鹿島からレンタル移籍中の小田が、今季初ゴールを決めました。
ジェフでの初ゴールは、得意のヘディングからでしたね。
小田は町田でもヘディングの強さを発揮しCKからゴールを決めていますが、今回のようにニアで走り込んで決めるパターンが多かったと思います。
古くはジェフ時代の阿部勇樹などもニアに走り込んで頭で合わせるパターンが得意でしたが、CKからのゴールは単純な高さではなく動き出しやポジショニングが重要になることが多いと思います。
逆にオーロイなどは身長はあるものの動けなかったため、CKではあまり空中戦の強さが武器にならなかった印象もありました。
小田は滞空時間の長いジャンプ力と、体感の強さに加えて、動き出しも良いので、CKで強さを発揮できるのでしょう。
金沢戦でのゴールを振り返ると、CKでジェフの選手はゴール中央に密集していました。
それによって相手選手たちを中央に引き付けておいて、ニアにスペースを作った。
そこに見木が速いボールを供給して小田が飛び込むということで、練習でやってきたパターンの1つなのではないでしょうか。
尹監督が就任してからのジェフはセットプレーで変化をつけることも珍しくないので、得点源の1つとして期待しているところがあるのでしょうね。
狙い通り決まったゴールシーンではあったのでしょうが、角度のないヘディングシュートでゴールにマイナス方向へと走りながら、逆サイドに決めた形でした。
技術的にもかなり高難易度のシュートだったと思いますし、小田だから決められたともいえるのでしょう。
シュートシーンで小田はゴール方向に顔を向けていますし、ただ触っただけでなく、しっかりと頭を振っていることがわかります。
ニアに走り込んでフリーな状況を作れていたとはいえ、体をねじって合わせたシュートですから、それだけ体も強いのでしょうね。
本人もCKでのヘディングシュートに対して、自信をもってプレーしているのではないでしょうか。
今季の小田は第4節松本戦から左SBでスタメン出場し、現在4試合連続でフル出場中。
尹監督は鳥栖時代にもプレー経験のある安田を高く評価していた印象もありましたから、その安田を退けてポジションを奪ったというのはすごいことだと思います。
安田は33歳のベテランで昨年もコンディションの波が激しかった印象があり、今年も第3節秋田戦で動きが悪かったことも大きかったのでしょう。
小田は安田のようにマンマークで相手について、粘り強く対応するといったタイプではないように思います。
しかし、大きくポジショニングを間違えることなく、穴を作らない守備をしているようにも思えます。
4バックでのプレーに慣れていることも大きいのでしょうか。
攻撃面では今のところアーリークロスはあまり見やれませんでしたが、金沢戦でゴールにつながったCKを得たシーンでも、小田が抜け出してマイナスのクロスを見木に供給しています。
町田では右SBでプレーしていたため、左足でのキックはどうなのかなと思っていたのですが、しっかり蹴られるようで、パスワークにも絡んでいますね。
町田時代から派手なドリブル突破というよりアップダウンして抜け出してクロスといったイメージですが、そこは右でも左でも変わっていないように思います。
今のところ攻守にミスも少なく、安定してプレーできているのも特徴ではないでしょうか。
それでも鹿島で出番がなかったのは、強みという点でもう一つ物足りなさが残る部分があるのかなとも思います。
セットプレーでのヘディングシュートも強いと言っても昨年3ゴール止まりでしたし、流れの中での何かしらの強さを身につけることが目標なのかなとも思います。
とはいえ、ジェフとしては有力な若いSB候補ですし、ぜひ完全移籍でチームに残って欲しいところではありますね。