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数十年ぶりのレギュレーション変更が行われるF1GP 今週末に開幕

 レッドブルのフェルスタッペンが、劇的な展開でドライバーズチャンピオンとなった2021年のF1。
 接戦も多くエキサイティングと評判だったシーズンでしたが、短い休暇を経て今週末から新シーズンが始まります。
 今年一番のトピックは、何と言っても数十年ぶりとも言われているマシンの大幅なレギュレーション変更でしょう。

 今回の変更は、レース中の追い抜きを増やすことなどを目的としています。
 エアロパーツなどの効果を下げることで乱気流を減らし、後続マシンを近づきやすくする分、マシン床下でダウンフォースを発生させるグランドエフェクトカーになるとのこと。
 その影響でマシンが上下に揺れるポーパシング現象というものがテストで発生しており、これをどれだけ抑えらえるかなどが注目されています。


 新マシンはフロントノーズの高さが制限され、フロントもリアもウイングも簡素化されました。
 また、タイヤも13インチから18インチに大きくなるなど多数の変化がありますが、開幕前に話題となったのはサイドポッドの開発競争。
 各チーム小型化しており、レッドブルはサイドポッド下部を削り、フェラーリは上部をへこませ、メルセデスに至ってはゼロポッドと呼ばれるほど小さくなりました。

 新レギュレーション開始直後はどこも正解が見えていないので、各チームの技術的なチャレンジが見えるのが面白いところ。
 それによって戦力図が変わる可能性もありますが、最終的にはチーム力や予算がモノを言うだけに、大きく構図は変わらないのではという見方も。
 一方で、ライバルのコピーやトレンドを追うことはできないため、タイム差が拡大する懸念もあるでしょう。


 昨年はタイムが接近したことで盛り上がったところもあるだけに、その点では不安もあります。
 ただ、マシン開発はF1の醍醐味ですし、新しい変化で何が起きるのか、ワクワクする部分もありますね。
 また、昨年は角田などが小さな遅れで順位を大幅に下げて苦戦していましたが、タイム差が広がればそういったことも少なくなるかもしれません。

 ドライバー市場では、メルセデスのボッタスがアルファロメオに移籍し、ウィリアムズのラッセルがメルセデスに昇格。
 ウィリアムズには元レッドブルのアルボンが加入し、ライコネンも引退し2人とも交代となったアルファロメオにはルーキー周冠宇(チョウ・グァンユー)が加わりました。
 中国人初のF1ドライバーとなる周冠宇、タイ人のアルボン、日本人の角田と、アジア人3人のバトルも楽しみです。


 また、ロシアのウクライナ侵攻により、ハースはロシア人ドライバーのマゼピンとマゼピン父が株主だったスポンサーのウラルカリとの契約解除を発表。
 マゼピンに関しては可哀想な印象もありもう1年見たかった気持ちも残りますが、一方でこれまでロシアマネーでのし上がってきたことも事実。
 暴力事件やセクハラ疑惑など多数の問題を起こしながらF1までこれたのも資金力が大きかったわけですから、仕方のない部分もあると思います。

 なお、マゼピン親子はプーチン大統領と関係が深いということでEUの制裁対象リストに入ったとのことで、ロシアで成功している人物の大半は大統領と関わりがあるのではないでしょうか。
 そのハースには、マグヌッセンが復帰することになりました。
 また、ロシアGPの開催も中止となり、中国GPも新型コロナウィルスの影響などで早々にカレンダーから外れています。


 もう1つの注目はF1から撤退したホンダで、PUの知的財産権などをレッドブルに譲渡し後方支援に回ることとなっていました。
 しかし、少なくとも今年のPUはホンダが開発をするそうで、マシンにもHRCHonda Racing Corporation)のロゴがついており、ホンダがどこまでサポートするのか曖昧な状況となりつつあります。
 もしかしたらカーボンニュートラルの名の下に、名前だけの撤退になる可能性もあり得なくはないのかもしれません。

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 注目の勢力図ですが、開幕前テストで好調だったのが、レッドブルフェラーリ
 マクラーレンも2月末のバルセロナテストでは良かったのですが、先週末に開幕戦と同会場で行われたバーレーンテストではブレーキトラブルで後れを取った模様です。
 そして、優勝候補だったメルセデスはポーパシングに苦しんでいる印象で、三味線を弾いているのではとも言われていますが、今年はここまで本当に苦労しているように見えます。

 角田のアルファタウリは淡々とテストを消化していきましたが、若干タイムは伸びにくいのでしょうか。
 昨年開幕前ほどの好調は感じず、アルピーヌやアストンマーチンとの中団勢に食い付きたい立ち位置となるかもしれません。
 色々な予想がありますが、後方争いは今年もウィリアムズ、アルファロメオ、ハースとなるのかなと思います。

 こう見ていくとメルセデス以外の勢力は大きく変わらないようにも思えますが、バーレーンテストでは全体的にマシントラブルが多かった。
 今年は各チーム完全な新車となるだけに、トラブルが増える恐れもあるでしょう。
 近年のF1は信頼性が高くなっていましたが、久々に信頼性確保が求められる年となるのかもしれません。


 昨年F1デビューを果たした角田は、昨シーズン終盤に調子を上げてきただけに、その勢いを継続できるか。
 18インチタイヤに関してはF2でも経験していますし、新車になったことが良い流れを生む可能性も十分にあります。
 ガスリー時はテストでクラッシュするなど若干悩みを抱えているのかなとも思いますし、少しでもチームメイトに勝って評価を上げたいところ。

 デビュー当初の角田は過激な無線での発言が問題視された面もありましたが、そこから明るいキャラクターであることが理解されてきて評価を上げているように見えます。
 マスコット的な立ち位置になりつつある印象で、周りから好かれることはF1で生き残るためにも、チーム内に仲間を増やすためにも重要でしょう。
 1年を経て地盤は固まりつつあると思いますので、あとはしっかりとタイムを出して、確実なレースをすることが求められます。
 新レギュレーション導入でアルファタウリが苦戦する可能性も当然あるわけですが、その中でも角田がやれることをやることで、さらに評価を上げていってほしいですね。