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尹監督「モチベーションの持っていき方をどうすればいいのか」

 熊本戦後、尹監督が以下のようなコメントをしています。

www.jleague.jp

尹晶煥監督
「結果もそうなのですが、動機付けの部分で選手のみんなに足りていないところがあったのかなと思います。
(中略)
残りの4試合に対してどう準備していけばいいかというところを考えないといけないと思います。選手たちも動機付けやモチベーションの持っていき方をどうすればいいのか、というところもあるかと思います」

 フクアリではコロナ禍で初めての声出し応援適応試合だったにもかかわらず、こうやって指揮官からモチベーションに問題があったという話が出るのは、いろいろと考えてしまうところがありますね。
 個人的にはもともと観客の応援というものは後押し程度にはなるでしょうが、そこまで大きな影響は与えないと思っているので、納得感もなくはないですが。


 ジェフの公式サイトでは会見の続きが記載されており、モチベートの問題を聞かれて「すべては話せないが、時期の問題として難しいところがあった」と話していたようです。

jefunited.co.jp

 尹監督の退任決定もあってモチベーションが下がり、それが選手にも反映されてしまった部分もあるのでしょうか。
 可能性としては、あり得るのかなとも思います。

 あるいは、選手個々でも退団が決まっている場合もあるのでしょう。
 Jリーグは海外リーグに倣って、契約満了6カ月前には他クラブと交渉できる(PDF)ようになっています。
 そのため、すでに来季はジェフにはいないことが、固まっている選手もいるのかもしれません。


 そういった状況もあって、残り試合に対する強い思いがなくなったということなのか。
 あるいは、すでにプレーオフ進出も諦めてしまっていたのか。
 ただ、一方で尹監督は試合後のDAZNでのインタビューで、「いつも大事な試合を逃してしまう」のが課題であると、チームとしてこの試合が「大事な試合」という認識であったことが伺えます。

 さらに言えば、例年のジェフの場合、むしろノープレッシャーになったシーズン終盤の方が調子が良いことが多い。
 それを踏まえると、尹監督の退任が影響を及ぼした可能性はありますが、選手個々の契約や順位的な部分に関しては、あまり関係がないような気もしてしまいます。
 尹監督も昨年末、韓国メディアにジェフとの契約延長を「本当に迷った」と話していたことからも、あまりジェフでの指揮にはモチベーションが高くないのかなとも思っていたのですが。

sportsseoulweb.jp

 実際にはモチベーションは複雑なものが絡むことが多いのでしょうが、それにしても声出し応援再開初戦だったこと、まだプレーオフ進出の可能性は残されていたことも考えると、モチベーションの問題が出てしまったのはすごく残念ですね。
 これが選手個々の問題なのか、チーム単位の課題なのか、クラブとしての環境などの影響なのか。

 とはいえ、試合内容に関しては、そこまでモチベーションが大きく影響を与えたのかというと疑問が残ります。
 試合展開はいつも通りだったと思いますし、極論で言えばモチベーションが多少下がっていたとしても、チームとしてやることが明確だったとすればオートマチックにある程度は戦えるはず。
 何よりも今回の試合だけが極端に悪かったわけではないはずで、それを踏まえれば根本的な問題はどちらかと言えばチームとしての完成度の部分などではないかと思います。

日本代表 2-0 アメリカ代表 世界を見据えて4‐2‐3‐1にシフト

 今年は中東カタールで行われるため、11月からの開催となっているW杯。
 例年とは大きく異なる日程となるため実感が湧きませんが、開催まであと2か月後に迫ってきました。
 当ブログでもW杯目前ということで、自分のメモも兼ねて日本代表の活動を取り上げていきたいと思います。

 日本代表も現在行われている欧州キャンプが、W杯最後の活動となるそうです。
 その欧州キャンプの初戦で、日本代表はアメリカ代表に2‐0で勝利。
 チームとしても様々なテストを実施していた印象ですし、細部も詰めてきているのではないでしょうか。


 守備においても、以前の試合では4‐1‐2‐3に対するプレスが中途半端で、対応に苦慮していたところがあります。
 しかし、アメリカ戦では4‐4‐2気味の立ち位置をとり、相手の1アンカー前に2トップが位置してパスコースを消す。
 そこから、相手の横パスやバックパスに合わせて、じわじわと前に行く守備の準備をしていきました。

 そうやって少しずつ相手のビルドアップの行き場をなくし、無理な縦パスや緩いパスが出た瞬間に囲いにいってボールを奪う。
 そこからのハーフカウンターが機能して、チャンスを作り出していました。
 現在のジェフはリトリートした時はガッツリ引くため相手に押し込まれて苦しくなり、ハイプレスに行く時はがむしゃらに走って息切れを起こすという課題が感じられるわけで、こういったリトリートしながら相手のビルドアップを限定してプレスに行くという賢い守備は、今のジェフに取って大きなお手本となりますね。


 攻撃においても、相手が4‐1‐2‐3でサイドへプレスに来た時は、SBから斜めの縦パスを出してFWが落として逆サイドの中盤が受ける。
 試合途中から相手が4‐4‐2に代わって中央へプレスが来た時には、2CBで相手を引き付けつつSBやボランチに繋ぎ、そこからワンタッチで展開するというパスワークを見せていました。
 プレス回避に関する動きに関しても、細かな意図を感じた試合だったと思います。

 また、この試合から、日本が4‐2‐3‐1に戻したことも注目ですね。
 これまでの日本代表もアジアレベルでは戦えても、そのまま世界に挑んだら惨敗してしまったなんてことは珍しくない。
 2001年のサンドニの悲劇が代表例ですが、2006年のドイツW杯、2014年のブラジルW杯などもそうだったと思いますし、やられる前にこちら側から世界レベルにシフトする考えは賢い方法だと思います。


 アメリカ代表戦ではトップ下に鎌田を起用しましたが、これまでは4‐1‐2‐3で左ウイングに南野を起用して、中央寄りでプレーさせていました。
 4‐1‐2‐3ではインサイドに守田と田中という中盤タイプの選手を起用していた分、ウイングにFWもこなせる南野を置いてゴール前に厚みを付けたかったのではないかと思います。
 今回はトップ下に鎌田を起用しゴールに絡ませることによって、これまでの南野と近しいタスクを要求したのではないでしょうか。

 また、左ウイング南野が中央寄りでプレーするシステムでは、その分サイドを長友がアップダウンすることで、攻撃に厚みを作ろうとしていたように思います。
 今回左SHに入った久保も本来は右サイドでプレーするせいか、中央寄りの位置取りが多かった印象です。
 ただ、そこでの効果はあまり感じられなかったですね。


 2‐0で完勝と言われているけれど油断すべきではないなんて記事も見ましたが、そこまでの完勝だったかというと疑問が残ります。
 ハイプレス時はいいけれど前を向かれた時の守備には不安がありましたし、田中や南野が抜けた分、中盤の構成力は以前ほどではなかったと思います。
 個人的には久保は攻守の切り替え面では良かったものの、攻撃時は詰まることも多く引いた状況での守備には不安も残りましたし、このままいくと左SHのチョイスがポイントになるのかなという気もします。

 今回のW杯ではコロナ禍も考慮して、26人の選手登録が認められています。
 その分、選手の幅は広がることになりますし、さまざまな可能性を想定した準備が期待されますね。