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兵働、ロメロを止められずに失点

 水戸戦後に一部サポが居残りを行い、スポニチ速報紙面、日刊の速報紙面、それぞれで取り上げられています。
 サポによる抗議行動の是非はともかく、今回の具体的な要望は何だったのでしょうね。
 記事内にある「敗因の説明」は聞いたところで納得できないでしょうし、仮に納得できたとしてもそれによってチーム状況が好転するわけでもない。


 あるいは監督解任を求めるものだったのであれば、先日も話した通り昨年終盤に声を上げるべきだったと思います。
 良くあるのが「補強プランを聞きたい」というものですが、今から1人2人補強したところで大きく変わるようなチーム状況とも考えにくい。
 監督交代にせよ選手補強にせよ、シーズン中にやれることは限られていると思います。



 具体的な要望のはっきりしない居残りだったのであれば、それは方向性が見えないクラブやチームと同じこと。
 一般的に言っても曖昧な行動が増えれば信頼を損なうことになるだろうし、次に何らかの行動を起こしたとしても効果を得られにくくなる。
 ただ、twitterなどを見ていると、この行動によって批判の矛先が変わったようにも見え、結果的にチームを守ったことになるかもしれませんが…(笑)


 しかし、これで「フロントも監督も選手もサポも悪い」というようなアバウトな結論に達するのであれば、それはチームの将来において良いことではないようにも思います。
 しっかりとそれぞれの問題点を抽出して、そこに対する原因を明確化し、その上で対策を考える。
 そういたことせずに「なんとなく悪い。だから入れ替えを希望する」というような考えが続いてしまっては、いつまでもこのクラブは変わらないように思います。
 今回の居残りもそうですが、どの問題点を指摘してどういった要望なのかはっきりしないのであれば、今後も「ただなんとなく…」で終ってしまうのではないでしょうか。



 さて、話は変わって、水戸戦の振り返り。
 この試合では水戸が兵働、ロメロと攻撃的なボランチを並べてきたことが、試合のポイントの1つだったのではないかと思います。
 水戸はここ数試合このボランチコンビになっていますが、前節松本戦では守備の穴を埋めきれず運動量も足りず、課題も目立っていたように思います。


 一方で現在のジェフは、2列目の選手たちの仕掛けが武器となっている印象です。
 それだけに水戸がこのボランチコンビを変えて、守備的な構成してくる可能性もあるのかなと思っていました。
 しかし、実際の試合では、兵働とロメロのボランチを継続という判断をしてきました。



 水戸としては勝負を仕掛けてきたことになると思いますし、見方によってはジェフの攻撃陣をなめてかかってきたのかなとも思いました。
 しかし、実際ジェフは効果的に相手ボランチ付近を攻め込む回数は少なかったし、あの2人のボランチでもこなせたことになってしまいます。
 確かに井出や町田の仕掛けで何度かチャンスを作っていましたが、サイドでの仕掛けが多かったし決定的と言えるほどのチャンスは少なかった。


 ジェフは逆に守備において、あろうことか兵働とロメロの2人をフリーにしてしまうことが多く、そこから失点もしてしまった。
 ジェフは押し込まれてからの守備が課題で、例えば北九州のようにFWも下がって後方を固めるのか。
 それとも水戸の後半のように下がった位置から前に出ていってプレスをかけていくのかが曖昧で、どこで奪うのかどう守るのかチームの意図が見えてこなかった。



 この試合では相手ボランチを捕まえられなくなったのが20分頃からで失点したのは39分だったわけですから、20分近く修正できないままやられてしまった。
 もっといえば北九州戦でもボランチを捕まえきれずスルーパスを出され、左サイドの裏を取られるといった同じパターンでやられています。
 さらにいえば後方に引いてから中盤にスペースが出来る問題は、関塚監督が就任した直後から課題となっている印象です。


 兵働としては関塚監督にスタメンを外されてジェフを退団したわけで、リベンジを果たせたと言っていいのかもしれません。
 また佐藤祥も前回対戦した試合に続いて、健闘していた印象です。
 佐藤祥も前節松本戦では高さを狙われて、逆サイドからクロスを狙われて競り負けて失点に絡んでいるのですが、ジェフはそういった狙いも感じませんでした。



 ジェフはボランチ対策もしてこなかった印象で。
 北爪が試合後に話している通り「相手の良さを消すことも大事ですが、自分たちの良さをいかに出すかがポイント」という考えも確かに大事だと思います。
 ただ、相手がいるのがサッカーでもあり、相手対策をしたことによって消えてしまうような「自分たちの良さ」なのであれば、それは本当に「良さ」と言えるレベルなのかどうか。


 「自分たちの良さ」をベースとして相手対策も出来るような状況にならなければ、本当の意味での強みやスタイルの確立にはつながっていかないのではないかと思います。
 結局はベースがしっかりしていないからこそ、相手対策も出来てこないし、良さも出せないのではないかと思います。
 今季は昨年までよりスカウティングをしっかり実施してきた試合が多かった印象だったのですが、チームが迷走し始めてそれどころではなくなってしまったというところもあるのかもしれません。