抜けてサイズがあってフィジカル的に優れているタイプではないですが、穴が少なく攻守に基本能力が高い選手で、そこは鳥海も似ている部分があると思います。
 しかし、阿部の場合は基本能力の高さだけではなく、キックにせよ球際の強さにせよ強い武器も持っていた選手ですので、そこを鳥海がどう会得していくのかが重要ですね。



 チームとしては大卒ルーキーで活躍した選手が現れたということもあって、2018年において数少ない明るいニュースと言えるのではないでしょうか。
 出場24試合という結果は、CBでは近藤に次いで2番目の数字ということになります。
 ただし、シーズン終盤はエベルトなどにポジションを明け渡しており、最後に出場時間を伸ばしきれなかったことにもなります。


 また、鳥海は頑張ってくれたものの、チーム全体で言えば溝渕や乾が伸び悩み、岡野や高橋がレンタルで移籍してしまったシーズンでもありました。
 そう考えると、全体的に見れば若手育成は決してうまくいっているとは言い難い状況でしょう。
 将来的には今あげた選手たちが中心となって、チームを支えていってほしいと思いますし、鳥海にもさらなる飛躍をしたいところですね。