新型コロナウィルスの影響で、3年ぶりのF1開催となった鈴鹿。
生憎の天気だったにもかかわらず、3日間合計で20万人の動員を集めるなど大盛況となりました。
チームやドライバーも久しぶりの日本での開催に、好意的なリアクションを多数出しています。
これもレイアウトの評価が高い鈴鹿でのレースと、熱狂的なファンの存在があるからこそでしょう。
その背景にはF1新興国とは異なり、長年培ったモータスポーツ文化もあるのではないでしょうか。
ドライで行われた予選。
ポールポジションは、チャンピオンシップ王手のかかるフェルスタッペンでした。
しかし、0.01秒差の一番手タイムで、2位にはライバルのルクレースがしっかり付けました。
初の母国レースとなった角田は、予選13番手に。
Q3進出こそなりませんでしたが、フリー走行ではトラブルが多発したこと。
チームメイトのガスリーは17番手に終わったことを考えると、悪くない予選だったと思います。
決勝は大雨でスタート。
それでも角田はスタート直後の混乱をうまく回避し、9位にまで浮上しました。
しかし、その後、大雨の影響でレースは長時間中断となります。
中断時間を含む3時間でのレース終了が見える中、残り約40分の所でレース再開。
角田は11番手を走行していましたが、路面が乾いてきたレース終盤にインターミディエイトタイヤに変更。
タイムを上げて数台をパスしますが、13位で終わりました。
ポイント直前の11番手を走っていただけに、そのままタイヤを変えずにいけば、順位を上げる可能性もあったと思います。
しかし、10番手のノリスからは少しずつですが、タイムが離されていただけに仕方ないのかなとも。
戦略的な面で言えば、むしろあと数周早くタイヤを変えていれば、巻き返しが間に合ってポイント圏内で終えられたのかもしれません。
ただ、11番手という順位だったことも考えれば、早期にリスクを冒すのは怖い状況だったようにも思います。
ガスリーはトラブルも多かったとはいえ、予選でも決勝でもガスリーの前を走っていたわけですし、大きなミスもなく角田自身は悪くないパフォーマンスだったと思います。
ただ、ポイントから離れているだけに、1点でもいいから欲しい状況が続きますね。
優勝はフェルスタッペン。
決勝でも力強いレースを見せており、完勝と言えるのではないでしょうか。
2番手にはルクレールがつけていましたが、最終ラップのシケインで飛び出し、ペナルティを受けてペレスが2位に浮上、ルクレールは3位に。
これでチャンピオンシップの差は開いたことになりますが、F1のルールでは予定周回の4分の3を消化しなければ、ハーフポイントで終わることになっていたはずでした。
その場合、チャンピオン決定は持ち越しとなる状況だったわけですが、このルールには穴があって、中断してもレースを再開し終了した場合は、フルポイントを与えるということになっていたそうです。
よくわからないルールでフェルスタッペン当人も困惑が続いていましたが、ともかくチャンピオンはチャンピオンということで、おめでとうございます。
フェルスタッペンとしては、昨年もバタバタの末のチャンピオン決定ということで、2年連続ですっきりとしない決定となってしまいました。
ただ、年間を通して見れば、速さ、強さを見せたフェルスタッペンがしっかりと勝ったということで、文句のない王者ではないでしょうか。
一方でルクレールは最後もミスをしてしまい、フェラーリはチームだけでなくドライバーももう少し足りない部分があるんかもしれません。
ここでは5位ハミルトン、6位ベッテル、7位アロンソと、ベテラン勢も結果を残しました。
荒れたレースだからこそ、経験が生きたのかもしれません。
特にベッテルはF1引退直前ということで、メモリアルなレースとなったのではないでしょうか。
次は1週空いてアメリカGP。
その後、メキシコ、ブラジル、アブダビとまだ4戦残っています。
角田としてはポイント獲得のチャンスは十分あると思いますし、焦らずしっかりとレースをまとめて欲しいですね。