前戦アゼルバイジャンGPで、開幕戦以来となるポイント獲得を果たした角田。
先週末から欧州3連戦の初戦フランスGPがスタートということで、ここまでの挽回を果たすためにも重要なレースとなりました。
しかし、フリー走行までは順調にタイムを重ねていましたが、予選開始直後にスピン。
そのままマシンを止め、決勝ではピットレーンスタートとなりました。
ここまでの数戦、決勝までのミスで流れを悪くしてきた角田だけに、さすがにこのスピンはいただけない問題だと思います。
決勝ではまずまずのペースで走れていましたが、レース終盤にはウィリアムズにも抜かれて13位。
最後方から巻き返しを狙う展開だったためタイヤを消耗してしまったとのことで、予選でのミスが大きく響いた結果となってしました。
この日もチームメイトのガスリーは好調で、7位でポイントを獲得していることを考えると、角田の苦戦はより目立って見えてしまいます。
一方、優勝争いで注目されたのは、ここでもレッドブルのフェルスタッペンとメルセデスのハミルトン。
ここまでの2レースはモナコ、アゼルバイジャンと市街地コースで、レッドブルが優勢の状況となっていましたが、パーマメントサーキットであるポールリカールで2チームの関係性がどう変わるのか。
特にポールリカールはストレートも長いパワーサーキットですから、その影響が気になるところでした。
迎えた金曜のフリー走行2ではメルセデスも2番手、3番手につけ、やはりここではメルセデスが復活するのかとも思われました。
しかし、それでもトップはフェルスタッペン。
そして、予選Q3ではそのフェルスタッペンがハミルトンに0.25秒と大きな差をつけて、ポールポジションを獲得しました。
決勝でもフェルスタッペン優勢で進んでいきます。
しかし、午前中の雨の影響もあって、どのチームもタイヤの摩耗が予想より激しく、フェルスタッペンは2トップを決断。
ハミルトンやボッタスなどメルセデス勢は、予定通り1ストップを選択しました。
ピットストップ回数が多い分、フェルスタッペンはライバルをコース上で追い抜かなければいけない展開に。
44周にボッタスを追い抜くと、ラスト2ラップでハミルトンもパス。
とても力強いレースで、優勝を遂げました。
ホンダにとって大きいのは、コーナーではなくストレートでメルセデスを追い抜いたこと。
ストレートはパワーユニット(エンジン)がものを言うところですから、エンジン第4期どころか第3期から苦しみ続けたホンダが、エンジンパワーで長らくF1をリードしていたメルセデスを抜いたという事実は、応援してきた者からしても非常に感慨深いものがあります。
もちろんハミルトンのタイヤはボロボロで、コーナーからの立ち上がりなどはフェルスタッペンが優勢ではあったはずですが、これまでではそんな状況でもストレートでは後れを取るのがいつものパターンでした。
市街地だけでなくエンジンサーキットでも勝利したことによって、これで本当にレッドブルホンダとフェルスタッペンがチャンピオン最有力であることが明白となりました。
あとは開発や戦術で負けず、ミスをせず、油断もせずといった、チーム力が求められるのではないでしょうか。
第3期から考えれば苦節20年…ようやくF1のトップに立とうとしているホンダエンジン。
なおのこと撤退がもったいなくも思ってしまいますが、まずはチャンピオン獲得に集中して、今年1年を全力で戦ってほしいです。