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2021シーズンを振り返る 田口泰士編

 2021年の田口は、怪我のためシーズン序盤に出遅れ。
 初めての登場は第15節町田戦で、いきなりのスタメン出場となりました。

 ただ、復帰直後はコンディションが万全ではなかったのか、試合勘にも問題があったのか、プレーの出来はもう1つだったと思います。
 それを裏付けるように、町田戦では45分のみの出場で、その後の6試合も途中交代に終わっています。
 シーズン序盤はチームの状況ももう1つだったため、出来るだけ早く田口に復帰してほしかったのでしょうか。


 田口のパフォーマンスが回復していくと、攻守にレベルの違いを見せつけていきます。
 昨年からジェフの武器になっていましたが、FKではハーフウェイライン付近からでも高質なボールをゴール前に供給するなど、相手チームからすれば驚異的な存在になっていたと思います。
 シーズン序盤のジェフが前年より得点面で苦しんだのも、田口の不在が影響した部分があったのかもしれません。

 しかし、田口の良さは単純にロングキックの質が高いだけでなく、グラウンダーの鋭いパスで流れの中からもゲームメイク、チャンスメイクも出来るところ。
 むしろFKでのチャンスメイクはおまけで、ピッチ上の司令塔としてチームを牽引することが出来る。
 どちらか一方を持ち合わせた選手は少なくないかもしれませんが、プレースキッカーとしてもチームの司令塔としても活躍できる選手は意外と限られているのではないでしょうか。

 さらに、攻撃だけでなく、守備でもチームの中心選手として貢献。
 的確な予測とポジショニングの良さで、ボールカットも非常に多く、中盤のバランス管理も担っていたと思います。
 攻守において貢献できるためどのボランチとも合わせやすいし、田口一人いればチームが作れるような存在だと思います。


 ただ、昨シーズン後半に何度か話しましたが、田口は時折イージーなミスをしてボールをロストする傾向がある。
 無理な状況でダイレクトで繋ごうとして相手にプレゼントパスを送ったり、フリーな状況でパスミスをしてピンチに陥ったり。
 テクニックがある選手だからこそポカが目立つイメージがありますし、チームの中心選手がミスをすると精神的な悪影響も大きくなるのではないでしょうか。

 どこか90分通しての集中力において、課題があるのでしょうか。
 オシム監督も「集中力」という言葉を発することが多かったですし、サッカーにおいて集中力というものは非常に重要なのでしょう。
 例え89分間すごく良いプレーをしたとしても、1つの気の抜けたミスで負けてしまうのがサッカーですし、その点において課題があるのではないでしょうか。


 また、欲を言えば、ゴールに直接かかわるプレーも増やしたいところなのかもしれません。
 Football LABによると、ジェフ加入1年目の2020年は31試合に出場し2ゴール4アシスト。
 2年目の2021年は、27試合に出場し2ゴール1アシストとなっています。

www.football-lab.jp

 田口の能力を考えれば、若干物足りないようにも思います。
 もちろん田口の場合、チャンスメイクやゴールに向かうプレーだけでなく、ビルドアップにも守備にも大きく貢献しているだけに、これ以上の成果を求めるのも酷な印象もあります。
 ただ、名古屋を1年でJ1復帰に導いたあの2017年は、9ゴール7アシストを決めているだけに、そこから比べると寂しい数字となっている印象もあります。


 とはいえ、基本的にはミスさえなければ、J2では飛び抜けた存在だと思います。
 ジェフとしては田口が元気なうちに、J1昇格という結果を残したい。
 そう感じるほどの選手ではないでしょうか。

 ただ、一方でそれだけ存在感がある選手なだけに、現実的に見ると田口が不在になった時の不安も残ります。
 ジェフ加入1年目となった2020年後半と怪我もあった2021年前半は、コンディションの問題もあってか、プレーの出来が良くなかった印象もあり、波も少なくない選手なのかなと思います。
 攻守に活躍できるボランチとしてだけでなく、プレースキッカーとしても非常に優秀なだけに、田口が抜けた時の対応も様々な局面において、考えておかないといけないのではないでしょうか。