F1から開幕して2戦ですが、コース外の政治騒動の方が騒がしい印象すら感じます。
開幕前、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が女性従業員に、ハラスメントを起こしたと訴えられていました。
しかし、レッドブルの内部調査によって、無実という結論が下されます。
これで終わりかと思われましたが、その後当該の従業員が解雇されたことが話題に。
さらに、サウジアラビアGP中にはレッドブルの顧問マルコ博士が、ホーナー騒動リークの疑いをかけられ、予選後にサーキットを後にするというビックニュースがありました。
そのまま解任も噂されていましたが、決勝朝にはレッドブル本社のオリバー・ミンツラフCEOと共に来場し、自身でチーム残留を明言しています。
これによって、今度はホーナー代表の解任が報じられてましたが、今のところその報道は否定されています。
しかし、マックス・フェルスタッペンと父親ヨス・フェルスタッペンは、ホーナー代表に疑惑の目を向けている印象です。
それもあってか、フェルスタッペンのメルセデス移籍も噂されています。
現在3,4番手を争うメルセデスへの移籍は現実的ではないようにも思われますが、2026年にはマシンのレギュレーションが大幅に変わり、ホンダもアストンマーチンに移籍するということで、レッドブルも安泰ではないと見ているのかもしれません。
こういった騒動の背景には、レッドブル本社のマテシッツ総帥が2022年末に亡くなったことも、影響しているのではないかと思います。
レース好きだったマテシッツ総帥が、ホーナー代表とマルコ博士に自由を与えつつ締めるところは締めていたからこそ、うまくいっていたところもあったのでしょう。
そのバランスが変わったことで、チームは大きな問題を抱えているのかもしれません。
それでもレッドブルは開幕戦に続き、サウジアラビアでも1-2フィニッシュと、圧倒的な強さを見せます。
3位にはフェラーリのルクレール。
フェラーリはサインツが虫垂炎で、18歳のベアマンを急遽起用し7位につけています。
このレースで一躍次世代のスタードライバーと持ち上げられているベアマンですが、2レース連続で表彰台に立ったマシンで7位だったわけで予選でもミスをしていますし、正直騒がれすぎな印象もあります。
F1なのか、欧州の文化なのか、一度の成功で大きく盛り上げる傾向がありますが、実際に落ち着いた状況で走らせると、うまくいかないことも多い。
昨年、角田の同僚になったデフリースなどもそうでしたし、まだ結論を出すには早いのではないかと思います。
その角田は予選で9位と見事な走りを見せ、14位の同僚リカルドと差をつけたことになります。
決勝でもポイント圏内を争っていたのですが、ハースのマグネッセンが強引なパッシングで前に立ちます。
これでペナルティを受けたマグネッセンは、チームメイトのヒュルケンベルグをサポートするため、角田をブロック。
これによって、角田はポイント圏外に終わり、ヒュルケンベルグはポイントを獲得。
ハースの小松代表が、してやったりの戦略を果たしたことになります。
フェルスタッペン完勝で開幕2連勝。新人ベアマン驚異の7位。ハース”小松マジック”炸裂でヒュルケンベルグ1点獲得|F1サウジアラビアGP決勝速報
この戦略はレース後にも話題になりましたが、個人的には以前から疑問に感じていたルールでした。
昔は10秒ペナルティなどを受けると、その数周後にはペナルティを消化するため、ピットに入らなければいけませんでした。
しかし、それだとマイナスが大きいなどの理由もあって、レース後に加算すればOKというルールに変更になった経緯があります。
けれども、これだと本来いるべき位置にいないマシンが現れることになるし、今回のように捨て身のブロックで味方を助けることも出来てしまう。
この問題は以前から一部で指摘されていたわけですが、今になってその問題が浮上したとも言えるでしょう。
ハースが悪いというよりは、ルールとしてどうなのかという部分ですね。
角田も抜き切れなかったことが問題ではあり、そもそもハードタイヤでのレースペースに2台とも課題があったように思います。
これはフリー走行の時点で不安視されていたことではありますが、それでも現代F1は基本的に抜きにくいといった傾向にあるだけに、前に出てしまえばチャンスもあったと思います。
いろんな意味で複雑なレースとなってしまいました。
それでも角田は予選での速さは見せていますし、決して悪いばかりの週末ではなかったはず。
来週にはオーストラリアGPがあり、4月初めには早くも鈴鹿が待っています。
それまでに、レースペースの問題を少しでも解決できるといいですね。