藤田、細谷など、スタメンを戻した日本代表。
イスラエル戦では試合の入りがもう1つだった印象ですが、この日は良い入りが出来ました。
試合序盤から前からプレスに行って、ボールも冷静に繋ぎ、良いリズムで戦えていた印象でした。
しかし、11分に先にスペインが先制。
下がって受けた三戸のポストプレーを潰されたところからやられた展開で、ボールの失い方が悪い流れで失点してしまいました。
ただ、それにしても相手のミドルシュートも非常に強烈でした。
その後、若干スペインが球際で優位に立ち劣勢に進みましたが、前半半ばからは日本の選手たちにも慣れを感じて日本が良い形で試合を進めていきます。
そして、40分にはうまく中盤の間で受けた藤田から、前線の細貝に縦パス。
相手を背負いながら細貝が反転して見事なシュートを決めますが、VARで足が少し出ていたということで取り消されてしまいます。
さらに、前半ATにも日本の決定機。
右サイド奥からのFKを山田が蹴ると、フリーでファーの細谷がヘディングシュート。
しかし、ポスト直撃でゴールを上げられませんでした。
ただ、前半途中からの日本は流れ良く戦えていたのですが、後半からはスペインも対策を取ってきた印象でした。
この日の日本は、前から数的同数のプレスを展開。
2トップで2CBを追いにいき、アンカーには藤田がいって、インサイドハーフの1人には木村が前に出て潰しにいく。
スペイン相手に積極的な姿勢を見せていったわけですが、それに対して後半のスペインは2CBやアンカーも後方に下がって、CBが左右に開きGKと共にビルドアップを開始することによって、日本のプレスをかわしていきました。
そうして日本の守備組織を間延びさせておいて、縦へ繋ぐ攻撃を展開。
これによって、スペインは前半よりも前線へパスを供給できるようになり、そこから良い形でボールを持てるようになっていった印象です。
そして、73分、スペインのCKから、ミドルシュートを決められて0-2。
それまで日本も何度か良い形で攻め込みましたが、ゴールを奪えなかったことも大きかったですね。
後半途中からは運動量も落ちていった印象で、少しずつ守備での遅れも感じる流れとなってしまいました。
それでも80分には細谷が、フィジカルを活かしてのボール奪取からシュートを放ち決定機。
しかし、86分にもCKから決定的な3失点目。
その直後には日本も荒木のCKから高井がバー直撃のシュートを放ちますが、これも決まらず0-3で敗戦となってしまいました。
審判も含めて不運もあった試合ではありましたが、そこも含めて世界大会。
あのスペイン相手に守備的なサッカーではなく、攻守に前への姿勢を見せて戦えたことは立派だと思います。
スペインも五輪代表世代ということでそこまでの強さは感じませんでしたが、それでも強豪国であることには変わりないはずです。
ただ、だからこそ、1点も奪えずに敗れてしまったことは非常に悔しい。
日本はチームのまとまりも個々の能力も上がってはいるとは思いますが、大会序盤から飛ばし過ぎてしまったのか、イスラエル戦やスペイン戦では若干疲れも見えてしまった印象もありました。
層の厚さや大会を通した戦い方などは、やはりスペインに分があったのでしょうか。
あとは、やはり最後の質ということになるのでしょうか。
藤田や細谷のプレーは見事でしたが、それでもミドルシュート2発を決めたフェルミン・ロペスのような選手がどれだけいるのか。
海外挑戦した選手たちが「向こうでは結果が大事」とよく話していますが、それも単純にイメージやアピール的な話ではなく、決めきる力を問われている部分が大きいのかもしれません。
逆に1失点目のように一瞬の隙を与えてしまう怖さも、もっと学んでいかなければいけないのかなとも思います。
選手たちにはこの悔しさをフル代表で果たせるように、またクラブで頑張ってほしいと思います。
まだ若い選手たちですし、この五輪での経験で伸びた選手もいるかもしれないし、今後活かせる選手もいるかもしれない。
あるいは、今回選ばれなかった選手たちも含めて、切磋琢磨して日本サッカーを引っ張っていってほしいですね。