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第26節 清水 2-2 ジェフ 勝ちきれなかったものの新国立で熱い展開に

 新国立競技場で行われたジェフ対清水戦。
 正直、次にジェフが国立の舞台に立つのはいつのことかと思っていたので、個人的にはありがたいという気持ちもありました。

 また、この試合は47,628人の観客が集まり、J2最多となったそうです。
 これだけ多くの観客の下で試合を経験した選手も多くはないと思いますので、良い経験だったのではないでしょうか。
 これを刺激にして、より高みを目指してほしいところです。


 気温の高い試合でしたが、内容も暑い展開だったと思います。
 両チーム最後まで走り続けていましたし、内容の濃い試合だったのではないでしょうか。
 やはりこれだけの会場と、これだけの観客が集まると燃えるところもあるのかもしれません。

 ジェフに関しては後方でのミスが目立ちましたが、逆に攻撃面では良い部分も出た試合だったと思います。
 ただ、これを勝ちに持ち込めないことが、ジェフの課題ですね。
 力のある清水相手もいい試合は出来るわけですから、それを自信に変えて勝利を目指してほしいところではないでしょうか。

■先に失点を許すも小森のゴールですぐに追いつく

 ジェフは移籍の決まった末吉と小林が不在で、新明、呉屋が控えに。
 風間、高木、田中、小森がスタメンで、控えには福満、椿、松田が復帰し、ブワニカが外れました。

 連勝中の清水は白崎が出場停止で、カルリーニョスが不在。
 宮本がボランチで、神谷が左SHに入りました。
 チアゴサンタナはこの日も不在。


 10分、清水のチャンス。
 ホナウドが中盤からフリーで持ち上がって、スルーパス
 中山が抜け出してシュートを放ちますが、ゴールの左。

 12分には清水の攻撃。
 ホナウドからの縦パスを右サイドで中山が受けると、中山が佐々木をかわしてクロス。
 中央の北側が足元で合わせますが、ジャストミートせず。


 ジェフは試合の入りも良く、積極的なプレスを仕掛けていきます。
 しかし、徐々に清水が巻き返し、ボールを持たれる展開に。
 清水は自由に動き間で受ける乾と、サイド攻撃から攻め込んでいきます。

 すると、14分に失点。
 清水が左サイドからパスを繋いでいくと、ずるずるとジェフの守備が下がっていきます。
 右サイドの北爪からのアーリークロスは合いませんでしたが、こぼれ球を拾った神谷がミドルで決めて0‐1。

 しかし、17分にはジェフが同点ゴール。
 鈴木大輔からの縦パスを受けた見木が、裏へ供給し、小森と高木で繋ぎます。
 再び見木が受けて思い切ってミドルシュートを放つと、これが相手にあたって軌道が変わりゴール。


 19分には清水の攻撃。
 鈴木大輔と田口のパス交換が少しずれたところを、宮本が奪って前へ。
 乾が持ち上がってミドルシュートを放ちますが、ゴールの左。

 26分にはジェフの攻撃。
 高木、風間、田口で繋いでいって、左サイドに流れた風間が鋭いクロス。
 高木と小森が狙いますが、合わせきれず。


 30分に清水の攻撃。
 乾が中盤の間で受けると、田口、佐々木といなして前に前進。
 そのままシュートに行きますが、GK鈴木の正面。

 37分にはジェフのカウンター。
 風間が間で受けたところから田中が長い距離を持ち上がり、中央の風間へ。
 高木のクロスは合わず、田中が繋いで最後は高橋がシュートを放ちますが、相手に当たります。


 42分、ジェフの攻撃。
 佐々木の縦パスを、ハーフスペースで受けた日高が反転。
 ミドルシュートを狙いますが、大きく外れます。

 46分には清水の攻撃。
 FKからの展開で、右サイドの北爪がクロス。
 ファーの中山が狙いますが、枠を捉えきれず1‐1で折り返します。

■後半も激しい試合展開で1‐1の引き分け

 後半開始早々に、ジェフが勝ち越し点。
 田中からのロングスローは跳ね返されますが、こぼれ球を拾ったところから日高が前線へフィード。
 これを鈴木大輔が競り勝つと、小森が受けてシュートを放ち2‐1。

 その直後にもジェフの攻撃。
 田中が右サイドでボールを奪ったところから、縦パスを受けた小森がヒールで繋いで風間へ。
 風間が相手の股を抜くラストパスを送りますが、高木には惜しくも合わず。


 52分、清水は北川、神谷西沢を下げ、オ・セフン、岸本、吉田を投入。
 後半序盤はジェフが前への勢いを強めて、ペースを握っていきました。
 しかし、徐々に清水が盛り返していきます。

 その直後には、ジェフのミスから清水のチャンス。
 後方での繫ぎから、佐々木のミスでプレゼントパス。
 オ・セフンが受けてシュートに行きますが、GK鈴木がセーブ。


 60分、ジェフは田中、高木を下げて、新明、椿を投入。
 清水も中山を下げてコロリを投入。
 両チーム運動量がおつて、スペースが出来始めていきました。

 その直後、清水のチャンス。
 吉田からの縦パスから、小瀬分が左に流れてグラウンダーのクロス。
 岸本が合わせますが、GK鈴木がファインセーブ。


 65分、清水の同点ゴール。
 左に流れた乾の大きなサイドチェンジ。
 岸本が北爪とのワンツーで抜け出しクロスを上げると、ニアでオ・セフンが潰れてコロリが合わせて2‐2。

 70分にも清水のチャンス。
 左サイドからのCK。
 コロリが蹴ると、高橋が競り勝ちクロスバー直撃。


 71分にはジェフの攻撃。
 新明が右サイド奥で粘ったところから、パスを繋いでいって逆サイドへ。
 椿が北爪と入れ替わってカットインからシュートに行きますが、枠を捉えきれず。

 その直後、ジェフは小森、風間を下げて、呉屋、福満を投入し、そのまま福満が前線へ。
 74分にはジェフの攻撃。
 日高のパスカットから、呉屋が落として福満が受けてシュートを放ちますが、枠の外。


 78分にもジェフの攻撃。
 中盤で奪ったところから、田口が左足で浮き球のスルーパス
 福満が抜け出してダイレクトで狙いますが、GK権田がセーブ。

 80分にもジェフの攻撃。
 中盤で得たFK。
 田口のボールは跳ね返されますが、福満が入れ直し最後は佐々木が狙いますがバーの上。


 その直後、清水は北爪を下げ井林を投入し3バックに。
 ジェフは福満と新明のポジションを入れ替えました。
 試合終盤は一進一退の展開に。

 90分には清水のチャンス。
 カウンターから乾がスルーパス
 コロリが受けてシュートを放ちますが、GK鈴木がセーブ。

 92分にも清水の決定機。
 左サイドで椿が与えたFK。
 コロリが蹴って高橋が合わせますが、ゴールの右隅にそれ2‐2で終わりました。

■小林不在が攻守に影響も攻撃面に可能性を

 この日は長らくスタメンだった小林がいなかったことで、攻守に課題を感じました。
 守備では乾に間を取られることが多く、そこを潰せなかったですね。
 見木は久々のボランチだったためか、ポジショニングが怪しいところもあり、田口も裏を取られることが多かった。

 いつもなら困った時には、小林がガツンとボールを奪ってくれたのですが、それがなかった。
 それによってボランチ付近でスルスルと持ち上げられてしまうことが多く、下がりながらの対応が増えてしまいました。
 せめて熊谷あたりがいてくれればと思うのですが、コンディション不良なのでしょうか。

 さらにこの日の守備はサイドチェンジに苦戦。
 特に清水は左で繋いで、右のSHやSBに大きく展開する狙いがあるのですが、ジェフはマンマークなので大きく展開されると数的同数で対応する場面が増えてしまう。
 そこから失点してしまったわけで、サイドチェンジを遅らせたり、スライドの意識を高めたりといった修正が必要なのではないでしょうか。


 また、小林不在はビルドアップにも大きな問題を生んでいたように思います。
 いつもならCBやGKがパスを繋ぐと、小林が近くに寄ってきてくれて、パスを交換することで相手の隙を作るのですが、田口のポジションは小林より数歩前だった。
 これによってパスの距離が伸びて、ボールが届く前に寄せられてしまい、潰れることが多かった。

 田口としてはいつものボランチの感覚で、位置取りしていたのではないかと思うのですが、それだと相手を引き付けるパスワークが作れない。
 さらに、GK鈴木も連係不足な上、ボールを持つのが怖いのか、慌てて蹴ってしまうところがあり、落ち着いたビルドアップが出来なかった。
 アンカーとGKの交代によって、そういった連係面の課題が生じて、ミスが増えてしまったように思います。


 ただ、攻撃面においては、可能性も見せてくれたと思います。
 小林不在で見木がボランチになったことで、トップ下に風間が出場した。
 風間がうまく間で引き出し、タメを作って田中などを走らせることによって、攻撃の起点に慣れていたと思います。

 さらに見木もボランチスタートの方が前を向きやすく、高木もパスワークのテンポを作ってくれた。
 田中のスピード、小森の動き出しも相変わらず効果的でしたが、そこにパスを出せる風間や高木のスタメン起用はやはり攻撃にリズムを生み出してくれると思います。
 スタミナ面やプレスの部分は課題なのでしょうが、現在の得点力不足を考えれば、二人はスタメンを期待したい選手ではないでしょうか。


 ただ、相手が清水で攻撃的なチームだったからこそ、裏も取れてよい攻撃が出来たとも言えるかも知れません。
 これが守備の硬い相手なら、また違った展開になるかもしれない。
 田中や小森などは相手に引かれると弱いタイプでしょうし。

 それでも清水相手にここまで出来たわけですから、細々としたミスは反省材料ではありますが、決して悲観すべき試合ではないと思います。
 勝点は喉から手が出るほど欲しいですが、焦ってばかりでも逆効果となりかねないでしょう。
 次は堅守の町田とまた違ったタイプの相手になりますし、その町田相手にもいい攻撃を作れるように頑張ってほしいですね。