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甲府戦途中から左から右に移った田中和樹がボレーシュートで劇的ゴール

 甲府戦の85分、田中が劇的なゴールを決めました。
 甲府に先制をされる展開も75分に同点ゴールを上げると、80分頃からはジェフが押せ押せの展開に。
 前半のジェフはシュート0本で後半も甲府がチャンスを作る苦しい流れだったからこそ、終盤の猛攻がより際立って見えた部分もあったのではないかと思います。

 85分のゴールを振り返ると、ジェフが攻め込んだところから、こぼれ球を小林が奪い返して林がキープ。
 そこから、小森が左サイドで仕掛けてクロス。
 右サイドの田中がボレーで合わせて、見事なゴールを決めています。

 そこまでに押せ押せの展開を作れたことによって、ジェフの選手たちが高い位置を取り、相手を押し込めたことで生まれたゴールだったと思います。
 特に印象的だったのが、アシストを決めた小森と、ゴールを奪った田中の動き。

 ゴールに背を向けてパスを受けた小森は、反転して前を向いて仕掛けていきます。
 このドリブルで左サイドよりに流れていってしまったとは言え、最終的にはフリーでクロスを上げられたことが大きかった。
 対面した飯田などには疲れも見えていたとはいえ、小森がボールを持つと何かが生まれるのではないかというイメージもあって、相手は腰が引けていた印象がありました。


 小森はファーで人数が余っていた田中を、しっかりと見つけてクロスを上げています。
 疲れの色が見えていた甲府は、ゴール前を人数で固めるだけの守備となっていた。
 鋭いクロスではなかっただけに、あまり目立ちはしない小森のプレーですが、冷静な判断や視野の広さをゴールだけではなく、チャンスメイクでも披露したシーンだったと思います。

 さらに逆サイドの田中は、うまくバックステップを踏みながら相手DFとの空間を作って、左足のボレーで合わせています。
 ゴール前だったとはいえ見事なシュートで、力がしっかり乗っていたからこそ、相手GKも反応できずに決まったシュートでした。
 田中もシュートのうまい選手ですよね。


 しかし、試合後にも話した通り、この日の途中まで、田中は甲府の守備に苦戦。
 これによって、チーム全体の攻撃も、封じられてしまいました。
 それだけジェフにとって、田中が重要な攻撃ポイントになっているとも言えるでしょう。

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 甲府はジェフ戦に限らずですが、右WBに飯田、右CBに関口と、ともにサイドもCBもこなせて、スピードと守備力のある選手を置いています。
 そのため、田中は簡単には左サイドを突破することが出来ず、どちらかがしっかりとカバーにも来ていて、他の選手も使えなかった。
 これによって、ジェフの左サイドが攻撃不全となり、苦戦した試合だったと思います。


 しかし、失点直後の70分に杉山を下げて林を投入し、横山を左SH、田中を右SHに変更。
 横山を左に起用した時点で、ある程度左サイドを縦に突破するというパターンは諦めたのかもしれません。
 その変更から、田中が右サイドで生き生きとプレーするようになって、攻撃が改善していった印象です。

 相手守備陣に疲労が見えたこと、失点してジェフの前へ意識が高まったこと。
 さらに、甲府の左WB荒木は右WB飯田よりも前に出ることが多かった上、ヘナトの怪我により変わって入った左CB孫は187cmの長身CBで、そこまで機動力があるタイプではないことも大きかったでしょう。
 田中はどんどん荒木の後ろを取って、チャンスを作っていきました。


 やはり田中は右サイドでのプレーの方が、伸び伸びとプレーできるのではないかと思います。
 左足でのキックもあるとはいえ、本来は右足が効き足だと思いますから、左を向いてのプレーの方が無理なく動けているように思います。
 さらに左足でのクロスの場合はボールをしっかりと見て時間をかけて上げている印象ですが、右足でクロスを上げる時はスムーズにキックフォームに入れている印象です。

 右足での方が素早くクロスを上げられる分、ボールを持った時のプレーの選択肢が増える。
 プレーの選択肢が多い分、相手も対応しづらいところがあると思います。
 左SHでも賢くポケットに入ったり、連係プレーを活かしたりといった展開はありますが、それはあくまでもオフザボールでの動きであって、工夫してやりくりしている印象を受けます。


 わかりやすい例が、78分に上げた田中のアーリークロスで、そこから小森がシュートを放っていますが、惜しくもオフサイドに終わっています。
 こういった精度の高いアーリークロスは左サイドではなかなか見られなかったし、アーリークロスが出せれば相手DFも前に出なければいけなくなって、その裏を狙いやすくなる。
 さらに、上記のゴールシーン直前にもポケットを取って、相手を抜き去る前に右足でクロスを上げるシーンがありました。

 それでも田中を左サイドで起用しているのは、左SHに良い候補がいないということなのでしょう。
 ただ、右SH杉山もはまっている印象はなく、守備面でも甘さが感じられるシーンが多い。
 岡庭もあまり評価していないのでしょうし、悩ましいところがありますね。


 田中は守備面での貢献も非常に大きく、守備で多少の穴が出来ても、スピードを見せて1人で相手に追いついて、ボールを奪い返してしまうことが多い。
 だからこそ、右でも左でも貢献出来てしまい、左サイドでの起用が増えていたのでしょうが、甲府戦では左サイドで攻撃面で苦戦してしまいました。
 右CB関口は大学の先輩だったそうで、手の内を読まれてしまった部分もあったのでしょうか。

 それでも最後は右サイドに回って、結果で見せてくれました。
 これで田中は5ゴール7アシストとなったそうで、いずれも昨年を上回る成績となっています。
 攻守に大きな活躍を見せている選手ですし、チームへの貢献度は非常に高い選手。
 小森と共にチームの大黒柱となりつつある印象ですし、来季以降もぜひチームに残ってほしいですね。

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