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熊谷「前につけられるところがもっとある」

熊谷アンドリュー「(前半は)自分のところで前に(ボールを)つけられるところがもっとあるので、そこを意識しないといけなかった」Jリーグ公式サイト

 昨日に続いて、熊谷の大宮戦後のコメントです。
 怪我明けの熊谷は少しずつコンディションが上がってきているとは思うのですが、正直活躍しているとは言い難い状況ではないかと思います。
 新チームにうまくはまり切れてないとも、言えるのかもしれません。

 それまで試合に出ていた田坂のほうが、機能していたようにも思います。
 田坂はボランチエリアで、うまく前を向いてボールを受ける動きが出来ていました。
 それによって相手に縦パスのコースを閉じられる前に、楔のパスを供給できていた印象です。


 しかし、熊谷はその点で後れを取る印象があるため、どうしても次の一手で遅れてしまう。
 そのため、江尻監督体制になっても、サイドへボールを散らすだけのプレーが目立っているように思います。
 ただ、これは矢田も同じようにうまく縦につけられていませんので、熊谷や矢田が苦戦しているというだけでなく、田坂がうまくやっていたともいえるのかもしれません。

 また、小島も縦にパスを出すのがうまい選手ですし、生粋の司令塔タイプはそういった部分でのセンスが違うということなのでしょうか。
 金沢時代の熊谷は1列前で受けてラストパスを出していましたし、本来は高い位置でのプレーのほうがあっているということなのかもしれません。
 矢田もやはりボランチよりインサイドのほうが良さが出せていた印象ですし、真希あたりを試してみてもいいのではないかとも思うのですが…。


 現状だとボランチから縦にパスを出しきれていないわけで、工藤をボランチに下げたほうが状況は改善するのかなとも思います。
 ただ、工藤はシャドーの位置で、相手の間を取る大事な役割を果たしています。
 これも他の選手にはできない動きだと思いますし、現状でボランチに下げるのは得策ではないのかもしれません。

 アタッカータイプが多くパサータイプが少ない偏った選手構成になっているため、選手選択が難しくなっているところがあるのかもしれません。
 ただ、個人的な能力だけでなく、やはりチームとして楔のパスからの展開に集中しなかった分、ボール回しに迷いが生じてボランチからの縦パスが減ってしまったという部分もあるのではないかとも思います。
 熊谷や矢田も個人判断でパスを繋ぐのはあまり得意ではないのかもしれませんが、技術はある選手だと思いますし。


 また昨日も話した通り、サイドからパスを繋ぐ展開が作れていないため、相手にボランチからの縦パスを警戒されている部分があるようにも思います。
 理想とすればサイドと中央と両方を警戒させることによって、相手の守備を迷わせて攻撃を作るという形を狙いたいところではないでしょうか。
 しかし、現状だとボールを持つジェフの方が迷いを感じて、相手を揺さぶり切れずに長い縦パスが増えてしまっている印象です。

 ここ数戦は遅攻でもカウンターでも攻撃のきかっけを作り切れていない印象です。
 小島や田坂が復帰すれば少しは改善される可能性もあるのかもしれませんが、選手判断のパス回しだけでは限界があると思います。
 選手の質だけでなく、チームとしても成長していかなければいけないのではないでしょうか。


 誰がどこでパスの出し手になって、誰がどう受けるのか。
 単純に仕掛けられる選手をサイドに置くだけでは解決に至らないと思いますし、実際に為田を起用したここ数戦は攻撃が単発になりがちになっている印象です。
 ピッチ全体での攻撃のオーガナイズをしっかりとしていかなければいけないのではないかと思います。