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強化指定の見木が徳島戦で初スタメン

 6月21日に来季の内定と特別指定選手になること発表された見木が、徳島戦で早速のスタメン出場を果たしまた。
 天皇杯岡山戦でベンチにも入っていなかったので驚きましたが、天皇杯公式サイトのジェフの選手一覧を見ると見木の名前はありませんでしたし、ジェフでは天皇杯で登録されていなかったのでしょう。

 スタメン出場した見木は、開始早々に倒されてPKを得て、貴重な1点につながるプレーを見せました。
 狭いところを通したクレーベのスルーパスが見事な場面でしたが、クレーベにボールが入った瞬間に裏へ飛び出した見木の動きも良かったと思います。
 若くアグレッシブなプレーが、表に出たということでしょうか。


 ただ、それ以降はミスが続いてしまう場面もありました。
 中央へのパスやトラップミスからボールをロストするシーンが見られましたが、緊張していた部分もあったのでしょうか。
 この辺りは仕方のないところもあったと思います。

 ただ、守備においては甘さが目立って、目の前の選手への寄せが甘い印象でした。
 さすがに若い選手ということで露骨にさぼることはなかったですが、守備で貢献できるタイプではないように思います。
 後半途中から船山と左右を入れ替えたのも、見木が対面の内田への守備にてこずっていたため、船山を内田にあてがったということではないでしょうか。


 しかし、24分には狭い局面でキープし、前を向く場面もありました。
 最近のテクニカルな選手らしく細かなタッチが得意で、前を向いてスピードのあるプレーも期待できるのかなと思います。
 ボールの引き出し方も上手く、賢いプレーが出来る選手なのかもしれませんね。

 ただ、何よりも印象的だったのは、アグレッシブで自信を持ってプレーできているように見えたこと。
 それに比べるとチームの結果が出ていないこともあって、ジェフの選手たちは消極的になっている部分があるのかなと思わなくもありません。
 また、見木は大学で活躍している選手なのでしょうから、そのイメージを持続することによって前向きなプレーが出来ているのではないでしょうか。


 これが悪い方向でプロに慣れてしまうと、ここまで積極的なプレーはできなくなるのかもしれません。
 実際、徳島戦でもプロ選手の素早い寄せやフィジカルコンタクトには苦労している面もあったように思いますし、そこを気にし過ぎてしまうとこ勢いは落ちてしまうのではないかと思います。
 言い換えれば怖いもの知らずなところがアグレッシブなプレーを生んだ部分もあるのではないかと思いますし、それを続けることがプロ入り直後に活躍する選手には必要なのではないでしょうか。

 船山、為田、堀米、茶島、工藤、矢田、寿人など、2列目は余るほどいる状況。
 技術的な面で言えば、"種類"こそ異なるとはいえ、見木のプレーは飛びぬけて驚くような内容ではなかったとは思います。
 正直、ここにまた攻撃的な中盤の選手が必要なのか?という疑問は大きいですし、町田のように攻守に戦えて黒子になれる選手のほうが欲しかったはずではないでしょうか。


 ただ、若い選手は比較的少ないチームですし、前向きな風をチームに与えてくれるという可能性においては、期待したいところもありますね。
 正直、徳島戦で言えば、試合展開もあって徳島の19歳渡井や、21歳の小西、岸本のほうが目立っていたのではないでしょうか。
 見木も現在大学在学中とはいえ21歳ですから、即戦力として期待されてもおかしくはないわけで、徳島戦でのプレーだけで終わりでは意味がないと思います

 一方で、古川や本田といった、すでに在籍している若手選手の状況も気になるところではあります。
 もちろんプロのサッカー選手は実力社会の中にいるわけで、良い選手が入ってくれば立場を失う可能性も十分にありうる。
 しかし、いきなり試合に出場するのは難しいにしても、天皇杯でベンチ入りすらできなかったということで、モチベーションなどに影響が出る不安もあるのではないでしょうか。


 若手を使わずに結果を重視したというのであればまだいいのでしょうが、実際には若い選手が多かった岡山相手に0-3の大敗だったわけですから、その選択でよかったのかという疑問が残ります。
 ましてや古川はアカデミーから長くジェフを選んでくれていて、本田は大きな怪我を乗り越えて現在に至る。
 その状況で自分たちはカップ戦でのベンチにすら入れず、強化指定の見木がいきなりリーグ戦でスタメン出場したわけで…。

 江尻監督は前回監督時にも益山や金沢などフォローを、しっかりと出来ているのかなと疑問を感じる部分がありました。
 もちろん、表には見えないところでフォローしていた可能性は十分あると思いますが、それで成り立っていたのかどうか…。
 ちなみに、益山はその後の岐阜で主力として活躍し、ジェフ戦で恩返しゴールを決めていますし、ポテンシャルは十分にあった選手ではないかと思います。


 クラブとしても、年末に一度いろいろと整理しなければいけないように思います。
 ポジションごとに選手層の差が激しいですし、若いレンタル選手も多数いる状況。
 選手構成という身でも、年齢構成という意味でも、歪みが大きい印象があります。

 なぜこんな状況になってしまったのかに関しても、しっかりと考え直さなければいけないところまで来ているのではないでしょうか。
 見木や乾や鳥海、レンタルの岡野や溝渕や高橋など、全く若手がいないわけでもないですから、そういった選手たちをどう育てていくのか。
 ここ10年低迷してからのジェフは益山などに始まり、栗山や北爪や戸島、先日水戸から横浜FMに移籍が決まった伊藤槙人など、外に出てから成長した若手選手が多いですし、見木にしてもここからが大事だと思います。