今年、ポーランドのGKSピアスト・グリヴィツェから、ジェフに加入したブラジル人CBエベルト。
リーグ戦出場は18試合に留まり、CBでは近藤、鳥海、増嶋に続く、4番目の出場試合数となりました。
結果的に2018年のジェフはラリベイ、ロドリゲス、エベルト、ゲリア、サリーナスと5人も外国人選手を抱えて、年間を通して主軸選手として活躍できた選手はいなかったということになると思います。
外国人選手のデータをまとめると、こんな感じに。
30試合以上スタメン出場した選手はおらず。
スタメン 途中出場 ゴール
ロドリゲス 20 0 0
ゲリア 14 4 0
エベルト 18 3 3
サリーナス 11 7 1
ラリベイ 25 8 11
唯一奮闘したのがラリベイということになるのでしょうが、昨年の活躍と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
そして、何よりもシーズン終盤はスタメン出場もほとんどなく、右肩下がりの活躍で終ってしまっています。
もっともエスナイデル監督は頻繁に選手を入れ替えるため、日本人選手も含めてコンスタントに活躍できた選手は限られていたとも言えるでしょう。
前年も同じ傾向ではありましたが、日本人選手、外国人選手に限らず、軸となる選手が固定化できなかった。
そこがチームが安定しない、大きな要因の1つとも言えるのではないでしょうか。
エベルトは191cmの長身が特徴で、特に攻撃時のセットプレーで武器となっていた印象があります。
18試合と出場数は決して多くないものの3ゴールをマークしており、高さのあるヘディングには迫力を感じました。
守備面でも高さを見せられた部分はあったと思いますが、相手も無理にエベルトのところは狙ってこないため、そこまで目立ったなかったように思います。
また、細かな技術はなかったものの、キックにもパワーがあるタイプだと思います。
キック力がある上にレフティーということもあって、4月15日の第9節町田戦、4月22日の第10節福岡戦では左SBでもプレーしました。
エスナイデル監督は乾やゲリアなども起用しており、本来はSBにも高さが欲しいという考えがあるのでしょうか。
エベルトは近藤の怪我や3バックへの変更もあって、第2節水戸戦から第7節大分戦までCBとして出場。
しかし、その後は前著のSB起用を挟んで、出場する機会が大幅に減っていきます。
5月から9月下旬にかけては、途中出場の2試合も含めて4試合のみの出場となっていました。
しかし、10月に入ると出場機会が増えていき、レギュラーとしてプレー。
最後の7試合のうち、6試合に出場しています。
結果的にエベルトは、シーズン序盤とシーズン終盤に出場機会を伸ばしたことになりますね。
エベルトは高さや強さはあるものの、細かい動きは苦手としていた印象です。
トップスピードは決して遅くはないのかもしれませんが、アジリティという面では不安があって、特に日本の選手と対峙する場合は細かな動きの方が求められることが多いと思います。
相手のドリブルでの仕掛けなどにも苦戦しているように見え、ハイラインへの対応も苦労していたように思います。
今シーズン開幕前に、近藤、増嶋、長身CBだと引いて守ってカウンターをやるような顔ぶれだな…という話をTwitterなどでしていたのですが、実際にシーズンが始まってからも、ハイプレス・ハイラインに沿ったメンバーではなかったように感じました。
一方でアタッカー陣は選手数が非常に多いことをブログでも懸念していたのですが、結局アタッカー陣は使いこなし切れなかった印象です。
このあたり戦力バランスも含めた補強にも大いに問題があったと思うのですが、強化部はどういった考えで動いていたのでしょう…。
エベルトも使い方によっては、J2で活躍出来るポテンシャルはある選手なのかもしれません。
ただ、厳しく言えば飛び抜けて優れていた印象もなく、外国人枠を使うのはどうなのか…という見方も出来るのかなと思います。
このあたりは、クラブの予算や全体の選手構成なども絡んでくることでしょう。
本来は後方で跳ね返してカウンターで戦うようなチームの方が、合っているタイプの選手なのではないでしょうか。
ジェフの場合は、そもそもとして、季どういったサッカーを目指すのか。
それによって当然補強の方針も変わってくるでしょうし、まずはそこをハッキリとさせることが必要なのではないかと思います。