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2020シーズンを振り返る 見木友哉・高橋壱晟編

 前年、強化指定選手としても十分に可能性を見せていた見木は、正式にプロ契約をした1年目にして33試合に出場。
 途中出場が20試合と非常に多かったとはいえ、33試合出場は新井章太、船山、山下に次ぐ4番手ということで、尹監督に重宝された選手と言えるでしょう。

 ボランチでのプレーが多かったのは意外でもありましたが、これは昨日も話したように尹監督がボランチにビルドアップ能力を求めたからだと思います。
 見木は中長距離のロングパスの精度が高く、視野も広く、田口のような鋭いロングパスを前方に供給するシーンもありました。
 展開力でいえば、高橋以上のものを持っていると思います。


 ただ、見木は身長171cmと小柄で線も細いため、さすがにサイズ面で厳しさがあったのか、ボランチでのプレーは徐々に減っていきました。
 逆に前への推進力が期待できる選手で、ラストパスも出せる能力があるということもあって、シーズン後半はSHでのプレーが増加。
 昨年最後の出場となった11月末の磐田戦もSHでのスタメンで、SHとしての評価が高まっていたのかもしれません。

 今年は為田、堀米、アランと抜けてSHの補強も薄かった印象ですから、開幕戦からSHでチャンスが巡ってくるかもしれません。
 SHとして安定して活躍するためにも、よりタフにスタミナもつけて戦えるようになることが、現状での見木の課題なのかもしれません。
 攻撃センスもあって鋭く仕掛けられる上、ロングパスなども出せるプレーに幅のある選手だと思いますので、個人的には将来のジェフを背負って立つ選手として期待したい選手ではないかと思います。


 続いて見木と同じ22歳の高橋は、昨年ジェフに復帰し21試合に出場。
 怪我もあったとはいえレンタル先の山口、山形では2年間活躍できませんでしたから、過密日程によるターンオーバーがあったことも大きかったとは思いますが、予想以上に活躍できたシーズンだったと思います。
 昨年の高橋はボランチでのプレーとなりました。

 尹監督の下でのボランチは展開力が要求された印象ですが、高橋の場合は得点力が期待されたのではないでしょうか。
 もともとミドルシュートが得意な高橋は、ボランチから飛び出していってシュートを狙うことができる。
 そのパターンで、3ゴールを決めています。


 昨年のジェフはクロスにせよビルドアップにせよ、CFの頭を目がけて蹴り込むことが多かったですが、そこをSHが拾うような展開はなく、相方のFWが拾うしかなかった。
 しかし、それだけでは攻撃の厚みが薄いという状況で、高橋がボランチから飛び出してゴールを狙う形に期待したところがあったのではないでしょうか。
 尹監督としても想定以上に攻撃作りに苦戦したということで、シーズン後半から高橋による飛び出しに期待せざるを得なかったところがあったのかもしれません。

 高橋の場合は見木とは違って、縦への推進力がない。
 尹監督はSHに個人技でボールを持ち運ぶことを期待しているのでしょうから、エスナイデル監督体制では2列目でのプレーも多かった高橋ですが、尹監督体制でのSHでは厳しかったのだろうと思います。
 もともとスピードはない選手なので、ボランチの方があっているのかもしれません。


 ただ、ボランチとしては、守備に大きな課題が残る。
 昨年も目の前でボールを持たれて寄せに行ききれずに簡単にかわされたり、相手に食い付き過ぎて中盤中央をぽっかり空けてしまったりと、最後まで守備の問題が目立った。
 フィジカルはある選手なので、来たボールを跳ね返すことはできるのかもしれませんが、賢い守備は出来ていないように思います。

 だからこそ、小林が補強されたのかもしれませんし、小林はセカンドボールへの反応も武器とのことですので、高橋の上位互換として期待された可能性もあるのかもしれません。
 昨年はウイルス感染や過密日程もあって離脱者が増えチャンスが回ってきましたが、今年は実績でいえば田口、熊谷、小島、小林に次ぐ5番手ということに。
 昨年後半は可能性も見せたとはいえ、今年苦労する可能性も十分ある状況だと思いますから、さらなる成長を期待したい選手ではないでしょうか。
 今後もボランチでやっていくのであれば、やはり守備の成長が必須事項ではないかと思います。