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第25節 横浜FC 2-1 ジェフ プレスは回復するも後半に失速しATに逆転負け

 中断明け初戦となった、上位横浜FCとの対戦。
 先制したジェフですが、逆転負けとなってしまいました。
 意外とプレビューで予想した内容と、近しい展開になってしまったようにも思います。

 ジェフは連戦明けということでコンディションが回復し、前半からプレス重視で戦っていきました。
 それによって、前半は素晴らしい内容で1点リード。
 しかし、後半にはジェフが失速という、前回対戦時と同じような試合展開となっていきます。

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 前回はそれでも粘りの守りを見せて1-0で逃げ切ったジェフですが、今回は逃げ切りに失敗して1-2で敗れています。

 プレビューでも書いたように、「プレスだけに期待したサッカーで良いのか」というのが、やはり今のジェフの大きな問題点なのでしょう。
 それは前回対戦時にも感じてはいたところがあったわけですが、その課題を克服できなかったのがジェフで、逆に横浜FCは点を奪い切る強さを身に付けていた。
 横浜FCは前節水戸戦でも2点リードを許しながら終盤に2ゴールを奪って同点に追いついていることもあって、最後まで自信を持ってプレーしていた印象があるし、ゴールを奪う雰囲気を感じるチームだったと思います。

 
 対するジェフは1点を奪ったとは言え、もう1点を奪い切れなかった。
 前半はジェフペースだったとはいえ、他のシーンで相手ゴール前に迫る、確実な決定機がそこまで作れていたかというと微妙なところだと思います。
 さらに、まだ1点しかリードがないにもかかわらず、後半からは受けに回ってしまいました。

 逆に1点リードを奪ったら守り切るという守備的なチームを目指すのであれば、後半の守備に課題が残る。
 後半はサイドの奥で仕掛けられることも多かったし、中央で縦パスを通されるシーンも目立ってしまった。
 厳しく言えば、攻守に中途半端な試合内容となってしまった印象があります。


 一方の横浜FCは、これが昇格争いするチームといった雰囲気を感じました。
 前半はジェフ優勢でしたし守備でも甘さを感じる部分はあり、ジェフも勝てるチャンスのある相手ではあったと思います。
 ただ、総合的に言えばやはり力のあるチームだと思いますし、何よりも最後までやることがぶれなかったことが強さの秘訣なのではないでしょうか。

 ローテンションのチームなので、攻守にスピードで勝負するジェフとは相性が悪い部分もあるのかもしれない。
 それをそのまま受けて苦戦した前半だったと思うのですが、そこから一気に流れを変えた後半はさすがだと思いますし、選手交代も含めて勝ち方を知っているチームなのではないかと思います。
 ジェフはそういった勝ち切る強さ、賢さの面も含めて、まだまだ足りていない部分があるということなのかもしれません。

■プレスから優勢に進めたジェフが先制

 ジェフは夏に加入した山越が佐々木と2CBコンビを組み、エドゥアルドも復帰して守備時は田口とダブルボランチ、攻撃時は左インサイドへ。
 ドゥドゥ、横山、高橋壱晟もスタメン復帰し、林、高木が控えで、松田、品田、小川がメンバー外。
 サブからも呉屋が外れて、メンデスと新加入の杉山が入りました。

 横浜FCは右WB山根がスタメン復帰して、中村が控えに。
 元ジェフFWソロモンもベンチに回って、前節途中出場からゴールをあげた高橋利樹が1トップに。
 控えには6月末に加入して初のベンチ入りとなった、FWジョアン・パウロも入っています。


 7分、横浜FCの攻撃。
 福森のスルーパスから、高橋壱晟の裏を取った小川がクロス。
 高橋利樹が狙いますが、佐々木がブロック。

 10分、ジェフの攻撃。
 中盤左で得たFKから素早いリスタートで、日高が左を抜け出してグラウンダーのクロス。
 横山が横に繋いで、田口がミドルシュートで狙いますが、ゴールの左。


 その直後にもジェフの攻撃。
 前からのプレスでドゥドゥが相手の横パスをカットして、そのままミドルシュートを放ちますが、GK市川がセーブ。
 立ち上がりはボールが落ち着かない展開でしたが、プレスと左サイド裏を取る攻撃でジェフがリズムを掴んでいきます。

 17分にもジェフの攻撃。
 中盤後方の田口からスルーパスが出ると、日高がワンタッチでクロス。
 走り込んでいった小森が狙いますが、ジャストミートせず。


 しかし、その後は均衡状態に。
 横浜FCの守備も少しずつ落ち着いていき、ジェフのDFライン裏やサイドを狙う展開で攻撃を作れるようになっていきました。
 ジェフも攻め込む展開は作れても、シュートまではいけない展開に。

 それでも、41分にジェフが先制。
 高橋壱晟が中盤からアーリークロス。
 ゴール前に走り込んでいったエドゥアルドが、頭で合わせてゴールをあげ、1点リードで折り返します。

■後半は横浜FCペースで後半ATに逆転負け

 後半からは横浜FCのペースに。
 48分、横浜FCの攻撃。
 ガブリエルの縦パスが中央に入って、小川が反転してミドルシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。

 このプレーで得たCKから、横浜FCの決定機。
 一度はジェフが跳ね返しますが、小川がファーに送るとガブリエウがフリーでシュート。
 しかし、GK藤田と田中のセーブで失点を免れます。


 51分には、カウンターからジェフの決定機。
 相手のパスを受けた高橋壱晟がダイレクトでスルーパスを出すと、右サイドが田中が完全に抜け出します
 田中は素早く前線へパスを出すと、オフサイドエリアにいた小森がスルーをして、ファーのドゥドゥが受けてシュートを放ちますが、大きく外します。

 劣勢のジェフは55分、ドゥドゥを下げて杉山を投入し、杉山が右、田中が左へ。
 64分、横浜FCはガブリエウ、カプリーニ、高橋利樹を下げて、中村、伊藤、ソロモンを投入。
 攻め込む展開が続いていた横浜FCですが、70分頃には若干勢いが落ちていきます。

 74分、横浜FCは小川を下げてパウロを投入。
 78分には、横浜FCの攻撃。
 福森のクロスのこぼれたところを中村が拾ってミドルシュートを放ちますが、シュートは枠の外。


 その直後、ジェフは田中、エドゥアルド、横山をメンデス、小林、林を投入。
 メンデスを中央に置いた3バックに。
 81分、横浜FCは中野を下げて村田を投入。

 その直後、ジェフの攻撃。
 後方から前線へのFK。
 小森が落として林が繋ぎ、杉山が左足で狙いますが、GKがキャッチ。


 試合終盤は、横浜FCの攻勢が続きます。
 87分、横浜FCの攻撃。
 左サイド内寄りの位置からパウロが仕掛けてクロスをあげると、こぼれたところをンドカがフリーで狙いますが、田口がブロック。

 その直後のCK。
 福森が蹴ると、GK藤田がこぼしてパウロが狙いますが、枠の外。
 89分、ジェフは日高を下げて岡庭を投入し、そのまま左WBに。


 横浜FCの猛攻を何とか粘っていたジェフですが、後半ATに横浜FCが同点ゴール。
 FKの流れから村田が岡庭をかわして、中央を持ち上がってミドルシュート。
 これが決まって1-1に。

 その直後、横浜FCが勝ち越し点。
 ソロモンの展開を受けた村田のパスを、ポケットでパウロが受けて折り返しのパス。
 これをメンデスの前で受けた伊藤が、フリーでシュートを放ちゴール。

 その後はジェフが点を奪い返しにいきますが、97分には逆にカウンターで横浜FCのチャンス。
 右サイドを中村が完全に抜け出しクロスを上げると、ファーの伊藤がフリーで合わせますが、枠の外。
 その後もジェフはチャンスを作れず、1-2で逆転負けとなりました。

■プレスだけではなくその次を作れるか

 横浜FCは上位チームということもあってか、ジェフの中断前の試合内容があまり良くなかったこともあってか、明確なジェフ対策を準備してこなかったのかなと思います。
 守備においてもジェフが得意とするサイド裏への対策がハッキリとしていなかった印象で、特に前半のジェフは左サイドを取れていました。
 また、前半はビルドアップにおいても、ジェフが2トップと片方のSHでプレスにいく形をもろに受けて、劣勢な展開でのスタートとなった印象です。

 強いて言うのであれば、高橋利樹を起用してのプレス。
 特にGK藤田のビルドアップを狙ったチェイスを実施してきた印象ではありましたが、それも大きな変化ではなく。
 プレスがかいくぐられれば、深めに守るいつもの状態だったと思います。


 ただ、後半からはジェフのプレスも若干弱まって、横浜FCペースになっていきました。
 横浜FCはフィジカルの強い選手が多く、1人1人が粘って展開するといったシーンも多いチーム。
 前半のジェフはそこを人数で囲って潰せていたところがありましたが、後半からはそのキープ力が効くようになってしまった。

 さらに、左右へボールを回すことによって、ジェフの守備を分散。
 そこからサイドで仕掛けたり、中央で縦パスを通したりといった展開で、試合を優位に進めていきました。
 そうなってくるともう、横浜FCペースですね。


 中断前にも話したように、プレスにいけなくなると良い形で守れる術を持っていないジェフ。
 ボランチコンビが変わったにもかかわらず、バイタルエリアが開いてしまったり、試合を落ち着かせたりといったことも出来なかった。
 局面局面での守備では粘りを見せていたジェフですが、それだけでは45分間守り切れなかったということでしょう。

 エドゥアルド、山越などフレッシュな選手たちも頑張ってはいたし、全体的なコンディションは回復してプレスにいく時間も作れてはいた。
 しかし、そのプレスもやはり90分間は続かないということで、プレスだけでは厳しいということが改めてわかってしまった試合でもあったと思います。
 勢いだけではなくその次の術を作れるかが、問われているのではないでしょうか。