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ジェフアカデミー黄金世代最後の選手 岡本昌弘が現役引退

 先日、鳥栖GK岡本昌弘が現役引退を発表しました。

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 岡本は1983年生まれの41歳。
 ジェフアカデミー出身で、ユースからトップチームに昇格すると、2002年から2019年まで長くジェフでプレーしていました。

 岡本時代のジェフアカデミーは、黄金世代と言っていいでしょう。
 岡本の2つ上の先輩には阿部、佐藤勇人兄弟がいて、1つ上には中後、同期には山岸がいて、岡本の1つ下には工藤などなど、豪華な面々が並んでいます。
 さらにGKだけ見ても1つ上に高木と太がいて、サポーターの中では誰が昇格するのか、ユース時代から話題となっていました。


 しかし、2002年にトップ昇格を果たした岡本も、その後は苦労の時期が長い状況でした。
 トップチームもジェフ黄金期だったこともあって、ポジション争いのレベルが非常に高く、GKも櫛野、立石が鍔迫り合いを繰り広げ、岡本は3番手以降という立ち位置に。
 2003年にはオシム監督が就任しますが、プロ入りから4年間で出場できたのは、2003年のナビスコ杯1試合のみでした。

 ちなみに、オシム監督が率いた2006年第10節大分戦では、スタメンが立石で、控えGKに櫛野と岡本の2人を置いたことがあります。
 他選手に対して、もっと練習からしっかりと取り組むようにというメッセージだったのだと思います。

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 岡本にとって転機となったのが、2006年途中のアマル監督の就任で、アマル監督は自身がサテライトチームを見ていたこともあって、世代交代を推し進めようとしていきました。
 実際、櫛野、立石などにもミスが目立っていたのは事実で、オシム監督が完成させたチームも、そろそろ1つのサイクルが終わると考えていたのかもしれません。
 アマル監督の下、出場機会が増えた岡本は、その年優勝したナビスコ杯決勝の舞台にも立っています。

 岡本は186cmと身長が高く、基礎的なキーパースキルも安定しているタイプで、若くから期待されていました。
 しかし、優しい性格もあってか、メンタル的な部分での課題が大きく、出場当初はバタバタしてしまう試合も目立つ状況に。
 それにより、2007年には当時JFLだったジェフリザーブでのプレーも一時的に経験しています。


 それでも経験を踏んで少しずつプレーが安定していくと、2011年にはJ2でドワイト監督の下、初めて1シーズンレギュラーとして活躍。
 そこから5年間安定して試合に出場していきますが、2015年から出場機会が減っていくと、2016年には佐藤優也の加入もあって控えGKに回ることが増えてしまいました。
 そして、2018には愛媛へとレンタル移籍を果たします。

 愛媛に移籍してからの岡本は非常に安定したプレーで、J2の中でも目立つ活躍を見せ2年間全42試合フル出場を果たします。
 愛媛3年目には完全移籍に移ってジェフを離れますが、4年目には湘南から秋元が加入し出場機会が減少。
 それでも22試合に出場しますが、2022年からはなんとJ1の鳥栖へと移籍します。

 鳥栖では控えGKが主な役割で、いまのところカップ戦での出場しか経験していません。
 それでも鳥栖に請われて移籍したということは、岡本の実績や性格を評価されてのことだったのでしょう。
 昔から非常に真面目で和を乱さないタイプの選手でしたから、若い選手が多い鳥栖にとっては貴重な存在だったのかもしれません。


 アカデミー時代から長くジェフでプレーしてくれていましたし、ジェフアカデミーにとっても、トップチームにとっても黄金期を知っている数少ない存在でもありましたから、今回の発表はとても寂しいですね。
 ジェフアカデミー出身の大ベテランと言えば、岡本の3つ上に当たる山本英臣が未だ現役で頑張っているわけですが、ジェフではトップ昇格後4年間しか在籍しておらずそこからは甲府一筋ですので、もう甲府の選手というイメージですね。
 来季は岡本の鳥栖もJ2降格が決まっており、ジェフも昇格に失敗してしまいましたから、岡本とピッチで再会できるのかなと思っていたのですが、それは叶わなかったことになります。

 今年は水野晃樹も引退を発表しており、その時にも岡本の名前を少し出していたのですが、同じ年での引退となってしまいました。

yukkuriikou.hatenablog.com
 
 ただ、その水野は39歳。
 岡本に至っては41歳まで頑張ったわけですから、残念という言葉以上に、その功績を讃えるべきでしょう。
 GKという難しいポジションながら、ここまでJ1とJ2あわせて385試合に出場しているという数字も立派だと思います。

 今後はコーチ業などを目指すのでしょうか。
 岡本なら優しく優秀なコーチになれるのではないかと思いますので、次の舞台でも頑張ってほしいですね。
 長い間、お疲れさまでした。