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第36節 ジェフ 2-1 岩手 猛攻を浴び続けるも運も味方につけて勝点3

 相性の良かった金沢と、苦手とするタイプの岩手との試合が連戦で組まれたことになるジェフ。
 前節は長時間金沢を押し込み勝利しましたが、今節はやはり苦戦。
 こういった苦手な相手をどう克服するかが、大きな課題ですね。

 やはりジェフは守備的なチームとは、戦いにくい印象を受けました。
 金沢も延期分もあって連戦だったため、比較的守備的には入ってきましたが、本来はがっつりと守備を固めるスタイルではないと思います。
 問題は岩手のように粘り強い守備から、カウンターを狙ってくるチームですね。


 ラッキーな面もあって早々に得点したジェフですが、その後は岩手がカウンターを中心に、猛攻を仕掛けてきました。 
 ビハインドという状況もあって、かなり前掛かりに攻めてきた印象で、その裏にはスペースもあったと思います。
 しかし、ジェフはカウンターを繰り出すのが苦手なため、カウンターを返すことが出来なかった。

 かといって、岩手は前節金沢とは違って、前からもしっかり守備をしてきたので、遅攻でもうまくいかず。
 むしろボールロストが目立って、相手のカウンターを浴びることが多い状況でした。
 結果的に遅攻も速攻も作れず、岩手ペースになってしまった試合だと思います。

 試合終盤に幾度となく作ってきたもののチャンスを決めきれなかった岩手の足が止まって、ジェフが追加点を獲得。
 粘り強く戦えたとも言えなくもないでしょうが、岩手のゴールかと思われたシーンがオフサイドになったり、運も味方につけての勝利だったと思います。
 ジェフの苦手克服とは言い難く、全体的には岩手の試合だったと思いますが、岩手からするとこれでも勝てないのが残留争いのチームということでしょうか。

■早々にPKで先制するも猛攻を浴び1‐1で前半終了

 ジェフは小林、秋山が控えに回り、高橋とダニエル・アウベスがスタメンで、ダニエルが左WBに入りました。
 怪我の長かった高橋は今季初スタメンとなりました。
 控えからは小森、ブワニカ、福満が外れて、リカルド・ロペスと風間が復帰。

 岩手は前節負傷交代した、チャン・ヒョンスが不在。
 キム・ジンヒョンと中野も外れて、クリスティアーノ、モレラト、オタボーがスタメンと、1トップ2シャドーが全員入れ替わり。
 元ジェフ中村太亮は、この日もスタメンに入りました。


 開始早々、ジェフがPKを獲得。
 右サイドからのCK、田口が蹴るとニアでダニエルに合いませんでしたが、流れたところをクリスティアーノがハンド。
 これをソロモンが決めて1‐0。

 7分、岩手の攻撃。
 右サイドからのCK。
 中村が蹴ると、直接バーの上を叩いてゴールならず。


 12分にも岩手のチャンス。
 右サイドからのFKの流れから、こぼれたところ、逆サイドのオタボーがクロス。
 クリスティアート宮吉が飛び込みますが、合わせきれず。

 先制後は、岩手が攻め込む展開。
 岩手はカウンターとロングボールで攻め込み、セットプレーでチャンスを作っていきます。
 ジェフもパスを繋ごうとはしますが、相手の積極的な守備に苦しみボールロストが目立ちます。


 20分にも岩手のチャンス。
 中盤中央からのFKを、中村が担当。
 ダニエルが触って、あわやオウンゴールかと思われましたが、ゴールの上。

 そのプレーで得たCKから、岩手の決定機。
 左サイドから中村が蹴ると、クリスティアーノがニアに飛び込んで合わせます。
 しかし、ゴールの左を逸れます。


 岩手の勢いのまま、29分に同点ゴール。
 中盤で奪われたところから、中村が素早く前線へ。
 左サイドでチャンの背後を取ったモレラトが、角度ないところからシュートを決めて1‐1。

 その直後にも、岩手のチャンス。
 左サイドをクリスティアーノが抜けてクロス。
 オタボーが拾ってシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。


 35分には、久しぶりのジェフの攻撃。
 右サイドのスローインから、田口と見木が繋いで高橋が間で受けてミドルシュート
 GK野澤が正面でキャッチ。

 43分、ジェフのチャンス。
 右サイドからのCK。
 田口が蹴って西久保が競り勝ちますが、バーの上。

 46分、岩手の攻撃。
 左サイドで和田のキープから、中村がクロス。
 宮市が合わせますがジャストミートせず、1‐1で折り返します。

■後半も決定機を作られるも2‐1で勝利

 49分、岩手のCK。
 左サイドから中村が蹴ると、甲斐が競り勝ってゴールかと思われました。
 しかし、ゴール前でオフサイドエリアにいたモレラトが、シュートに絡んだという判定でゴールならず。

 51分、岩手の決定機。
 中盤中央からのFK。
 再び中村が蹴って甲斐が競り勝ちますが、バー直撃でゴールを免れます。


 54分にも岩手のチャンス。
 中盤右からのFK。
 長い距離でしたが、中村がストレート系のボールを蹴ると、甲斐が抜け出して頭で合わせますが、枠を捉えきれず。

 64分、岩手はクリスティアーノ、オタボーを下げて、ブレンネル、奥山、中村充孝を投入。
 さすがに岩手の勢いも落ちていき、スペースが出来始めていきます。
 ただ、ジェフも攻撃を加速できない展開に。


 74分、ジェフのチャンス。
 左サイドからのFK。
 こぼれたところを高木がミドルで狙いますが、相手DFがゴール前でクリア。

 78分、ジェフが勝ち越し点。
 田口からのパスをソロモンが落として、西久保のクロスを上げると、田口が頭で合わせて2‐1。
 そのプレーの前にソロモンが痛めて一度試合が止まったことで、岩手の集中力が一瞬途切れたようにも見えたシーンでした。


 その直後、ジェフはダニエルを下げて米倉を投入し、米倉が左WBに入りました。
 83分、岩手は宮市を下げてビスマルクを投入。
 87分、ジェフはソロモン、高木を下げ、レオンソ、リカルド・ロペスを投入。

 その後も岩手はリスク覚悟で攻めに行きますが、ゴールは奪えず。
 2‐1でジェフの勝利となりました。

■価値はしたものの堅守速攻対策は見えず

 同じようなスタイル同士の戦いとなったジェフ。
 しかし、柱谷哲二氏も指摘していたように、ジェフはカウンターが作れないのが大きな課題だと思います。
 カウンターが作れないから相手も思い切って前に出てきたし、相手の攻撃の抑止力を作れなかった。

 逆に岩手はカウンターの作り方がうまかったと思います。
 守備に関しても、前線から追いかけて、ジェフのボールをサイドに追いやり、そこで囲ってボールを奪う。
 そこから素早く縦へと蹴り込む。


 前線の動きも3バックの裏を取って、ポイントを作る動きを狙われていた印象です。
 クリスティアーノ、オタボー、モレラトはそれぞれ好守に持ち味を出せていて、彼らが90分間持つ状況だったら危なかったかもしれません。
 今季途中に加入したクリスティアーノは初スタメンとなった前々節山形戦でも、先制ゴールを決めた後に危険なタックルで退場しており、今節もハンドでPKを返上するもその後は活躍を見せるなど、いろんな意味で目立っていますね。

 また、左WB狙いも岩手の意図だったのではないでしょうか。
 開幕戦で対戦した際は、末吉のところに宮市を当ててロングボールを蹴り込まれたので、今日のジェフはその対策としてダニエルを左WBとして起用したのかもしれません。
 そのため、ダニエルに代わって途中投入されたのも、高さのある米倉だったのではないでしょうか。


 しかし、ダニエルは地上戦での対応には不安があって、今回はそこを突かれました。
 幾度となく裏を突かれていましたし、前半早々にイエローカードも受けています。
 ポジショニングなどにも不安があった印象です。

 岩手の強みは、こういった相手の分析なのかもしれませんね。
 予算・戦力などは厳しく経験も乏しい選手が多いと思うのですが、それでもまだJ2で粘れているのは相手対策のうまさにあるのではないでしょうか。
 ただ、こういった試合で勝点を奪えるかどうかが、今後の残留争いにおいては重要なのでしょうが。


 一方のジェフは、非常に苦しい試合だったと思います。
 中盤で簡単にボールをロストし、カウンターを簡単に作らせて、相手の思惑通りファールも増えてしまった。
 攻撃面も相手の足が止まったシーン以外は、


 試合前には、堅守速攻のチーム相手の対策を見せて欲しいという話をしました。

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 しかし、勝ちはしたものの運を味方につけての勝利だったと思いますし、明確な岩手対策というものは見えなかったように思います。
 それでも勝てたことは良かったと思いますが、スッキリとした勝利とはいかない試合だったと思います。