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2018シーズンを振り返る 増嶋竜也編

 本日からDF部門の振り返りとなりますが、まずは増嶋に関して触れたいと思います。
 今シーズン柏からレンタル移籍した増嶋は、スタメン20試合・途中出場3試合の計23試合に出場。
 これはCBの選手の中で、近藤、鳥海に続く3番目の出場試合数ということになります。


 開幕戦でスタメンとなったものの、9分という早いタイミングで退場となってしまいますが、第3節岐阜戦と第4節徳島戦ではスタメンに復帰。
 しかし、チームが開幕から4戦勝ちなしという状態に陥ったこともあってか、その後は一時的にスタメンを外れることになります。
 それでも4月28日の第11節甲府戦で再びスタメン出場すると、そこから7月21日の第24節讃岐戦までレギュラーの座に定着しました。



 しかし、その翌戦からはスタメンを外れ長らく試合から遠ざかっており、ラスト3戦のところで16試合ぶりにスタメン出場。
 そこから3試合の活躍は記憶にも新しいですね。
 増嶋によると、シーズン途中にスタメンから外れた理由には怪我もあったようです。


 増嶋は昔から怪我の多いイメージもあるので、そういった不安が出てしまったとも言えるでしょう。
 ただ、8月中旬からシーズン終盤までコンスタントにベンチには入っていたので、スタメンを外れたキッカケが怪我だったのは事実なのかもしれませんが、スタメンに復帰できなかった要因は怪我だけではなかったのではないかとも思います。
 エスナイデル監督がそれまでの流れを重視したのかもしれませんし、増嶋に足りない部分があるという評価もあったのかもしれません。



 プレーに関しては、さすがにベテランということで安定していたように思います。
 ポジショニングも落ち着いていましたし、高さや強さも見せていました。
 また長いボールでの展開も計算でき、近藤も足元の技術はあるとはいえ、積極的に自ら展開するタイプではないと思うので、増嶋の方が展開力は期待できたようにも思います。


 ただ、一方で細かく繋ぐところで、イージーなミスも目立っていた印象です。
 さらにシーズン終盤にも不用意に危険なタックルを仕掛けるなど、危なっかしいプレーもいくつかありました。
 市船時代から増嶋を良く見ていましたが、当時から能力は高いもののポカが多い印象で、そこが大成しきれなかった要因の1つではないでしょうか。



 また、以前にも話しましたが、増嶋が入るとラインを引くタイミングが早くなり、若干深く守りがちになる印象を受けました。
 増嶋はもともとカバーリングタイプで、スピードはあまりない選手だと思います。
 そこでラインを深く守って、スピード面での課題を消そうとしていたのかもしれません。


 引くのは早くなっても若干ラインを高めに維持するのが今年のジェフの特徴ではありますが、早めに引く分中盤にスペースが出来がちだった印象があります。
 このあたりがチーム全体で意思疎通できていればいいのでしょうが、そもそもとして守備の整備が出来ていないだけに、どういったやり取りがあったのかはわからないですね。
 ただ、今年は昨年のような極端にハイラインを維持するという形ではなかったので、結果的に増嶋のやり方でも良かったということかもしれません。



 4月末からスタメンに復帰した増嶋ですが、5月下旬には近藤がキャプテンから外れるというチームにとって大きな出来事もありました。
 未だにその理由は有耶無耶なままですが、タイミングからして増嶋がDFラインを主導し始めたことによって、近藤をキャプテンから外したという可能性もあるのかもしれません。
 増嶋が入ると近藤がいるいないに関わらずラインの押し下げが早くなる印象がありましたし、増嶋の影響力が強まっていたのかなとも思います。


 そもそも、柏でもコンビを組んでいた近藤と増嶋ですが、柏時代からどちらがリードしていたのでしょう。
 確かに近藤は35歳、増嶋は33歳と近藤が2つ年上ではありますが、当時から性格に関しては増嶋の方がキャプテンシーのあるタイプといったイメージでした。
 増嶋は市船時代だけでなくユース代表でもキャプテンを務めていましたし、近藤はどちらかというと静かな印象もあったと思います。



 結果的にエスナイデル監督が増嶋がリードすることを認める形で、キャプテン交代ということになったのでしょうか。
 ただ、そうだとすれば、なぜ増嶋が怪我から復帰してすぐにスタメン復帰しなかったのか…という疑問も浮かんでくるわけですが。
 もっとも、大事なのはキャプテンの交代以上に、増嶋の起用がラインの高さに影響を与えたのか否かだと思います。


 もし増嶋がリードするとラインが深くなりがちで、来年は増嶋中心に戦うようなことがあるのであれば、ハイラインサッカーは厳しくなる可能性があるということになるのではないでしょうか。
 さらに言うと、昨年はDFラインを極力高く上げるように指示していたエスナイデル監督が、ラインの設定を選手に任せる方向に進んでいるというのであればこれも大きな変化だと思います。
 戦術面の判断を選手に任せ始めるとチーム崩壊に近づくケースが多いと思いますし、中途半端な戦い方にもなりがちです。



 もちろん、来季はまた状況が変わる可能性もあるでしょう。
 選手構想なども変わってくるのでしょうし、近藤や増嶋などがチームに残るのかどうかもまだわかりません。
 ただ、深く守る弊害もあったように思いますし、最終的にはチーム全体としてどう守備をまとめていくかだと思います。


 チーム全体のマネジメントこそ、本来は監督のやるべき仕事だと思いますし、そこを諦めて選手に任せ始めるとバラバラになってしまう不安も大きい。
 今季もチームとしての戦い方は全体的に中途半端だったと感じるだけに、来年はどういった方針で戦うのかを改めてもう一度明確にする必要があると思います。
 そこに主力選手たちがどう絡んでいって、チームを作り上げるのかに注目ですね。