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2019シーズンを振り返る 工藤浩平&見木友哉編

 中盤の最後は、工藤と見木になります。
 強引にまとめた2人ですが、2019年に可能性を見せたコンビということになるでしょうか。
 ただ、工藤は今年で36歳、見木は今年で22歳と、14歳も年齢が離れていることになります。


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 2018年7月に、松本からジェフへ完全移籍で復帰した工藤。
 その年は途中出場がメインで、ジェフでは12試合に出場しました。

 今年も序盤は出番が少なかったですが、江尻監督が就任して3-6-1のシャドーとして、第6節福岡戦から第13節山形戦までスタメン出場を果たします。
 しかし、その後は再び出番が少なくなり、ポジションを失っていきます。
 途中から4-4-2に変更となって右SHや一度だけ試した4-1-4-1のインサイドなどでスタメンに選ばれますが、それぞれ1試合のみの出場で定位置確保とはなりませんでした。


 転機が訪れたのは、チームとして勝ち星から遠ざかっていた第32節の水戸戦。
 この試合で前線としてスタメン起用されると、チームも2-1で久々の勝利。
 そこからレギュラーとしてプレーすると、第39節金沢戦からはボランチとして最後までスタメン出場しています。

 前線で起用された工藤は、運動量豊富に守備で貢献。
 見方によっては暴走気味なチェイスで結果的にスペースを空けることに繋がったこともありますが、ポジションを守ってもセットした守備がチームとして構築できていないだけに、がむしゃらにチェイスに行った方がプラス面が大きかった。
 特に相方のクレーベは運動量が極端に少なく守備の穴となっていましたので、工藤のチェイスは非常に重要なものとなっていきました。


 さらに工藤は中盤でのボールの引き出し方が上手く、周りを活かすパスを出すことが出来る。
 ただうまいだけの選手、ただ仕掛けるのが得意な選手は多いものの、うまくボールを引き出して周りを活かせる選手は少ない状況となっているだけに、攻撃面でも工藤の存在は貴重だったと思います。
 正直もっと前から積極的に使ってほしい選手の1人だったと思うのですが、江尻監督は前回就任時もあまり工藤の使い方がうまくなかった印象があります。

 ただ、右SHでの起用が続かなかったのは、引いて守る守備においてはサイズの問題が出てしまうところが大きかったのかもしれません。
 シーズン終盤のボランチでのプレーでも、ビルドアップ面での貢献は大きかったと思いますが、守備においては不安もあった印象です。
 工藤自身も引いて守る形は得意ではないとわかっていたからこそ、シャドーや前線に入った時には前へのチェイスを頑張っていたのかもしれませんが、尹監督がそのあたりをどう評価するのかはまだ読めないところがあります。


 しかし、少なくとも2019年はチーム全体として守備に不安があっため、がむしゃらにチェイスする工藤に救われたところがあります。
 そして、工藤がスタミナ切れを起こすと、ガクッと守備全体にほころびが出来てしまうこともありました。
 スタミナ面にも課題があり、それが夏場に起用されなかった要因の1つだったのかもしれません。

 しかし、それ以上にクラブとして問題なのは、35歳の工藤が懸命に走ってチームを成立させなければいけない状況にあったことだと思います。
 そうなってしまった原因は、戦術的に守備が成立できなかったこともあるのでしょうが、他の選手1人1人の問題も大きかったはずです。
 もっと中堅年代などがしっかりと走らなければいけないはずだし、走れない選手、守備で貢献できない選手が多い選手構成の問題もあるでしょう。

 そういった状況から、脱することが出来るのか。
 工藤が走ることによって、ある程度でもチームを救うことが出来たということは、他の選手にもそれができたはず。
 ということは、戦術や監督だけの問題ではなかったはずですから、他の若い選手たちの奮起に期待したいところではないでしょうか。


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 2019年は特別指定だった見木ですが、第21節徳島戦でいきなりスタメン出場を果たします。
 その試合で鋭いプレーを見せてPKも獲得し、勝点1獲得に貢献しました。

 今後の活躍にも期待が高まりましたが、その後は途中出場がメイン。
 結局、見木が次にスタメンとなるのは、アランの負傷もあって回ってきた最終節の栃木戦でした。
 もっと見たい選手でもありましたが、まだプロ入り前ということでコンディショニングなどにも問題があったのでしょうか。


 ボールの持ち方が良く、前に仕掛けられるタイプの選手だと思います。
 昨年はスタメン2試合、途中出場7試合ということになりましたが、途中出場からも鋭い前への仕掛け、飛び出しを見せることが出来ていました。
 他の選手の動きが鈍いこともあって、見木がピッチ上で一番期待できるような試合もありましたね。

 ただ、ボランチでもプレーできる選手ということですが、守備に関しては課題の方が目立つ状況だったと思います。
 まだ線の細い印象でしたし、攻撃から守備への切り替えも遅く、他の選手に守備を任せてしまうところも見受けられた。
 ジェフは他のボランチも守備で怪しいところがありますが、ボランチが守備を他に任せるというのは致命的だと思います。


 鋭い仕掛けがあることを考えても、やはり前目でプレーした方が良いのではないでしょうか。
 ただ、その鋭さも途中出場が多かったからこそかもしれません。
 最終節などは「そこでミスをする?」といったイージーパスミスも目立っていましたし、長い時間プレーした時に活躍できるかどうかはまだ未知数でしょう。

 尹監督が指揮をとればSHにも守備力や運動量、フィジカルコンタクトなど、タフな部分を求められるかもしれません。
 そうなった時に、見木がどれだけ活躍できるのか。
 他のSH候補もタフに戦う部分においては怪しいところがありますから、チャンスはあるかもしれません。


 若い見木が工藤などベテランを追い越して、ポジションを獲得することが2020年の理想となるでしょう。
 特にジェフは戦力の高齢化が激しく、有望な若手も少ない状況ですから、見木への期待は自然と高まっていきます。
 しかし、過剰なプレッシャーはかけたくないですし、昨年の活躍も諸々を差し引いて考えるべきではないかとも思います。

 本来は本田やソロモンなど、その他の若手にも期待してそのうちの1人が出てきてくれれば…とも思うのですが、現状だと若手では見木が1人に抜けている状況ではないでしょうか。
 いずれにせよ、まずはコンスタントに試合に出ることが目標となるのではないかと思います。
 昨年の思い切りの良さを残しつつ、いい意味で周りに染まらないように成長していってほしい選手ですね。